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愛の鎖

39 - 第39話 溢れるアイノカタチ

♥

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2025年08月06日

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藍Side


‥‥ん‥‥。

ふと目が覚め‥モゾリと体勢を変えようとして気付く。自分の身体を温かい腕が抱き締めている事に。


目線を向けると、すやすやと眠る祐希さんの寝顔。


俺‥いつの間に寝たんやろ。


段々と覚醒してくる記憶。身体の奥深くに彼を受け入れた名残が、少し身体を動かすだけでも思い起こされる。

そして、全身を纏う気怠さ。

でもとても心地良い。


俺を包むように抱き締めている腕に思わず頬ずりしてしまう。この腕に帰りたかった。何度思った事か。


スリスリ‥と擦り付けても、祐希さんはよく寝ている気がした。規則正しい呼吸音を愛しく思いながら見つめる。


(愛してる)


昨日確かに祐希さんが言ってくれた言葉。嬉しかった。俺の心を満たしてくれる。


「俺も‥好きやで‥」


思わず呟く。愛しい寝顔に。寝ている時なら素直になれる気がしたから‥。




しかし‥、










「俺もだよ♡」



寝起き特有の気怠さを感じさせながらも、アーモンドアイがくるんと茶目っ気を含みつつ‥こちらを見つめていることに驚く。



悪戯を含む瞳が、俺の瞳を覗き込みながら微笑む。今しがた呟いてしまった俺の呟きに対しての返事なのだろう。その事に気が付いた時、瞬時に顔が火照りだす。


「起きてたんなら、早く言ってッ!///」


近くにある枕を照れ隠しとばかりに祐希さんの顔に投げつける。勢いよく投げつけたつもりが‥思いの外手応えがない。その証拠に、投げつけた枕を掴みヒョイッと放り投げ、祐希さんに抱き締められる。


“あ゛ッ‥“ギュッと強い抱擁に思わず声が漏れる。肺が圧迫される。息苦しい。逃れようと藻掻いてみるがビクともしない。


「ん‥‥‥」



強く抱かれ‥微かに漏れる余韻の残る声にハッとして口元を押さえる。今まで何度も経験しているはずなのに‥今日はやたらと情事の名残を感じるのは何故なのか‥。


少し足をずらしただけでも、体内の内部に感じる違和感。深く挿入された時の質量感がまざまざと蘇る気がして‥酷く淫猥な気持ちにさせられる。


激しく求めるように最奥を抉られた感覚。その全てを味わいたくて必死に食らいつき、余すことなく飲み込んだ事。目を覆いたくなるほどの痴態を晒しながら幾度となく果ててしまった昨夜の自分を思い返す。


その全ての感覚が不意に全身を襲うから‥自分をきつく抱きしめる祐希さんの手から逃れたい衝動に駆られてしまう。


気づかれてしまう前に‥


「嫌や‥離し‥てッ!」


それなのに祐希さんは抱きしめる手を緩めない。それどころかより一層激しさを増す。


おまけに抱き締めるだけならいざ知らず‥スラリと長い指がお尻を撫で回すから、その感覚から逃れたくて首を振る。目が覚めて気づいたが、俺だけ何も身にまとっていない。

祐希さんは服を身に付けているというのに‥。


だから、肌に容易に触られてしまう。



「嫌?なんで?さっき、好きって言ったじゃん?」


不思議そうに首を傾げるその瞳は‥俺が何故嫌がるのか‥本当に分からない様子だ。


「言うたけど‥///」


あまりにも覗き込んでくるその瞳に耐えきれず、顔を背けるが‥


横を向く俺に対抗するように、耳朶を甘噛みされる。顔を背けた罰とでもいうように。


「やぁ‥///」



弱い耳を攻められ、舌が敏感な部分を這い回る。甘い吐息と粘着質な舌音が混ざり合い、身体中がそれに反応してしまう。


「いやぁぁ‥///」


それでも必死になって両手を押し付け抵抗するが‥不意に握り込まれる。


今、一番触れて欲しくない場所。



祐希さんの片手が‥俺の中心部を握りしめる。



「あっ、嫌やッ!」


「なんで‥嫌なの?もう‥こんなになってるじゃん‥?」



「‥ぐすっ、ゆう‥きのアホ!だから、嫌なんよ!!」


思わず涙声になり、目の前の彼を睨みつける。


祐希さんからすれば訳がわからないのかもしれない。今‥祐希さんの手の平に収まる俺の中心は‥熱を持ち与えられる刺激に反応するように勃っていたから‥


祐希さんの少しの動作も拾うようになってしまったのか、ほんの僅かな指の動きですら‥敏感に反応してしまう。


人差し指が先端に触れるだけでも、電流が走ったように駆け抜ける。


感じてしまう。


だから‥嫌だった。


意識を無くす前も、あれほど淫らに欲したというのに‥


こんなにも求めてしまう自分自身が堪らなく滑稽に感じてしまって‥



それを彼に悟られるのも嫌だった。


彼の体温に、


彼の汗の匂いにすら、


敏感に感じ取ってしまう自分を見せたくはなかった‥



だから、懸命に逃れようと藻掻き、下腹部に力を入れる。しかしその時、


「あっ‥‥‥」



太腿を伝い落ちる感触に全身が粟立つ。


もしかして、これって‥


恐る恐る確かめようと下半身に手を伸ばす‥が、その前に瞬時に理解したのか祐希さんの腕が伸びる。


「嫌やっ、触らんとって! 」


思わず叫ぶが‥お構いなしに指先が、滑る入り口部分に触れる。ズプッ‥といとも簡単に侵入し、体温を測るかのように深く入り込んできた。


ヌチャ‥入り口から卑猥な音がこだまする。おまけに、挿入する指を内部で拡げるから、さらに溢漏れ落ちそうで‥無我夢中で祐希さんの腕にしがみつくが、止めてくれる気配はない。


「藍‥大丈夫‥中にあるのを出すだけだから‥」


「嫌や‥自分で出来るッ///」



「奥まで入ってるから無理だよ‥ごめん‥ゴムもせずに中に出したから‥辛いよな?ごめん‥」



気がつけば、落ち着くようにと何度も背中を撫でてくれる優しい腕の温もりに気付く。


「俺が悪かった‥どうしても抱きたかったから‥ごめん‥嫌だろうけど、後始末させてくれる?なっ?、藍‥」


準備もしないまま抱いたことを後悔しているのか‥祐希さんが辛そうに問いかける。


ズルいやん‥


そんな顔されたら‥断れない。




コクンと頷くしかなかった‥








「‥やぁ‥出ちゃ‥う」



「いいよ、そのまま出して‥」


四つん這いがいいと言われ、羞恥心が襲う中、その姿勢になった後、またゆっくりと祐希さんの指が2本挿入される。


優しく丁寧に中を掻き回され、合図と共に下腹部に力を込めると‥奥に放たれた精液がどろり‥と零れ落ちてくる。



「み‥見んといて‥///」



「藍‥それは無理だって‥」


どうしても恥ずかしさを伴う行為に必死になって懇願するが、その度に祐希さんの苦笑するような声がする。


まぁ、見ないと処理出来ないのも分かるのだが‥




幾度かその行為を繰り返し‥ようやく指が引き抜かれる。



「‥ん‥‥‥///」


「くすっ、らぁん♡締め付けただろ?最後?本当はもっとして欲しかった?」



「‥ゆうきの‥アホ‥‥///」



精一杯の俺の返しに後ろからクスクス笑う声がする。思わず睨みつけるが、どこ吹く風といった様子にさらにムカムカしてくる。



「も‥終わったんなら‥どいて‥///」


我ながら子供みたいだとは思うが止めることが出来ず、乱雑に姿勢を変えようと状態を起こす。しかし、それもまた後ろから抱き締めてくる祐希さんによって遮られてしまった。



「藍‥怒ってる?」


「‥怒ってる‥わけや‥ないよ‥ただ‥」


恥ずかしいだけや‥小さく独り言のように呟く俺の言葉に、さらに抱き締めている腕に力が込められる。


「‥潰れるやん‥馬鹿力やから‥」


「誰よりも大事な藍を潰すわけないだろ?なあ、藍?」


「‥‥」


「愛してる‥何回だって俺、言うよ‥愛してる」


「‥よう言えるっすね‥そんなセリフ」


「藍になら言えるよ‥俺、藍がすげぇ好き‥」



「‥くすっ‥知っとる‥」


「ずっと居ような、」


「‥他の人のところなんか、いかん?」



「ああ‥」



「もし‥いったら‥太志さんに言いつけるからね、ニコッ」


不意に後ろを振り向き、にやりと笑うと、苦虫を噛み潰したような祐希さんの表情に思わず吹き出してしまう。



そして、どちらからともなく唇を重ねた。


空いていた時間を埋めるかのようなその口づけは‥長く続いた‥



この作品はいかがでしたか?

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コメント

4

ユーザー

もう良かったとしか言えない😭 籃くん敏感になりすぎて可哀想な気もするけど(((( もう小野寺がいるから大丈夫ですね^^ 次回も楽しみです!

ユーザー

この二人はもう大丈夫かな?祐希!あんまり藍を泣かすなよ!とりあえず小川くんは太志くんに怒られといて(笑) 次回も楽しみにしてます☺️

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