ちゅういは第1話へ
5行後すたーと
わたしの最初で最後の一目惚れはあっけなく散った。
そう思っていた。
「あの。よかったら、少し付き合ってもらえませんか」
こちらに傘を傾ける彼に、そう声をかけられるまでは。
「付き合うって、なにを?」
「少々話しませんか。さすがに家は知られたくないと思うので、近くまで送ります」
「いやいや、それはさすがに悪いので」
「……こさめがあなたと話したい、と言ってもダメでしょうか?」
運命とは、最初から巡り合わせのことだとするのならば。
わたしは彼との出会いを、“運命”と呼びたいと思ったのだ。
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