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俺と君の純愛ストーリー

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俺と君の純愛ストーリー

1 - 拝啓、儚い夏と共に消え去る君へ。

♥

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2022年06月28日

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拝啓、

オレの愛しの彼。

あの夜を越え、約5年。そこでも元気にしていますか。少しでも寂しいと思ってくれたらいいなと思います。柄でもないですが、オレは少し寂しいです。

あの夜を越えるのと同時に君はこの世界から儚く散りました。大好きで最高な相棒で、愛しい恋人で。男同士だったけれど、周りの冷たい視線からも、どんな罵声を掛けられてもお前は「彰人が居るから大丈夫」と言っていたな。ほんとはずっと、辛かったはずなのに。それなのにずっと微笑んで「大丈夫」と突き通していましたね。

オレと冬弥が出会った時、オレは絶対手放しては行けないと思ってしまったんだ。逃がしたらダメだと。父親に反抗する為にクラシックからストリートに逃げてきて。でも、父親のお陰とは言ったらおかしいけど、逃げてきた、だからこそお前とオレは出会えたんだな、と思います。オレは咄嗟に声をかけました「お前、オレと組まねえ?」と。オレはお前の歌声に心が惹かれました。綺麗な声、整った顔。オレはただ相棒と言う名が欲しかっただけ。でも、お前は…冬弥だけは本当に相棒になりたかったんだ。びっくりした顔をしたお前は俺に向かって「…俺でいいのか?」と言いましたね。オレはあの時本当に話しかけて良かったなと思いました。

オレと冬弥はBADDOGSとして活動していましたね。しばらく活動をしていてvivisの二人とも出会いました。オレたちは喧嘩をして周りに迷惑を掛けましたね。だけどあの喧嘩は無駄じゃなかった。あの喧嘩をし、もっと仲が深まりました。その後セカイに行き、ミクから「これがキミたちの想い」と教えてもらった。RAD WEEKENDを越えるのがオレたちの夢で、想いだった。その後、WEEKEND GARAGEに行き、俺たちは4人で組みました。

ビビットストリートから取ったvivisの「Vivid」。

オレたちBADDOGSから「BAD」。

そして、こはねから出てきた「SQUAD」。

それを合わせて

〝Vivid BAD SQUAD〟

ちゃんと意味がある言葉同士を繋ぎ合わせ出来上がったユニット名。とてもかっこいいと思いました。

話は変わりますが、4人で組んだ後、オレは冬弥に「好き」と言う感情が生まれ始めました。持ってはいけない感情。そういうのは分かっているのにどうしても無くすことは出来ませんでした。それほどお前が、冬弥が好きでした。

冬弥に思いを寄せてから数週間。冬弥はオレに放課後学校の屋上に来て欲しいとお願いされた。あまりお願いをしない冬弥が言うなんで珍しく、すぐにOKを出しました。

放課後、言われた通りに屋上に行くと、冬弥は柵の所にもたれかかっていて、遠くを見つめていました。「冬弥」と人声かけると、直ぐにこちらを向き「彰人」と反応し返しました。

「来たぞ。んで、どうした?冬弥」

と質問しました。そして冬弥から、

「彰人。俺好きな人が、出来たんだ、」

と衝撃な言葉が出てきました。そこで思いました。オレの片思い人生は終了し、それと同時に失恋したのだと。なるべく感情を出さないよう、いつものように返した。

「そ、そうか、良かったな!冬弥なら、ぜってぇ付き合える!」

と返した。胸が苦しかった。冬弥が好きだったから。ああ、冬弥の好きな人がオレだったらなと思いました。そんなこと絶対にないのに。

「…付き合えるか、」

「いけるだろ。冬弥顔いいし。」

なんて言葉を紡ぐ。決して顔に出さないように、

「そうか…じゃあ、」

ああ、本当にオレは失恋したのだと。そう思った、

「…俺はお前が…彰人が好きだ」

オレは困惑しました。冬弥がオレのことが好きだと。聞いた時は頭がこんがらがってました笑。そして冬弥を見ると顔を真っ赤にしていかにも恥ずかしいという感情が顔に出てしまっていた。この時オレは本能的に「可愛い」と口に出してしまいました。冬弥は耳がいいから小さな声でも拾い、首まで赤くしていました。その後、オレたちは付き合うことになり、杏やこはねに伝えました。杏は「やっとくっ付いたのー?」なんて言っていた。

どこから漏れだしたのか知らないが、なぜか直ぐにクラスに広まった。おめでとうと声をかける者もいれば、遠くでヒソヒソと哀れな目で見ながら言ってくるやつもいた。男同士なんて普通はおかしいと、皆思っていただろう。ただ、オレたちは元々距離感がおかしかったらしく、付き合った後でもあまり変わらなかったのだと。オレはいいのだが、冬弥がクラスからの視線が痛いと、オレに言ってきた。そして冬弥に言うのだと、「気持ち悪。」と。冬弥は少し寂しそうな顔をしていた。冬弥のそんな顔をさせたくなかった俺は思い切り冬弥を抱きしめた。最初こそはビックリした冬弥も、しばらく経てばオレにしがみつき静かに泣いていた。誰だって嫌だろう。気持ち悪いだなんて言われたら。

しばらくして冬弥はまた俺に、「俺はホモだから近づくなって、気持ち悪い。近寄らないでと言われた」と俺に泣きそうな顔をして言ってきた。オレは流石に言い過ぎではと顔を顰めた。頭を撫でてやると、「ありがとう彰人。そんなかおしないでくれ。俺は彰人が居れば大丈夫だ。」と笑顔で言うもんだから。だけど、ここで救ってあげれば、とオレは後悔した。

日に日にクラスメイトからの態度が酷くなり、冬弥は学校に来づらくなっていった。そんな冬弥にオレは無理しなくていいと、言った。そうすれば冬弥は弱音を吐き出し、オレを頼ってくれた。実際に冬弥はこの時にはもう、思い詰めていたのだろう。疲れていると。オレだって気づいていたはずなのに。

そして、数々のステージを積み重ね、やっとオレらは、前からの夢、RAD WEEKENDを越える事を叶えました。あの夜を越えたあと、冬弥は学校に来なくなりました。冬弥は真面目なので無断で休むことをしない。だだ次の日は無断で休んでいた。連絡が来ていないと。オレは胸騒ぎがしました。嫌な予感がし、すぐさま冬弥に電話をしました。そして聞こえたのが小さかったけど確かに冬弥の声で「彰人」と聞こえた。オレは質問をした。なぜ休んだのか、体調が悪いのか、何かあったのか、と。馬鹿なオレは最初から冬弥が変だったことに気が付かなかった。冬弥は黙っていた。俺がなにかしたのかと思い、謝ると、

「…違う。違うんだ、彰人。」

冬弥は否定しました。違う、と。でも何かどうかはさっぱり分からない。なるべく優しい声で、どうした?と聞いた。冬弥は泣いていた。鼻を啜っている音が聞こえた。普段あまり表情に出さず、泣いたりもしない冬弥。オレは凄く焦った。何か嫌な予感がする、と。

「あ、きと…おれ、」

今度はきちんと聞こえた。

もう疲れた────────

と。

オレは声が出なかった。なぜか、そう、風の音が聞こえたのだ。吹き荒れる風。ヒューヒューとなっていました。疲れたと言っていた。昨日までは何も無かったのに。オレはビックリし、冬弥に声をかけた。「今どこにいる?」と。

冬弥は、何も答えなかった。オレは焦るばかりで。冬弥の気持ちも考えずに。しばらくすると声が聞こえた。

「彰人。彰人は幸せ、だったか?…俺はとても幸せだった。」

声が出なかった。出したかったのに。せめて一言だけでも。いかにも最後のように話す君が居なくなりそうで。

「もう、疲れたんだ。周りから罵声を浴びて、しまいに、彰人の悪口まで。俺の、せいだって。お前のせいで東雲はそんなふうになったと。…やっぱり伝えなかったら良かったのか、と後悔した。」

ヒューヒューと鳴り響く風の合間合間に冬弥の声が聞こえた。

「でも、彰人はそんな考えを無くすように、抱きしめたり、キスしたり撫でてくれたりしてくれた。オレが居るから大丈夫、と言うように。ああ、彰人なら受け止めてくれるって。」

オレは黙った。なんて言葉をかければいいかわからなかった。

「…でももう無理だ。疲れたんだ。男同士だから。もし俺が女性だったなら。彰人と堂々と付き合えたかもしれないのに。」

んなわけないだろ、と言いたかった。冬弥が女子でも冬弥は冬弥だ。でも、言えなかった。

「だから、最後に…大好きな…彰人の声が、聞きたかった。」


「彰人、」

大好きだ。誰よりも。幸せに…なってくれ───────

「冬弥!!!!」

もう遅かった。

電話口からはぐしゃっという音と同時に、冬弥の小さな小さな呻き声が一言聞こえた。信じられなかった。電話越しで大好きな恋人が飛び降りた。

オレは放心し、理解したあと泣き叫んだ。周りの目も気にせず。冬弥、冬弥と叫び、嘆いた。異変に気づいた先生が近寄り、背中を摩ってくれた。でも、そんなことをされても冬弥が戻ってくるわけ無かった。

ぐしゃっという音、冬弥の呻き声、最後に言った言葉が耳にこびりついて離れなかった。

次の日、冬弥の事がニュースに流れていた。オレはそのニュースを聞くことも出来なかった。あの音がまた聞こえてきそうで。


お前はこの小さな世界で居ることに疲れたんだな。ゆっくり休んで、また俺に笑顔を見せて欲しい。微笑んで「彰人」と呼んで欲しい。この小さな小さな世界。お前には小さ過ぎたんだよな。だって冬弥の気持ちが大きいから。きっと冬弥が耐えられなくなったんじゃなくて小さな世界が耐えられなくなったんだろう。冬弥は優しいから、そんな事ないと言うんだろう。オレはまだ冬弥を想っている。大好きな冬弥。笑顔、困った顔、怒った顔、悲しそうな顔、全て愛おしかった。今この場にいなくてもお前がオレに微笑んで居る気がした。近くに冬弥が居ると。

冬弥がオレに向かってしっかりしろ、と。困った様な怒ったような顔をした冬弥が。

オレは自、殺をした人のニュースを見る度に冬弥が頭に浮かぶ。

最初は大丈夫と思っていたんだろうな。でも言葉一つ一つが冬弥の心に傷をつけていたのだろう。本当に小さな小さな言葉のナイフで。

あの夏。あの夜を…RAD WEEKENDを越えた次の日、君は儚い夏と共に消え去った。

でも、まだ、お前は未練があるだろ?笑

いつでもいい。俺の場所はいつでも空いてるから。

だから、











いつでも戻ってこいよ。冬弥。────────

彰人




ほんの小さな冬弥の声が、聞こえたような気がした。

「ああ」

と。

















































拝啓、儚い夏と共に消え去る君へ。

𝐹𝑖𝑛.






















※ この物語はフィクションであり、実在の人物・団体とは一切関係ありません。























最後に

最後まで見てくれてありがとうございました。彰冬に手を出したのに、初めがこんな暗い話でごめんなさい。

ただ、彰人が冬弥にまだ想いを寄せているところが書きたかっただけです。

自分で書いてて苦しくなりました。次からは明るい話にしたいかなぁ…

本当に見てくれてありがとうございました。

ではまた次回もお願いします。























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