テラーノベル
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翌日。
朝から六人は海に来ていた。
こさめ「海だー!」
なつ「暑っ!」
らん「夏だからな!」
いるま「昨日からそれしか言ってねぇだろ」
みんなで笑う。
すちも笑っていた。
すち「ほんとに来たんだな」
らん「昨日約束したじゃん!」
すち「うん」
荷物を置いて、水着に着替える。
しばらくして。
こさめ「行こー!」
なつ「待てって!」
六人で海へ向かう。
波が足元に当たる。
すち「冷たっ」
みこと「大丈夫?」
すち「大丈夫」
そう答えた瞬間。
大きめの波が来た。
すち「うわっ!」
足を取られて、少しよろける。
その瞬間。
みことがすちの腕を掴んだ。
みこと「危ない」
すち「……あ」
みことの手が、まだ腕に触れている。
みこと「大丈夫?」
すち「……うん」
みことが手を離す。
そのはずなのに。
すちは、なぜかその場から動けなかった。
(……なんだ?)
胸が少しだけ速い。
暑いから。
たぶん、暑いからだ。
みこと「すっちー?」
すち「……ん?」
みこと「顔赤くない?」
すち「暑いだけ」
みこと「そっか」
みことが笑う。
その笑顔を見た瞬間。
また、胸が跳ねた。
(……え?)
すちは自分の胸元に手を当てる。
(なんで?)
なつ「おーい! こっち来いよ!」
すち「あ、うん!」
みことと並んで歩く。
肩が少し近い。
歩くたびに、腕が触れそうになる。
(……近い)
いつもなら、別に気にならない。
みことはもともと距離が近い。
それなのに今日は。
(……なんか、変)
みことが振り向く。
みこと「すっちー?」
すち「……なに?」
みこと「ぼーっとしてる」
すち「そう?」
みこと「うん」
みことが少し顔を近づける。
みこと「大丈夫?」
すち「……っ」
また、胸が跳ねる。
すちは思わず一歩下がった。
みこと「?」
すち「……なんでもない」
みことは首を傾げる。
そのまま、みんなのところへ戻っていく。
すちは少し遅れて歩きながら。
(……なんだ、これ)
(楽しい、は分かる)
(嬉しい、も分かる)
(嫌じゃない、も分かる)
でも。
(みこちゃんが近くにいると……なんか変)
(胸が、変になる)
すちは自分の胸元を押さえた。
(……なにこれ)
まだ、その名前は分からなかった。
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みこまめ
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コメント
1件
わあ…第26話、すっごく良かった! 海での距離感、みことちゃんの自然な優しさにすちが気づき始める感じ、めちゃくちゃ丁寧に描かれてる。 「胸が変になる」って自覚してない違和感が、読んでてこっちまでドキドキした。 「名前はまだ分からなかった」で終わるのも、すちの純粋な戸惑いが伝わってきて良い余韻だわ。 碧さんの心理描写、ほんと繊細で好き。