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4話目です〜お早いこと
それではどうぞ!
「あーもうっ! 耐えられない!」
ついに、関根がスマホを取り出した。
「えっ、ちょ、待て……っ!!!」
高速で打ち込まれるLINEの文字列に、僕の心臓が跳ねる。
僕が関根にこぼした「かつて山田を殺したかった」という独白。
関根はそれを、僕と彼女の「重大報告」として山田に送りつけようとしていた。マズい。このままでは、最悪の形で僕の過去が露出してしまう。
送信ボタンに指がかかる寸前、僕は反射的に関根の腕を掴んでいた。
「な、なん……!? 何!?」
「ご、ごめん……勝手に体が動いて……。でも、それは嫌だ」
「……」
関根は少し意外そうな顔をしたあと、僕の腕をそっと上から掴み返した。
「……わかった。ごめんにゃ」
……そうだ。今僕がすべきことは、隠蔽じゃない。
「……それは、いつか僕の口から伝えたいんだ」
もう二度と、彼女に隠し事はしたくない。
「……フラれないように気をつけることだにゃ」
「……ふ、ふられ……っ、ぁ”っ……(悶絶)」
放課後。いつもの静かな図書室。
「おっ、京太郎! 今日もここで勉強?」
扉を開けて入ってきたのは、山田だ。関根はいない。僕と彼女の、二人きり。
「山田」
「ん? どうしたの、京太郎」
「……僕のこと、もっと知ってほしくて。話してもいいかな」
「……! うん、いいよ」
僕は一つ、深く息を吐いた。
「……中2の最初の頃のこと、覚えてるか。僕はあの頃……君が嫌いだった。嫌いというか……殺したいとさえ思ってたんだ」
「え……」
「でも、君の意外な一面を知るたびに、胸が高鳴って……。それで、ようやく『好き』なんだって気づけた」
山田は茶化すことなく、真剣な眼差しで僕の言葉を拾い上げている。
「自覚したのは……あの、鼻を怪我した時だ」
「……どうして、あそこで好きだって気づいたの?」
「僕のせいだと思ったんだ。僕が目を合わせたから、君をよそ見させて、怪我をさせた。……なのに君は、誰のせいにもせず、仕事のことだけを心配してた。そんな君の強さに……僕は……」
視界が熱い。気づけば、頬を涙が伝っていた。
「あれ、……ごめん。泣くつもりじゃなかったのに」
「いいよ」
不意に、柔らかい感触に包まれた。彼女が、僕を強く抱きしめたんだ。
「いっぱい泣いて。……話してくれて、ありがとう」
あぁ、そうだ。これこそが、僕の好きな山田だ。
「……そっか。そうだったんだね。私、京太郎がそんなに心配してくれてたなんて気づかなくて……ごめんね」
「いや……僕が素直じゃなさすぎただけだ」
「……あのね。今の話を聞いて、思い出したの」
僕を抱きしめたまま、山田が静かに続けた。
「体育祭のムカデ競走の時。京太郎、私が怪我しないようにって、助けてくれたでしょ?」
「……あぁ、そうだったな」
「あの時から、京太郎が本当は優しいこと、知ってたよ。実は気づいてなかっただけで、ずっと視界の真ん中にいたんだよ」
「え……」
じゃあ、あの頃から彼女も、僕のことを……?
「……えへへ、内緒だよ」
「……にしても! 京太郎が私を殺したかったなんて!」
「……ウケるよな。自分でもどうかしてたと思う」
「それは……二人だけの秘密?」
「いや、関根にだけは話した」
「えっ!? なんで〜!」
「……だからあいつ、ソワソワしてたんだよ。今日、耐えきれなくなって暴露しようとしたから、僕が止めたんだ」
「……ふふ。京太郎から聞けて、よかった」
「だろうな。……もう、隠し事はしたくないから」
「……うん!」
あんなに殺したかったはずの、山田杏奈。
今では、彼女のいない世界なんて考えられない。
「殺意」を「愛」へと変えてくれた、僕にとってかけがえのない、最高の人だ。
どうでしたでしょうか!
是非ハートとコメントお願いします!
それではまた会いましょう!
おつヤバ!