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「 No.1ホストと幼馴染」 ― ya × et
「――えとは渡さない。」
ゆあんくんの低い声が、裏口の冷たい空気を震わせた。
その瞬間、うりが鼻で笑った。
「はは……いい度胸だな、ゆあん。ホストが客に本気? 店にとっちゃ大問題だぞ。」
「俺がどう思おうが、えとは俺の大事な人だ。」
「……ああ、もう認めちまうんだ?」
ピリピリとした空気が張り詰める。
そこへちょうど、店のスタッフが裏口に現れた。
「……え、なにこの状況?」
すぐに噂は広まった。
「ゆあんと客が付き合ってるらしい」「うりがキレてるらしい」
店内に戻れば、キャストも客もその話題でざわついていた。
シャンパンタワーの真っ最中、マイクを握ったボーイが不自然に笑う。
「えー……みんな落ち着いて! 営業営業!」
けれども――。
ステージ脇から、うりが一歩前へ出る。
「おい、みんな聞けよ。こいつ(ゆあん)はもう“プロ”じゃねぇ。ただの客に惚れた男だ。」
「……っ!」
客たちが一斉にざわめき、視線がえとさんへ突き刺さる。
ゆあんくんはすぐにマイクを奪い取り、強く言い放った。
「そうだ。俺はホスト失格だ。……でも、失いたくねぇんだ。えとだけは。」
フロアが一瞬静まり返る。
客の一部は「最低」と嘲笑し、また一部は「逆にかっこいい」とざわついた。
仲間のホストたちも動揺している。
「ゆあん……それ、本気で言ってんのか。」
マネージャーが低い声で問い詰める。
ゆあんくんは迷いなく頷いた。
「えとを俺から引き離すなら、この店やめてもいい。」
――大騒動の渦中。
えとさんは胸の奥が熱くて震えながら、ただ彼を見つめていた。
コメント
4件
す ご い っ ><
最高すぎ!! 見るのめっちゃ楽しいです!!🫶🏻︎💕︎︎