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夏目萌*優しい彼~コミカライズ
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♡影と日
―――――シャーッ。
「んっ。」
カーテンの開閉の音が聞こえて、私は目を覚ました。
「あれっ、今何時!!」
私が慌てて時計を見ると、まだ5時間目の途中ぐらいだった。
―――――ガタガタッ!!
すると急に、複数人が席を立ったような音が聞こえて体をこわばらせる。
へ!?
こ、来ないで〜…お願い…。
――――シャーッ。
私のそんな心の中の願いが届くはずもなく、呆気なく開いたカーテン。
「こ、こんにちは〜、ははは。」
目の前の男子たちに挨拶をする。
シーン…。
うわぁ、最悪…。
一歩も動くことが許されないような空気感に焦っていると、
「あっ!菜乃愛ちゃん!おはよう!」
と、聞き慣れた声がして、安心しつつそっちを見れば、カーテンの隙間から覗く…。
「愛苦くん!」
私が名前を呼ぶと、ふわっと笑う愛苦くん。
か、かわいい…。
「気分は?」
「おかげさまで!」
私と愛苦くんが話している間も視線を注いでくる彼らに私は冷や汗ダラダラ。
シーツをギュッと握り締めて体をこわばらせる私を見て愛苦くんがクスッと笑って言った。
「菜乃愛ちゃん、大丈夫だよ〜。」
な、何が大丈夫なのっ!
全体的に皆んな真っ黒の服だよっ!
「僕の仲間だから大丈夫だよ〜?」
もっと怖がる私に愛苦くんがそう言った。
な、仲間…?
「仲間って…?」
私は愛苦くんにそう聞き返した。
シャドウ
「僕らのチーム名shadow。」
「シャドウ…。って?」
愛苦くんの言っていることが分からなくて聞いたらそこに居た彼らと、愛苦くんも驚いた顔をした。
えっ!なに!?
怖い。
「馬鹿?こいつ。」
彼らの方から私をバカにするように鼻で笑う声が聞こえた。
「馬鹿って…。知らなくてもいいことじゃないの?」
私がムキになってそう言うとまた、彼らの一人―――ツンツン頭 は、鼻で笑って言った。
「お前、影と日知らなくていいって?やっぱ馬鹿だろ。」
馬鹿馬鹿って…。
「のほほんと過ごしてきただろ。ばーか。」
ムッカ〜!!
ツンツン頭!
睨む私を無視してツンツン頭は続けて言う。
「いいか、ここの学園はな、2つのグループで分かれてるんだ。」
へ、へ〜…。
「1つが俺らのグループ、影だ。滅多に人前に現れないで有名だ。だから、今俺らの姿を拝めていられることを感謝するんだな。」
……。
「んで、2つ目のグループが日だな。俺らと逆で、愛想良くてよく姿を見かける。俺らが居ないとこの学校もこの街もメチャクチャになるぜ。」
え?
メチャクチャ?
ここ、いい街だけど…。
私が眉間にしわを寄せていると、ツンツン頭が言う。
「俺らが、この街を守ってるからいい街なんだよ。」
そう言いながら得意げにフフンと、斜め上を見る。
てことは…。
「元々は荒れていたの?」
私がそう聞くと、ツンツン頭は呆れたようにため息を漏らして言った。
「お前、マジでなんも知らんのな。」
はいはい。知りませんよ。
「ここの街、今は花園街まあ、花に囲まれた自然豊かな街みたいになってるけど、昔は、悪の街って言われてたんだぜ。」
悪の街って…。
「嫌いな奴とか居たら平然と人殺〇し、いじめるし、物売り場なんてあった日には万引きし放題。」
ええっ。
思っていたよりも最悪の状態に思わず苦い顔をする私。
「ま、それを止めたのが、俺様達ってわけ。わかったか?ばーか。」
むっ…。
馬鹿は一言余計なんですけど…。
「はいはい。教えてくれてありがとう、ツンツン頭。」
私は睨みつつ頭を下げる。
こくらい
「あ?俺様には黒雷というカッケー名前があんの。ばーか。」
この人、プラス思考すぎてついていけない……。
私は半ば呆れつつ、棒読みで言う。
「わ、ライちゃんかっこいいー。」
すると、なぜか周りの彼らが笑い出した。
「ライちゃんだって〜!ねーねー、らいちゃん!」
愛苦くんが肘で黒雷さんの腰あたりをつつく。
「うぜー。ぶっ飛ばすぞチビ。」
黒雷さんは、愛苦くんの頭に――――
―――――ゴンッ。
一発お見舞いした。
「いった!ひど〜い!菜乃愛ちゃ〜ん!」
そう言って寄ってくる愛苦くんを慰めつつ、久しぶりに笑ったな〜自分。と、どこか他人事のように考えていた。
―――――キーンコーンカーンコーン…。
チャイムが鳴り、次の授業の準備のために、私はあわててベットから跳ね起きる。
私は保健室のドアの前で足を止めてから、みんなの方に振り返って、
「ありがとう。愛苦くん、黒雷さん、みんな。」
と言ってから、教室まで振り返らずに歩いて行った。
コメント
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ふる003さん、第5話「影shadow」拝読しました🌷 保健室で目覚めた菜乃愛ちゃんを取り囲む"影"のメンバーたち…最初はただ怖がってた彼女が、この街の成り立ちや彼らの役割を知ることで少しずつ打ち解けていく流れが自然で心地よかったです。とくに「馬鹿って知らなくてもいいことじゃないの?」と言い返すところ、彼女の芯の強さが垣間見えて好きでした。 黒雷さんのツンデレなキャラも良かったですね。「ライちゃん」呼びで笑いが起きるシーン、思わず私もほっこりしました。安心できる仲間がいるって大事だなあと。 菜乃愛ちゃんが「久しぶりに笑った」と感じるラストの一行に、彼女の日常がどれだけ孤独だったかが伝わってきました。次の授業までしっかり戻っていく姿にも好感が持てます。次回も楽しみにしていますね✨