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「珍しいわね、ちゃんとした服着て」
家に帰りリビングに行くと、母がキッチンに立っていた。
「どこ行ってたの?」
「◼︎◼︎駅の方」
「そう、一人で?」
「、、友達と」
「友達と」なんて、いつぶりに口にしただろう。
「友達できたの?」
母は少し驚いた声で言った。
「大切にしなさいよ、その子」
「うん」
自分の部屋に戻り、スマホを見ると花田からLINEが入っていた。
『くらげ、いつの間に買ってたの?』
『花田が手洗い行ってるとき』
お土産を見たあと、花田にお手洗いに行くから待っといてと言われた後、すぐに購入した。
チケットをくれた西尾にも、花田にも、何か返した方がいいと思った。自分でも、なんで花田にお礼しようと思ったのかはっきりわからない。でも、花田には何か色々なものを貰った気がしていたのは確かだった。
『全然気付かんかったわ』
『そりゃな』
そう返すと、ありがとうというスタンプが来た。
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楽しかったな。今日。
最初は緊張したけど、会ったらいつも通り喋れてよかった。
一緒に撮った写真を眺めた。長い前髪が今日は少しだけ上がっていて、優しい目がよく見える。いつもの表情の無い顔が萩原らしい。
「かっこいいな、、」
好きになる前は何も思わなかった人でも、好きになればなんでもかっこよく見える。
由依が言った通り、この恋は大切にしなきゃだめだ。
~♪
ぼんやり考えていると急にスマホが鳴って驚いた。
『明後日からの補習行く?』
スタンプを返して終わったつもりだったが、萩原から新しいLINEが来た。
『行かないつもりだけど』
来週から数日だけ自由参加の補習授業がある。部活もやっていないので、冬休み特にすることはないが行こうと思ってはいなかった。
『暇なら来れば』
萩原はと聞くと、行くと返ってきた。
行かないつもりだったのに、Uターンだ。