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第5章〜定められた運命〜
気づけば病院のベット。
医者「恐らく過労ですね。直ぐに退院できます。」
唯華「そーですか。良かったです。」
医者「睡眠時間や休憩は採られていますか?」
唯華「あまり。」
医者「ですよね。おそらく睡眠不足による疲労が蓄積されて今って感じです。薬物医療は無いので本日から数日間の間は安静にするかゆっくりなさってください 。」
唯華「分かりました」
医者「今回は様子見ということで1日だけ入院してもらって、明日以降体調が回復しそうであれば退院です。」
医者「唯華さん。最近の謙也さんはどうですか?記憶。いい感じですか?」
唯華「まぁまぁ。少しづつ経過って感じですかねー。まだ思い出せてないことは沢山あります。」
医者「なら良かったです。いつになれば戻るんでしょうね。私達もあまり分からないんですよ」
唯華「今は自分のことについては分かっているみたいです。いやー。私が目が見えるようになって良かったです。見えなかったらもっと怖い未来でしたよw」
医者「ですね(笑)」
医者「目の方は順調ですか?あれ以降違和感などは」
唯華「特にないです。順調です。」
謙也「唯華さん大丈夫?倒れたって聞いて。」
医者「謙也さん。唯華さんは疲労です。今日は入院して様子みますが明日以降はおそらく退院できます。」
謙也「唯華さん。ごめんね。色々迷惑かけて負担かけちゃって」
唯華「大丈夫よ。そんなことより早く記憶戻しなさいよ」
謙也「うーーん」
唯華「私のことより自分のことを優先。」
謙也「なんか。このまま迷惑かけ続けるのも申し訳ない気がして。俺と居ても苦労してまた倒れたりされたら困るし、、昔をよく思い出すのも一苦労。だからさ」
唯華「別れないよ。」
謙也「え。でもこれ以上は迷惑かけれない」
唯華「迷惑かどうかは自分が決めるんじゃない。私が迷惑って思っていなければそれは迷惑では無いの」
謙也「そうなのかな」
私が貧弱なばかりに余計に謙也に心配をかけさせてしまった。元はと言えば私が飛び降りようとしたことが原因なのに。でも謙也はそれを忘れている。だから自分のせいだと思い込んでいる。謙也が申し訳なさそうにするほど私の心も痛む。
謙也はまだある程度しか戻っていない。
~1週間後~
今日は謙也の経過として病院に来た。
医師「やはり、今の状態では完全に思い出すのは難しそうです。可能性としては少しはありますが。」
唯華「今リハビリの方は順調ですか」
医師「はい。一生懸命されているので、回復はしています。走ることはまだできませんが歩くことはもう難なくできると思います。」
唯華「薬で記憶を戻す方法はないですか 」
医師「現時点ではまだありません。忘れを改善する薬はありますが、謙也さんの場合過去さえ思い出せれば記憶力的には問題ないです。
手紙や、昔の思い出の場所。などを手探り次第試してみるのはいかがでしょうか。」
唯華「手紙は私がまだ目が見えなくて読めないので彼は1度も書いてくれたことは無かったです。でも、言葉では何度か伝えてくれました。」
医師「言葉の内容を覚えているのであればそれを唯華さんが手紙に写して見てはどうでしょうか。」
唯華「やってみます。」
唯華「謙也~今どのくらい記憶戻った?」
謙也「ん〜。あまり分からない。自分がなんで記憶が無くなったのかも。」
唯華「それ、、は。」
謙也「教えてくれてもいいんだよ」
唯華「い、いや。思い出して」
自分が死のうと思って飛び降りようとしたら謙也が落ちてしまったなんて少なくとも今は言えない。。
そもそも大前提として、謙也は記憶が戻ることも疎か、意識が回復するとも誰も想像してなかった。医者でさえ、”“ドナー提供”“を勧めるくらい。それなのに今では見事に歩くことができる所まで回復し、記憶も自分の生態について知れるところまで戻った。私との関係性もある程度は分かっている。
わかっている。早く本当のこと言わなければ。謙也が記憶をなくした原因。
でも、なかなか本人の前に立つと決めていた覚悟が心の奥深くに閉ざされてしまった。
やっぱ私なんかが生きるより、謙也が不自由なく、新しい恋人を作った方が幸せだったのでは。私を優先した謙也の気持ちは未だによく分からない。