単独任務
あれから昼頃まで街の中を探索し、レイナは屋敷に戻って仕事用のメイド服を着た。
「今更だけど、かなり久しぶりに着るよな」
前の屋敷で働いていた時は、身体が大きくなっても同じ服をツギハギで大きくして来ていたので、実際にこんなに綺麗なメイド服を切るのは何年ぶりだろうか。
レイナはそう思いながら、ハスネから仕事の説明をされた時、新しい使用人が入ることを他のヒトに紹介しなければならないため、仕事を始める前に来て欲しいと言われていた部屋まで向かった。
屋敷の中は外から見たよりはあまり広く感じず、目的の部屋まで行くのには、1分とかからない。
レイナは屋敷全体で使われてい少し暗めの木材と同じ木でできている扉を開いた。
部屋の中に入ると、雰囲気がガラリと変わった。壁は白樺のような明るい色の木材で、部屋の脇に小さなキッチン、中央には壁と同じ材質でできたダイニングテーブルと、イスがある。キッチンでは、手のこった料理は作れなさそうだが、軽い料理くらいなら作れそうだ。
知らされていた時間より少し早めに来ていたため、部屋には誰もいない。
レイナは1人端のイスに座り、ほかの使用人が来るのを待つ。
少し待っていると、外から足音と話し声が聞こえてきた。話の内容的に、休憩時間に入った様だ。新入りの使用人について話している。
レイナは自分の事が話されているのに少し変な気分になりながら、声の主たちが入ってくるのを待つ。
カチャリと扉が開き、2人の男女が入って来た。
「それでさ、って、えっ?誰かいる」
「君が、例の新入り?」
男性の方は話の途中だったのだろうか?いきなり部屋にいた初めて見るヒトを見て、少し驚いている。
女性の方は特に動揺することも無く、普通に話しかけてきた。
「はい。今日からここで働かせていただく、ウィンです」
「そっか。私はライネ。そっちで固まってるのはカイク。私達も最近入ったばっかりだから、あんまり固くなくていいよ」
栗色の髪を後ろで結んだ、綺麗な黄緑の瞳をした女性ライネはサッパリとした雰囲気でそう言った。何となく、アスカをもう少し大人っぽくすればこんな雰囲気になるだろうという感じがかする。
「ライネが言った通り、俺はカイク。さっきはいきなり居たから驚いたけど、仲良くしようね」
灰色の短い髪の、漆黒の瞳をした男性カイクは、ヒトの良さそうな笑顔でそう言った。
「よろしくです」
先程ライネに固くしなくても良いと言われたので、少し口調を緩める。
「もう少しで全員そろうと思うよ」
「全員っつっても、俺たち2人以外、後は執事長のハスネさんと後は料理人とメイドが1人だけどな」
カイクがそう言うと、部屋の扉が開き、残りのヒト達が入ってきた。
「あら、先にもう来ていたのね。それじゃあ全員揃いましたし、新入りの自己紹介を始めちゃいましょうか」
頭に1本の角か生えた初老の老女がそう言うと、全員席に着く。
「それじゃあ、自己紹介をお願いします」
いきなりかよ!
レイナは心の中でこっそり突っ込むと、椅子から立ち上がり、顔には先程からの笑顔を貼り付けてにこやかに自己紹介を始める。
「今日からここでしばらくはたらかせて頂く、ウィンと申します。今年こちらの世界に転移してきて、至らないところはありますが、よろしくお願いします」
言い終わるとレイナはお辞儀をし、椅子に座った。
「それじゃあ、これからよろしくお願いします。ウィンさん。私達も、軽く自己紹介しますね」
そう言うと、初老の老女はイスに座ったまま自己紹介を始めた。
「私はキヨ。ここの副リーダーの様な役割です」
次に、隣に座っているヒトが口を開く。
「オレはシュサ。ここの料理をしている」
レイナは、シュサの見た目に驚き、少しの間目が離せなかった。シュサの頭は筒型をしており、目が縦に2つ着いている。口はその下にあって、肌の色は黒に近い青緑の様な見た目をしていた。一人称が『俺』なのと、声的に、男だろうか?その声もノイズが走っているような声だったので分からない。
レイナは一先ずシュサは男ということにして、ハスネの自己紹介を聞いた。
「先程もお会いしたとおり、私はハスネと申します。ここの執事長をやらせて頂いています」
「次は俺ですね。さっきも言った通り、俺はカイク。新入り仲間だ」
「私はライネ。さっきも自己紹介した通り、このバカの保護者。ウィンとは相部屋だから、これからよろしくね」
前言撤回。ライネはアスカには似ていない。
ライネは先程のセリフを隣のカイクを指さしながら言った。部屋も綺麗に整理されていたことから、恐らくかなりしっかりしていて、尚且つ少し気が強いのだろう。
「よろしくお願いします」
レイナは再度お辞儀をしながら、全員少し個性が強いヒトが多いぞと、心の中でため息をついた。
どうも。なんだか久しぶりの遅い投稿です。
なんか前置き(?)みたいなのが長くて全く依頼が始まらないな…
因みにキャラ名は完全に適当です。
それでは、
さよなら〜(ᐙ)/
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