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その夜は、さすがに限界だった。
「お前らもう今日は解散!!」
たっつんが真っ赤な顔のまま叫ぶと、メンバーたちは大笑いしながら散っていった。
「はいはい、ごゆっくり〜!」
「次は邪魔しませんので!」
「絶対嘘やろ!!」
最後まで騒がしかったけど、やっと静かになる。
リビングには、じゃぱぱとたっつんだけ。
さっき見られた恥ずかしさで、たっつんはまだ顔が熱かった。
「……ほんま最悪や」
「俺はちょっと面白かった」
「余裕か!!」
じゃぱぱは笑いながら隣へ座る。
今度は誰も来ない。
誰にも邪魔されない。
そう思った瞬間、急に静けさを意識してしまって、たっつんは落ち着かなくなった。
するとじゃぱぱが、そっと指先を絡めてくる。
「……まだ照れてる?」
「照れるわ」
「かわい」
「それ禁止」
でも今日は、前より少しだけ抵抗が弱い。
じゃぱぱも気づいてるみたいで、嬉しそうに目を細めた。
「最近、たっつんから逃げなくなったよね」
「……まぁ」
「慣れてきた?」
その質問に、たっつんは少しだけ考えてから、小さく呟いた。
「……お前とおるの、落ち着くし」
静止。
今度はじゃぱぱが固まる。
「え」
「だから聞き返すなや!!」
でも顔は真っ赤。
じゃぱぱは数秒あと、ふっと笑った。
「無理。嬉しすぎる」
そう言いながら、ゆっくり肩を抱き寄せる。
今度はたっつんも自然に身体を預けた。
胸元から聞こえる心臓の音が近い。
静かなリビング。
柔らかい空気。
じゃぱぱが髪を優しく撫でながら、小さく呟く。
「……もっとくっつきたい」
「甘えたやなぁ」
「たっつん限定」
またその言葉。
でも今度は、たっつんも少し笑った。
「限定好きやなお前」
「特別だから」
どくん。
何回言われても慣れない。
たっつんが顔を隠そうとすると、じゃぱぱがそっと頬に触れて止めた。
「隠さないで」
「……なんで」
「顔見たい」
優しい声。
真っ直ぐな目。
たっつんは数秒耐えたあと、観念したみたいに小さくため息をついた。
「……ほんま敵わん」
するとじゃぱぱが嬉しそうに笑う。
そのまま距離が縮まって、軽く額が触れた。
「……キスしていい?」
毎回ちゃんと聞いてくれる。
その優しさが嬉しくて、たっつんは小さく頷いた。
今度のキスは、今までより少しだけ自然だった。
触れるだけじゃなくて、ちゃんと“好き”が伝わってくる感じ。
離れたあとも、じゃぱぱは近いまま。
「……好き」
小さく呟かれる。
たっつんは照れながらも、今度は逃げなかった。
むしろ少しだけじゃぱぱの服を掴む。
その瞬間、じゃぱぱが息を呑んだ。
「……それ反則」
「知らん」
「かわいすぎる」
「うるさい……」
でも声は優しかった。
そしてそのまま、二人はソファで寄り添いながら、静かに笑い合っていた。
続く