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main ci
sub syo sn 他メンバーちょこっと
シリアス全振り
嘔吐の表現あります
ご本人様には一切関係ありません
俺って、なんでこんなに駄目なんやろ
最近、ふとした時よくこんな言葉が頭を過ぎる
何をしても失敗ばかり
幹部なのに、なんであいつが幹部なんだって
一般兵に陰口を叩かれることはしょっちゅうあって
何度も苦しい思いをした
俺は、誰にも追いつけない
きっと、このままみんなに置いてかれる
追いついたと思っても、すぐ引き離される
なんでなんやろ、努力不足ってやつなんやろか
結果が出ない頑張は頑張りじゃない、か
ほんまに、努力したら報われるんやろか
あぁ、きっと成功した人たちは皆、
努力は必ず報われる
〜訓練所 ci side
「ッ…くっそ……」
[また俺の勝ちやね]
訓練所にて、ショッピに模擬戦を申し込んで3戦目
0勝3敗
[まだまだやな、体力ないわ、走り込みもっとした方がええで、あと体幹、押され負けたら終わりやで]
「……おん」
[今日は終わるで、俺明日と明後日任務やねん]
「…わかったわ」
弱者を見る、冷たい目
[……あんま甘く見んほうがええで、もっと努力せぇよ?]
「……おん、…わかっとる」
なんや、そこまで言わんでもええやんけ
努力なんていくらでもしとる
やっぱ、だめなんかな
〜城外 ci side
「はぁ…はぁ…..はぁ…カヒュ..ケホッケホッ」
足から力が抜けて
そのまま無抵抗に倒れる
ドサッ
「はぁ…ッ…..きっつ…」
外周10週目、少し視界が悪い、視界が曇ってよく見えない、足が震えて、上手く動かせなくなってきた。
頭が痛い、寝不足も相まって殴られてるように痛い
“あんま甘く見んほうがええで”
ここを甘く見た事なんて1度もない
全員が血反吐吐くような努力をしてきたことくらい知ってる
そんな軽い気持ちで入らないし、入れないから
ここには、幹部の座には厳格なるあの総統様に選ばれた 人間しかいないのだから、俺だってあの人に、選ばれたのに。
途端、
吐き気が襲ってくる
口を抑え思わず体を起こす
胃酸が込上がってき
抑えられなかった嘔吐物が口から流れ出る
「うッ゙……おぇ゙ッ……ぅ゙…ゲホッ…」
びちゃ、と嫌な音を出して地面に広がる
「き、もち….わるッ゛..」
全身に力が入らない、意識が朦朧とする
「うッ゛….」
息が詰まる、呼吸がしにくい
トサッ
「あ、れ….なんも、みえ……」
周囲の音が何も聞こえなくなり
そのまま視界は暗転した
[…おーい…..チーノー…?…飯やぞー]
遠くから誰かの声が聞こえる気がする
でもなにか篭って分からない
大先生だろうか
なんすかー……
[あっ…いた、チーノ!!]
声が近くなり、うるさい
声でかいな
[…は?..顔色わっrrrrrrrr…]
[…やばいな、息はしとる…か、よかった]
はぁ…?
めちゃめちゃ焦った声しとる
何?俺そんな顔色悪いん?
〜医務室ut side
[んー、ストレス、疲労、寝不足]
倒れていた原因を3つ並べられなるほど、と頷く
飯の時間になっても帰ってこないチーノを探したところ
外周にて力無く倒れていたのを発見した
呼吸は浅く、肩を揺らしながら小さく呻き声を上げ
全身から汗が溢れるように滲んでいた
[それに無理して体動かしたからだね]
[うーん…]
[大先生はチーノくんがこうなったことに心当たりはある?最近の様子、とか]
[えっ、俺ぇ?…思いつくものは、あらへんな…..]
[そっかぁ……]
神が少しうーんと唸ると
[新人さんだからね、なにか悩みとか、思うことがあるんだろうね]
[…せやな]
[2日は絶対安静にさせるから、任務のこととかトントンに伝えといて]
[了解っす]
〜書記長執務室 ut side
[_ってな訳なんやけど…大丈夫?]
[…まぁ、大丈夫やね、ショッピくんには少し無理さすかもやけど]
[…さよか、なら明後日の任務は俺も着いてくわ]
[ほんま?ありがと、頼んだわ]
[うっす]
[あー、あと大先生]
[はいはい?]
[書類、期限明日の18時までやからな?^^]
その笑顔の裏に見える圧が怖い。
[あ、は、…はーい、承知しておりまぁす……]
[ちゃんとやっとけよ]
[はーい!!]
少しうるさかったかもしれないが大きめに返事をして
早足で部屋を出る
後ろからクソデカため息が聞こえてきたのはきっと気のせいだろう
ー翌日
〜医務室 ci side
昨日の景色とは打って変わって
視界一辺が真っ白、薬品の匂いで鼻の奥が少しだけツンとする
揺れるカーテンの隙間から、眩しい日差しが差し込む
あれ、なんで医務室にいるんだっけ
[お、おはよーチーノくん、目が覚めてよかった。体調はどうや?]
「…..え、あ、おはようございます?」
「体調、?…か、」
体調、あ、そういえば
「…まぁ、ほどほどです、頭痛と吐き気が少しするくらいで」
[そっか、じゃ明日明後日、ここで安静にしてて]
「ぁ、げ、元気ですよ?!すごく元気です!いやー体動かしたくなってきましたー!訓練行っていいですか?いいですよね!ありがとうございm」
[掘るよ]
ヒエ、まずい、これはちゃんと怒ってる時の声だ…
「………..ハイ」
[…全く、幹部なんだから健康第一、訓練する時はする、休む時はしっかり休んで?わかった?]
幹部なんだから、幹部だから。
「…はーい…」
[…よし、お腹は空いてない?]
「…少し空いてます」
[了解、すぐ持ってくるね]
あれ?今ならこれ抜け出せんじゃね?
いやでも腹減った…
いやでも訓練しない時間もったいないよね……
ー数分後
食欲には勝てない
[どうぞーちゃんと噛んで食べてやー]
「ありがとうございます」
[食べ終わったら横の机に置いといてね、あ、無理して全部食べなくていいからね]
そう言うとカーテンの向こう側に戻っていく
「分かりました…..」
箸を持って、1口
まだ気持ち悪い、すかすかの胃がさらにすかすかになってまう
胃酸が上がってくる
吐いたら絶対安静の期間延ばされてしまうわ
食べへんと
「………..」
喉につかえて嚥下しにくい、 体内に食べ物が入ることを拒む、 腹は減ってるはずなのに
…やっぱもっと軽いものにしてもらえばよかった
「…..はー…」
「…..」
不味いわけじゃない、むしろ美味しい、空腹時だから
けど、すごく気持ち悪い、胃がぐちゃぐちゃにされている気分だ、なんも入ってないすかすかの胃なのに、吐いていいよ、なんて言われたらすぐに吐けるくらいのレベルまできてる
「…ッ..」
もっと訓練して、もっと鍛えてもっと強くなって、周りの期待に、期待に応えて、もっと、もっと、もっと。
「ゲホッゲホッ…はッ..ゲホッゴホッ」
込上がってくる吐き気に思わず口を抑える、こんなんじゃ、こんなんじゃいつまでたっても
「….つよく…なれ゙へん..ッ….」
思わず出たその声は掠れて、弱々しく、情けなかった。
[大丈夫?]
気づくとしんぺいさんがすぐ隣にしゃがんでいた
[吐いていいよ、無理しないで大丈夫だから]
そう言いながら背中をさすられる、優しく撫でるように
「うッ…おぇッ゛…げほっげほっ…ぅ゛」
[…..]
「はッ…..はッ…..ぁ…」
額から大量の汗が流れ出る、こんなに吐いたのはいつぶりだったかな、と言うか、こんなに吐いたことあったか?
[口ん中濯ごっか]
「…..」
水の入ったコップを渡される、水を口の中に含み、軽く濯いで水を吐き出す。
[お疲れ様、ちゃんと吐けて偉い]
口元を軽く拭いながらそういった、優しいなぁ
少し待ってて、と言うとしんぺいさんはそそくさと処理を始めカーテンの向こう側に行った
「…………」
頭が上手く働かない、眠い時とよく似ている、でも決して眠くは無かった。
しばらくすると、足音が聞こえてきて、しんぺいさんがカーテンの中に入ってくる、何故か溢れ出てきそうな涙を必死にこらえる、ただそんなことは願わず、しんぺいさんの手が頭に乗った瞬間、目の奥が熱くなって、抑えていた涙が全部溢れてきた、ぼたぼた流れ出ては零れ落ち、流れ出ては零れ落ち、布団の色を少しづつ変えていく
「おれ…もうむりです…げんかいです…くるしくて..くるしくて…努力って、なんですか、いつになったらむくわれるんですか..おれはむくわれるんですか…いつになったら、あいつらに….なにもいわれなくなりますか…みんなはいったいどれだけ努力したんですか、おれはまだ努力不足なんですか…まだ、まだたりないんですか….どうしておいつけない..なんで、なんでなんですか」
ごちゃごちゃとした言葉の羅列を、しんぺいさんは静かに、頷きながら聞いていた。
[十分、よく頑張ってるよ]
「でも、でもしょっぴにもおいつけないし…だれにも、だれにもみとめてもらえない…期待にもこたえられない、じぶんではがんばってるとおもっても、みんなにはおいつけない…」
「よわねばっかりはいて…けっきょくなにも…..てにいれられない….. 」
「ほんとに、おれがここにいるいみって、あるんですか」
「いきてて、いいんですか」
[…みんな君のことを認めてる、悪くいうヤツらがいるのかもしれないけど、俺が保証する、じゃなきゃここにすらいられない、君は必要不可欠で、いなくてはならない存在なんだよ。]
[だから、安心していいよ。君はここにいていい、生きてていいんだ。]
まるで神様みたいだった、優しい声に、そっと重ねられた手、暖かくて、心地いい。
[チーノくんは、よく頑張ってる]
「…ほんとですか、おれ、がんばってますか」
[うん、頑張ってる、だからさ、今はゆっくり休んで、体が壊れたら元も子もないから、塵も積もれば山となる、少しづつ積み上げてけばいい。俺だってそうしてきた、信じてよ]
「…しんじます..、…かみさまみたいなんで」
[ふふっ…そっか、それなら良かった、]
今にも閉じそうだったまぶたを落とす。
[おやすみなさい、良い夢を]
〜翌日
コンコンコン
[失礼します]
[あらショッピくん、任務お疲れ様、怪我?]
[いえ、怪我とかでは、チーノいますか?]
[チーノくんおるで、そこのカーテン閉まってるところ]
[わかりました、暫くいますね]
[うん、わかった]
[…………]
カーテンを開け中に入る、呼吸は安定して、今はぐっすり安らかな顔をして眠っている。
彼のすぐ側まで来て屈み、ベットに体を預ける
数本の点滴の管が体につながっていて、まさに病人ですと言わんばかりだ。 まぶたが少し赤く腫れ、目の下には酷く濃い隈と、涙のあとが残っている。もしかしたら自分のせいで、なんて思っていた。そんな、もしかしたらなわけ無かった、なにが努力不足だ、彼はこんなになるまで、倒れるまで無理をして、努力をしていた。謝りたい、早く、今すぐ、夢の中に割り込んででも謝りたい。
[..ち…チーノ…..チーノ…ごめん..ごめんなさい、あんな身勝手なこと言って、ほんまにごめん…気づかんくてごめん、鈍感でほんまごめん..]
「ん…うるさいねん、人がねてるときに…」
頭上から声がしたと思うと、薄ら目を開けたチーノの手が頭に軽く乗る
[あっ、 チーノ…起きた、よかった…ほんまに、ごめんっ…ゆるしてくれとは、言わへんっ…けどっ…]
「いや、ええ、許したる」
[えっ…でも…おれのせいで、ちーのこんなことに…]
[だって…お前がそんな顔すんの見たことあらへんのやもん…それに、お前隈めっちゃ濃いで、ちゃんと寝えへんとだめやで、ホンマに」
[っ…お前に言われた無いわ]
「ははっ、それもそうやな」
「あ、せや、許すかわりやで?」
[…なんや、]
「許したるかわりに、今度、絶対焼肉奢れよ、あと訓練付き合え。約束やで」
[う、うん…ええよ、約束。]
[…..なぁ、あん時言った言葉…ほんまに根に持ってへん?]
「根っこにはこびりついとらんわ、葉っぱに掠ったくらいやわ」
[…ほんま?]
「ほんま」
[…そっか、ありがと]
「ええで」
[これからもずっと俺の隣におってな]
ぎゅ
「…ふはっきっしょ、勿論お前の隣におったるわ」
[俺これからお前の陰口言ってたヤツ潰しに行かなやから、ほな、おやすみ]
「?、おん、おやすみ」
その後、絶対安静期間が終わったチーノが、トントンとグルッペンに呼び出されて説教()を受けるのはまた別のお話……
𝐞𝐧𝐝ꔛ⋆☽