テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
『クラスの陰キャ男子は”元”不良でした。』
Episode.19
ぷちぷち→👀
ぽん太→🐤
いむ→🐾
ひなこ→🎀
のあ→🍪
✼••┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈••✼
side:祭雛子 -matsuri hinako
しにたかった。
あの家に、自分の居場所なんて無かった。
いないものみたいに扱われるのが、何となく嫌で、寂しくて、辛かった。
自分が欲しいものはどれだけ求めても手に入らなくて。
それと比例していらないものばかり積み重なって。
本当のわたしが何なのか、よく分からなくなった。
何人も「自分」を作った。
わたし、あたし、私。
沢山沢山、皮を被って。
周りの人間を騙した。
大切な人を騙した。
自分の気持ちに嘘を吐いた。
何もかも放り出して、誰にも見付からないようなところで……
一人で、死にたかった。
──────────────
昔から、あの家でわたしの人権は無かった。
「お前は──には相応しくない。」
「だから、お前は今日から──の従姉として接しろ。」
「決して、周りの人間に、お前と──が姉弟であることは知られるな。」
もう顔も声も覚えていない父の言葉が、ずっと、頭の中でぐるぐると渦を巻いていた。
元々あの家でわたしに発言権なんて無いんだから、「従う」以外の選択肢なんて無かった。
いないものとして扱った。
雑用ばかり任されて、わたしとあの子を徹底的に隔離した。
「従姉」なんて立ち位置にしたくせに、あの子の記憶からわたしを抹消しようとした。
それが、どうしても許せなかった。
他のことはどうでも良かった。
殴られても、
蹴られても、
暴言を吐かれても、
我慢すればいつか皆また優しくしてくれる。
って。そう思って、必死で耐えて来れたから。
でも、これだけは許せなかった。
『麻夏からわたしをうばわないで』
───今思えば、わたしはあの時どうかしていたんだと思う。
その時の記憶だけが、穴が空いていたかのようにすっぽり抜けてしまったのも、
きっと悪魔か何かに唆されてしまったのだと思う。
気が付けば、辺りは赤く染まっていた。
雑用で荒れていた手も、
殴られて傷だらけだった腕や足も、
綺麗に掃除されていた木製の縁側の床も、
穴や汚れの一つも無い障子も、
髪の毛一本すら落ちていない畳も、
キラキラと光を反射していた黒い漆塗りの瓦屋根も、
“あたし”の目に映る、
父親の腹部にも。
🎀『……ごめんね、麻夏。』
生まれて来てごめんなさい。
出来損ないでごめんなさい。
あたしみたいな生きてる価値も無いような人間が。
貴方の「姉」で、ごめんなさい。
✼••┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈••✼
side:Midwinter
──これは、「松海麻夏」と契約して、一年か二年が経ったときの話だ。
「真冬、ぅっ…!!!」
初対面の時とは一変変わって、意地も張らずに涙を流していた。
必死になって走ってきたのか、転んで擦りむいた両膝から流れる血が痛々しかった。
“ちょ、おまっ…!!どーした!?”
「ねぇ、ちゃ、がぁ…ッ」
“だーから、事の詳細を話せよ! 記憶見ても良いのか?!”
一応、オレとコイツは契約中の身だ。つまり、コイツの同意さえあればこのアホの記憶をオレと共有することも出来る。
…まぁ、コイツ自分の記憶見せたがらないから、今回も結局言わないんだろうなーと思う。もし言ったらビンタされても笑って許してやる。
「良いよッ、見るなら早くしてッ…!」
前言撤回、ビンタは辞めてくれ。((殴
“あーもー、分かったよ‥ッ!”
オレも若干苛ついてたから、ササッと記憶を見ることにした。あと頬が痛いんだが。
──────────────
「ねぇ、お願いだから……」
「麻夏からわたしをうばわないで」
──
「 うるさいなぁ、(笑」
「‥黙っててよ…ッ、。」
──────────────
(──っ、マジかよコレ……)
「ま、真冬…っ!
なぁ、もうこれでわかっただろッ!?」
声の震えを更に増して、「涙を流す」どころじゃなくて溢す勢いで泣いているマナツの頭を右手でぐしゃぐしゃと撫で回して、左手の人差し指で優しく涙を拭ってやった。
“お前なぁ、一応オレの契約者なんだから、んなボロボロ泣いてんじゃねーよ……
お前のねーちゃんとこ、すぐ行ってやるから。な?”
「ぅ、ん……ッ」
“……今は寝とけ、ちょっと揺れるぞ”
「え、ちょ待ッ」
有無を言わせず、両腕の上にマナツの背中と膝の裏を乗せ、所謂「お姫様抱っこ」と言う状態にした。ちなみにマナツは無理矢理寝かした。
え、「どうやって」って?
んなもん魔法だよ魔法(適当)
“……っし、これでいっか”
マナツの膝の擦り傷の応急処置をした後、オレはマナツの記憶にあった和風の屋敷に向かった。
この近辺には殆ど建物も無かったし、平地が多かったお陰で見晴らしも良かったから、あれくらいの広い屋敷はすぐに見付かった。
まぁ、オレが単にマナツと違って方向音痴じゃなかったからなのかもしれねーけど……
“起きろマナツ、もう着いたぞ”
「吐くかと、おもった……ッ」
“お前は1日1回オレを侮辱しねーと生きて行けねーのか”
「当た、りっ…前……じゃん、っ…!」
“………それがわざとだって祈るわ”
コイツ…!
自分が傷つけられないと分かったら調子に乗ってディスりまくりやがって……!!
(これで無意識だったら悪魔だっつの。)
…まぁ、一番人間との倫理観が離れてる本職のオレが言えることじゃねーんだけどな…
“で、マナツ。お前の姉って今どこに……”
「──っ!!真冬、あの奥の扉開けて!」
“ぉ、おう…!”
持ち上げていたマナツが無理矢理にオレの両腕から飛び降りて、慣れたように木製の扉を開け放すと、廊下に囲まれた小さな庭園の鹿威しが目に入った。
辺りを見回すと、視界の左端にマナツの肩程の長さの茶髪が風に靡くところが見えた。
“っ、彼方か……!”
──────────────
──────────────
──────────────
目を疑った。
いや、悪魔の視力は人間のそれとは数倍の差がある。自分は同種族の中でも目が良かった方だし、それについては心配なんてしていない。
…そう言うことが言いたいんじゃないんだ。
まだ、目がおかしくなっている方が良かったのかもしれない。
「っ…ねぇ、ちゃん、ッ……?」
震えた声で、届きようも無い声を上げて。蚊の鳴く声くらい細くて、雀の涙くらい小さい声。おまけに震えてまでいるのだから、誰がどう聞いても様子がおかしいことくらいすぐに分かる。
アイツの視線の先に、アイツの姉は居なかった。
その代わりと言うように、沢山の赤色の花が満開に咲いていた。
もちろん本当に花が咲いている訳じゃない。今にも散ってしまいそうな、沢山の赤い花だ。
「…真冬、」
“どうした?”
「……コイツらさ、おれの父さん達なんだよ。」
“……そうだな、”
マナツの記憶の中のコイツらを見たからこそ、オレはマナツが言うことに一瞬だけ耳を疑った。マナツの記憶の中の「父さん」は、決して親と言って良いような人間じゃなかっただろう。
そもそも、本当に血が繋がっていることが不思議で仕方がない。
(……ま、その可能性はねぇけど。)
まだマナツと契約したばかりの時、親族とマナツの血液を拝借して調べたことがある。ちなみにちゃんと全員と血が繋がっていたので本当に疑ってしまっている。なんでこんなゴミクズ共から天然水が生まれたのだろうか、と本当に何度も疑問に思った。
まぁ、コイツもコイツで悪魔みてぇな一面を持っているのだが。
「……真冬…」
“……なんだ?”
コイツのことだから、どうせこんな馬鹿げたようなことをほざくのだろうと思っていた。
……まぁ、予想はしていたよ。
「コイツら、治せねぇか?」
お前って、昔っからお人好しだったもんな。
✼••┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈••✼
Episode.19
『お人好しの君』 終了
Episode.20・・・1/25公開
次回もお楽しみに。
-作者より-
最近ネタが無いぜbaby☆((殴
って言う茶番は置いておきましょう。
まぁ本当にネタは無いんですけど…w
あ、次回で20話ですね!特に番外編とかはやる予定無いんですけど……とにかく、いつも見て頂けて感謝感謝です!本当にありがとうございます!!
それでは、本日のあとがきコーナーへと移らせて頂きます!
( もう本編はありませんので、ネタバレを防ぎたい方や時間の無い方はそのまま戻るボタンでもどうぞ……)
今日はMidくんの視点を多めにしてみたんですが、その中で何度か「悪魔」について触れているんですよ。もうわざとらし過ぎて私の国語力を疑うくらい。
Episode.17の「Midwinter」でもあった通り、彼(?)はぷちさんと契約してい”た”悪魔なのですが……どうやらただの悪魔では無いようですね…
文化祭編(ぷちひな会)が終わり次第、Midくんのメイン会を書こうと思っておりますので、そこで彼(?)の過去に土足で踏み込んで行きます!お楽しみに!!((殴
やっべぇまた4000字越えてもた
コメント
4件
お人好しですねぇ…… 続き待ってます!
ネタが無いの分かりますw 4000字!?え、指に神様かなんか宿ってますか?4000字凄すぎません?