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#いるなつ
3e1
718
# 梅雨の妖精
209
その日の夜。
🦈「ただいまー!」
こさめが元気よく帰宅した。
リビングにはらん、すち、みことの三人。
全員いた。
そして全員。
なぜか笑顔だった。
🌸「おかえり」
👑「おかえり〜」
🍵「おかえり、こさめちゃん」
優しい。
優しすぎる。
こさめは嫌な予感しかしなかった。
🦈「なに?」
🌸「別に?」
らんが言う。
怪しい。
👑「今日楽しかった?」
みことが聞く。
🦈「楽しかったよ」
🌸「へぇ〜」
🍵「何したの?」
🦈「色々」
👑「例えば?」
質問が多い。
尋問レベルで多い。
🦈「ゲームしたり」
🌸「うん」
🦈「ご飯食べたり」
🍵「うん」
🦈「買い物したり」
👑「うん」
三人とも頷く。
怖い。
なんか怖い。
🦈「なんでそんな聞くの」
🌸「気になるから」
らんが即答した。
隠す気もなかった。
🦈「友達と遊んだだけだよ」
🌸「そうだね」
👑「そうだよ」
🍵「うんうん」
誰も信じていない。
こさめはため息を吐いた。
🦈「もう寝る」
🌸「待って」
らんが呼び止める。
🦈「なに」
🌸「今度またなつくん家に呼ぼう」
こさめが固まった。
🦈「なんで?」
🌸「なんでだと思う?」
🦈「分かんない」
🌸「俺も分かんない」
らん自身も分かっていなかった。
みことが吹き出す。
すちも笑っている。
結局。
その日の話し合いはこさめに逃げられて終わった。
その後。
こさめが部屋に戻る。
すると。
リビングの空気が変わった。
らんが真顔になる。
🌸「さて」
みことが嫌な顔をした。
👑「始まった」
🍵「らんらん暴走モードだ」
すちはお茶を飲む。
慣れている。
🌸「今日見た?」
らんが聞く。
👑「見た」
みことが答える。
🍵「見たねぇ」
すちも頷く。
🍵「あれ仲良かったね」
👑「仲良かった」
🌸「仲良かったな」
三人とも遠い目になる。
少し前までは。
ただのクラスメイトだった。
たぶん。
でも今は。
かなり仲が良い。
🌸「どう思う?」
らんが聞く。
👑「どうって?」
みことが首を傾げる。
🌸「なつくん」
少しの沈黙。
最初に口を開いたのはすちだった。
🍵「いい子だと思うよ」
即答だった。
🍵「優しいし」
🌸「うん」
🍵「こさめちゃんも楽しそう」
らんは黙る。
それは分かっている。
だから余計に複雑なのだ。
👑「らん兄」
みことが笑う。
👑「もしかして認め始めてる?」
🌸「認めてない」
即答だった。
🌸「早い」
🌸「まだ早い」
👑「何が?」
🌸「全部」
全然分からない。
みことは笑った。
すると。
らんがぽつりと呟く。
🌸「でも」
二人が見る。
🌸「前よりは安心してる」
すちは少し驚いた。
らんがそう言うのは珍しい。
🌸「ちゃんと隣にいてくれるから」
らんは昼間のことを思い出していた。
こさめが昔のことを思い出した時。
なつは無理に聞かなかった。
余計なことも言わなかった。
ただ隣にいた。
それが。
らんには少し嬉しかった。
🌸「まぁ」
らんは咳払いをする。
🌸「まだ様子見」
👑「はいはい」
みことが笑う。
🍵「兄バカだねぇ」
🌸「うるさい」
その頃。
二階の自室。
こさめはベッドに寝転がっていた。
スマホが震える。
なつからだった。
🍍『帰った?』
短いメッセージ。
こさめはすぐ返す。
🦈『帰った!』
すると。
すぐ既読がついた。
🍍『よかった』
それだけ。
それだけなのに。
こさめは少し笑った。
🦈『今日はありがと』
送信する。
数秒後。
🍍『こっちこそ』
返ってきた。
こさめはスマホを胸に抱える。
なんだか楽しかった。
本当に。
その時。
部屋のドアが少し開いた。
🍵「こさめちゃん」
🦈「ぎゃあ!?」
すちだった。
🦈「びっくりした」
🦈「ノックして!」
🍵「したよ〜」
していなかった。
絶対していない。
🦈「どうしたの」
🍵「おやすみ言いに来た」
🦈「子どもじゃないんだから」
こさめは呆れる。
でも。
少しだけ笑った。
すちはその笑顔を見て安心したように笑う。
🍵「おやすみ」
🦈「おやすみ」
ドアが閉まる。
静かになる。
こさめは天井を見上げた。
昔は。
兄たちにたくさん心配を掛けた。
今も掛けている。
たぶんこれからも。
そんなことを思いながら。
こさめはゆっくり目を閉じた。
コメント
1件
うわ、第19話読み終わった! こさめの「ただいま」から始まる、らんたちの妙な笑顔と質問攻め…「なんで?」のやりとり、めちゃくちゃ面白かった😂 特にらんが「でも前よりは安心してる」「ちゃんと隣にいてくれるから」って言ったところ、すごく胸にきた! 兄バカの心の変化がしっかり描かれてて、じんわりしたよ。こさめとなつの短いメッセージのやりとりも可愛かったな〜。すちの「おやすみ」も家族の温かさが伝わって好き。 藍翠さん、このエピソードめっちゃよかったです!ありがとうございます😊