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**第二期 第7話: 報酬と新たな挑戦**
グリマルドとの激戦を終えたトーマス、ケイン、そしてグラントは、洞窟の中に漂っていた霧が消え去るのを見届けた。視界が戻ると、彼らの目の前には先ほど消えたはずの出口が再び現れていた。
「やっと出られる…」トーマスは安堵の息をつきながら言った。
ケインも疲労の色を隠せずにいたが、微笑んでうなずいた。「ああ、でも油断するな。まだ、帰るまでは気を抜けない。」
三人は無事に洞窟を抜け出し、目的地であるルドヴィアの町に戻ることができた。町の中心に位置するギルドは、大勢の冒険者たちが出入りする賑やかな場所だった。トーマスたちはギルドの受付に向かい、ギルドカードを提出して、グリマルド討伐の成果報告を行った。
受付の女性は笑顔で応対し、カードを端末に通して確認を始めた。「素晴らしいですね。幹部グリマルドの討伐は大きな功績です。報奨金をすぐにお支払いしますね。」
ギルドはこの世界で銀行の役割も果たしており、報奨金の管理や預金も行っていた。トーマスたちは報奨金を現金で受け取る代わりに、大部分をギルドの口座に預けることを選んだ。預ける際には、魔脈というそれぞれ異なる魔力の流れを持つ個人の特徴で本人確認が行われた。
「これで、しばらくはお金に困らないな」とケインが笑いながら言った。
「でも、油断は禁物だ。この世界ではいつ何が起こるか分からないからな」とトーマスは真剣な表情で返した。
その後、グラントが提案した場所――技発行所に向かうことにした。技発行所は、冒険者が技を紙に書き出して習得するための特別な施設だった。そこでは、自分の魔力を利用して新たな技を覚えることができる。
技発行所に到着すると、トーマスとケインはそれぞれ自分の属性に合った技を習得することに決めた。トーマスは火の属性の魔力玉を、ケインは風の属性の魔力玉を習得した。これらの技を駆使して、今後の戦いに備えることができるだろう。
夜になると、三人は町の居酒屋で祝杯を上げた。トーマスとケインはビールを手に、グラントと共に楽しいひとときを過ごした。
「そういえば、聞いてくれ。俺、スキル『勇者の付き人』を手に入れたんだ」とグラントが笑顔で話し始めた。
「それはすごいな。でも、『勇者の付き人』って何をするスキルなんだ?」ケインが興味津々に尋ねた。
「そのスキルがあれば、俺が冒険に参加することで、皆のスキルが少しだけ強化されるんだ。まさにサポート役ってわけだな。」
トーマスも感心しながら聞いていた。「それに加えて、剣に込める魔力量で反射力が変わる鉱石の話もあるって聞いたけど、それは本当なのか?」
「そうだ、ある種の鉱石にはそんな特性がある。もし手に入れば、俺たちの戦術に大きな変化がもたらされるかもしれない。」グラントは真剣な顔で話を続けた。
三人は新たな知識とスキルを得たことで、次なる冒険に対する意欲が高まっていた。まだ見ぬ強敵との戦いに向け、彼らは力を蓄え、準備を進めていくのだった。