僕はひとりでメリーゴーランドに乗った。
キラキラとした音楽と共に、ゆっくりと僕の馬は駆け出す。
上、下、を繰り返して、ぐるぐる回っているだけ。
だけどみんなこれに乗りたがるんだよなぁ、不思議。
メリーゴーランドにぽけーっと乗っていると、急に振動が大きく伝わった。
「…え?」
僕の馬は本物の馬のようになり、白と灰色のモヤモヤとした空間を走り続けた。
どこまで行くかわからない。どこまで行くんだろう…
音楽はいつのまにかどこかへ消えていて、今のBGMは馬が地面を蹴る音だった。
どこへ、どこへ、つくのか、と思っていたら、いつのまにか、元に戻っていた。
馬は元の硬いアトラクションになっていた。
「君は、僕を一体どこに連れていきたかったんだろうね…。」
コメント
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ゑ、 神やんけ