テラーノベル
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Am:5時
鈍い光が辺りを照らす。
どうやら僕は寝落ちしてしまったようで、まだ机には資料が散らばっている。
僕はその中から適当に一枚を取り、その内容をまだボヤけている頭に強制的に入り込ませる。
あぁ、これは昨日出会った人工の妖の件か。、
とりあえず、頭を活性化させるために何飲み物が飲みたい。
冷蔵庫を開けてみてもすっからかん。
だが、今はどうしても飲み物が欲しいのだ。
あ、確か前葡萄酒を買ったっけな。
こんな真っ昼間から飲酒は体調面なども心配だが、
それ以上に喉が渇いた。
少しくらいなら別に心配などない。
そうして僕は瓶の蓋を開け、少しグラスに注いだ。
ふむ、これはどうやら僕の好みに合いそうだ。
また誰かが家に来た時にでも飲もうか。
あぁ、でも最初は兄さんがいいな。
そんなことを考えているうちに、少し時間が経ってしまったようだ。
残念ながらも僕には責務が残っているので、仕方なくやるとするか。
椅子に付くと、楽なものから先に終わらせ、あとは面倒臭いものだけが残った。
ふむ、何か急にやる気がなくなってきたな。
こんな時は新人の教育にでも出向くとするか。
これも立派な仕事だからな。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
あぁ、足が痛いな。ここはやけに遠いから運動不足の僕には少しキツイ。
まぁ、普段から運動してればこんなものは些細なものになるのだが。
「…?あそこにいるのは誰だろうか…あ!隊長ですか!」
「あぁ、調子はどうだ?」
「隊長が設備してくださった食堂で俺も他の奴らも更にやる気が湧いてきたところですよ!」
「それは良かった」
「あ!隊長だ~!」
「おぉ、君は相変わらず元気ですね、櫆(かい)くん」
「ふふふっそうでしょぉ?」
「おい櫆!体調の前だけでかわい子ぶるな!
前も隊員を1人病院送りにしただろう!」
「おや、そうなのかい?出来ればそれはやめて欲しいがな。」
「んもぉ!それは言わないでって言ったでしょ~!
あとでお仕置きだからね嬭(ない)くん!」
櫆と嬭は良くも悪くも悪友という関係で落ち着いていて良かった。
前にこいつらは殴り合うほどに激しい喧嘩をしたっきり、一週間は話も聞かずお互いに本気で嫌っていたような感じだったからなぁ。
「それと、新人の様子はどうだ?」
「それが隊長…こんなことを言うのもアレなのですが、隊長が推薦した一部の方以外の実力が少し足りない気がするのです。
前に一度俺も本気で注意したのですが…あいつら自身の練習量と、俺らの指導量が見合っていないと思うのです。」
あいつらも本気で頑張ってはいるんでしょうけど…と呟く嬭を横目に、レイはある事を考えていたのだ。
(じゃああいつらに毎日同じ時間に毎回同じレッスンを強制的にさせるか…?)
謂わばパワハラ紛いのことを考えていたのである。
「…あぁ、もうこんなに時間が経っていたのか。
さて、お前ら〜!一旦休憩しておけ〜!」
「僕はそろそろ戻るけど、これからも副隊長として僕の代わりにみんなを連れてってくれると嬉しい。
…じゃ。」
「ばいばぁーい!」「では!」
そうして嬭と櫆はまた隊に戻って行った。
またあの長い長い距離を歩くと、やっと自分の家に帰ってこれた。
そして、まだ自分にとっての課題が大量に残っていたことに気づいた。
「はぁ…めんどくせぇ〜…」
おっと、つい本音が漏れ出てしまっていた。
適当に資料を取り、それを一つずつ素早く、尚且つ丁寧に終わらせていくと、やっと後数個になった。
☀︎妖についての近隣住民からの不満の調査
☀︎近年の妖関連の被害件数の調査
☀︎路地裏の猫が大幅に繁殖している件
☀︎路地裏の人工妖の件
まぁ優先すべきものはこのくらいか…
まず、妖についての近隣住民の不満の調査からおわらせるか。これは調査が大変なんだよなぁ…
〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「すいません。其処の方、少しお話を伺っても宜しいでしょうか」
「?はい。どうなさいましたか?」
「最近、この辺りで“妖”を見ましたか?若しくは妖のようなものでも構いません。」
「妖って……ああ!前友人が妖について話していました!なんの話かは分かりませんが…私は見たことはないですねぇ…お役に立てずすみません」
「いえいえ、これは市場調査のようなものですから、では」
なにも情報は得られなかったか。
あ、あそこの青年に聞いてみるか。
「すいません、少しお話を…⁉︎」
「…?如何なさったんですか?なにか調査でもしているのなら僕がお手伝いできることは極力お手伝いしますよ?」
「ッすいません…捜し人にとても似ていたので…
では、調査をさせてもらっても宜しいでしょうか?」
「だいじょうぶです」
「ではまず——————
「これで終わりです。お時間取らせて頂きありがとうございます。……では。」
「では。」
いや、あれ兄さんだったよな…?
懐かしい声、懐かしい背格好、懐かしい匂い。
全てが兄さんだった。
いやはや、まさかあんなところで出逢うとは…
もう一度声を掛けておけば良かったなぁ…(悲)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「ふふふっ、レイってばあんなに驚いてたよ!」
「ご主人様…いくらなんでもそれは…」
「ん〜?(圧)」
「…ナンデモナイデス」
「それで良し。」
さぁて、レイ。
お兄ちゃんはまだ此処に居るよ。
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