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 その人は、いつも上を見上げていた。

 理由は、いつもわからないが、いつもその人と会う駅のホームから、上を見上げていた……

 聞いてみたくなったが、他人だしなーという思いが、僕の脳内を巡り、いつもその問いをそのままにしてしまっている。

 僕も試しに上を見上げてみたことがあったが、どうやらただの青空にしか見えなかった。


 そんな、ある日、いつもの時間にあの人が来なかった。

 僕は珍しいなと思いながら、いつも通り駅のホームで佇んでいた。

 やけに、何かが気になった。それは、あの人がいるはずの場所だった。

「なんだろう」

 僕が駅のホームのその人がいつもいた場所に来た瞬間……ぐんっ!?

 急に、首が上に上がった。なんだろう、体がぽかぽかする?

 そして、僕は気づいたのだ。上空に、UFOがいることに……

 なんで今まで、気づかなかったんだろう?

 僕はきっと、この場所でしか見えない奇跡のUFOなんだと気づいた。

「あ」

 僕は見た。僕に向かって、無数の光の手が差し伸べられているのを。

 僕は、思わず、その手の一つを取って、握ってしまったその瞬間……


 実は、私はいつもあの人のことが気になっていた。片思いなのか、はたまた人間としての興味なのか、はたまた疲れているからなのかはわからないが、私は、あの人のことが、無性に気になっていた。


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