【⠀愛のおもい人が好き 】
⚠️注意⚠️
約4000文字
メリーバットエンド
桃紫、紫桃、などは決めていないのでご自由に考えて頂いて構いません
本人様は関係ありません
書き忘れですが高校生です
俺は愛のおもい人が好きだ
理想はヤンデレ
愛の重いパートナーが欲しい
例えば部屋中俺の写真で囲まれている
俺の事を考え過ぎて寝込んで欲しい
俺の事になるとタガが外れる様な人が欲しい
考えるだけでもゾクゾクしてしまう
だが少し前まではそんな考え、微塵もなかった
だから俺は彼を好きになった
あの子は俺を見ては一度目を離しそしてもう一度俺を見る
下から上まで舐めるような目線
アニメで見るような高揚した肌
俺の周囲にいる奴らは眼中にないと言わんばかりな熱烈視線、その目を見てしまったら
そんなの
そんなの気になってしまうに決まっているだろう
俺はすぐさま彼に近づき
彼の前の席に座り対面した
目の少し下まで伸びきった長い前髪に、その隙間から垣間見える目が光を閉じ込めているかのような輝きを帯びていた
両手で優しく包み込んでいるカバーのついた冊子
その冊子で俺と彼との間に壁をつくられた
拒絶されているようだ
だが、小さな冊子では隠しきれない赤く血の通った弱く震えていて綺麗に整えられた爪や手
彼が前屈みになっているお陰で区切られた空間はほぼ無意味に近い
そっと彼に触れようと手を伸ばす
すると横から手が伸びてきて掴まれた
よく絡みに来る女だ
彼女に席を立たされ腕を絡ませられ何処かに向かわされた
人と歩みを揃えるのは身長差が大きければ大きい程難しい
もたつきながらも歩みを合わせ視線だけを彼に送る
彼は先程と同じ体制、角度、位置、だが
彼は俺にあの目を向けていない
彼はあの目をしていない
彼が今見ているのはこの女だ
なんだ
つまらない
次の日、彼は俺を見ていた
昨日と変わらずカバーの付いた冊子
昨日と変わらない目線
昨日と変わらない周囲に少し飽きてしまった
俺は教室を出て屋上へ上がる階段へと向かった
あそこは普段人が立ち入らないため埃っぽい所が難点だが
ひんやりした床に優しい日差しにはつい気が緩んでしまう、そんな所だ
途中こっそり着いてこようとした女がいたが曲がり角でキスをしたらすぐに離れてくれた
女の目的は分かりやすくて助かる
授業開始の鐘が鳴った
人が来ない場所に人が来ない時間帯
つまりここには俺1人のはずなのだが
なんかついてきた奴がいる
隠れているつもりなのだろうか
角からこちらを見てはモジモジとしていて正直目障りだ
そいつに近ずくと熱烈な視線を送ってくる彼だった
てっきりあの女だと思っていたので少しびっくりした
彼が来たってことは先生から呼んでこいと厄介な役を受けてしまったのだろう
少し罪悪感が沸いた
彼は俺が近ずいても気づかず何か下を俯き悩んでいるみたいだ
背を向けているにしても気付かないのはこいつが鈍感なんだろうと思う
肩を軽く突くと肩をビクつかせこちらを振り向き驚いた反応を示したが
ポーカーフェイス
昨日と今日でしかきちんと見なかったが
窓辺の席で青空が似合う凛とした雰囲気に奥手な雰囲気を感じたがあながち間違いではない印象的みたいだ
彼に授業には戻らないと宣告したが何か言いたげだ
中々言い出さないので少し強めに問いだたすとサボりだそうだ
聞いてはなんだがつい唖然としてしまった
見た目で判断するのはあまり好きでは無いが
彼のような見た目の奴がサボるのは夢にも思わなかった
だがまぁこいつがサボるなら最初から喋る意味がなかったと言う訳で無駄な労力を使ってしまった
元の位置に戻ったが彼もまた後ろを着いてきて俺の前に座った
なんだこいつ
だが丁度日陰の所にいる彼の目は昨日と少し違う印象だ
暗いからこそその透き通った様な凛とした目が目立ち、落ち着いた雰囲気に良く似合っていた
昨日から自分はこいつの目ばっかり見ている気がする
じゃあ彼の骨格、髪、服装、隅々を観察してみよう
髪は見た感じすらっとしている
でも触れたら柔らかい感触のありそうな綺麗な髪だ
だがやはり手入れをしていないのか女子並みの輝きはないが、どちらかと言うと俺はこっちの方が好みだ
服は学校指定の制服か
特に面白みのない
だがシワ1つないのは日頃手入れをしている証拠か
そういえば冊子にもカバーが付いているし几帳面なのだろうか
次に顔を見ようとしたが前髪が邪魔でよく分からない
彼に近ずきよく覗き込もうとしたらとても変な反応をされた
でも無抵抗に顔は見せてくれて少し変な奴だと思った
顔は特に言うことがない
整っている
それだけだった
でも何か言う事があるのなら
白い肌によく似合った目の色だなと感じただけ
結局俺は彼の目についてしか頭に残らなかった
彼はそれからよく俺の周りを着いてくるようになった
最初はちょこまかと鬱陶しいと思っていたが今はそこまで気にしなくなった
厄介だった連中もこいつがいると何故か離れていく
恐らくなにかしたんだろうが別に気にする程じゃないので聞いてはいない
彼の俺を見る目は変わらず
飽きやすいはずだがこの目は中々飽きること無く見続けてしまう
理由は分からないがまぁ悪い気はしない
最悪だ
放課後、部活動に参加していない為帰宅しようとした矢先
酷い大雨に見舞われた
生憎と天気予報は晴天と誤情報を流していたので傘は持ってきていない
落ち着くのを待つかそれともこのまま帰るか
悩んでいると聞きなれない声で呼ばれた
彼だった
彼は日頃声を出さないのであまりなれていない
出したとしてもボソボソとしていて上手く聞き取れない
だから印象に薄いがこんな声をしていたのか
彼は途中まで送ってくれるとの事だ
確かに彼の持っている傘は大きく2人で入っても大丈夫そうだ
彼の厚意に甘える事にした
特に喋る事がなく無言で歩いていると正面に誰かからか道を塞がれた
目線をやると見覚えのない男が数名
その中に女がいる
いきなり男に胸ぐらを掴まれた
俺がその女に手を出したとの事だ
顔が近く唾も飛ぶ
はっきり言って不愉快この上ない
その上そんな事記憶に無いため何も言えることが無い
言えるのは「離せ」それだけだった
その瞬間左頬を殴られた
一瞬視界が歪む
歪む視界の中女が男の腕を掴み阻止しようとしているのか見えた
お前が発端なくせに
後ろからも情けない声が聞こえた
真面目くんは喧嘩見た事ないのかと少し男として見損なった
男が手を振りかぶり今にも殴る掛かる準備をした
痛いのは苦手だ
だってそれは普通だろ
誰だって痛いのは怖い
俺は目を瞑った
鈍い音がした
だが一向に痛みがやってこない
しかも胸を掴まれていたはずだがいつの間にかその手はなくなっていた
ゆっくり目を開けると男は尻もちを着いており
彼の傘が折れていた
彼は傘を投げ俺の手を掴み走った
雨で滑りやすく何度も躓いた
だが何度も彼が手を引っ張り支えてくれた
後ろから追いかけて来る音がしていたが直に静かになり
一旦止まり後ろを振り返るとそこにはもう人影がなかった
ここはどこだ
通行人すらいない
彼を見やると息が乱れていて大きく目を見開いている
初めて人を危害を与えたのだろうか
少し興奮状態に陥っている
握られている手も少し力が入り過ぎていて痛い
離して欲しい
彼にそう言うと謝りながら離してくれた
雨はまだ降っている
時期はそこまで暖かくない
雨に濡れるとすぐ寒くなりくしゃみが出てしまった
少し恥ずかしくなりこのまま帰ろうとしたが止められた
彼の家が近いらしい
一旦家で服を着替えてから帰ればいいとの提案だ
風邪を引くよりはと思い彼の家に上がることにした
彼の家は本当にすぐそこであれから10分もかからなかった
一人暮らしのようで家には俺と彼だけ
思いの他綺麗でまるでつい昨日に越して来たかのような清潔感だ
彼より先にシャワーを借りた
湯にも浸からせて貰った
彼に服を借りたが体格差は然程ないはずにも関わらず少しぶかぶかとしている
筋肉の差だろうか
少し悔しい
彼のシャワーの浴びる音がする
誰かのシャワーの音をマジマジと聞くことは日頃無いため少し変な感じだ
部屋を見てまわる事にした
洗面台やキッチン、リビング
どこも広々としていて家と言ったらを詰め込んだ様な家だった
だが少し変だ
でも何が変なのかよく分からない為考えても無駄だと思い思考を停止させた
もう1つ部屋があった
開けようとしてみたが開かない
鍵が閉まっているのだろうか
辺りを見ると花瓶がある
そこは少し周りとは違う雰囲気で直感的に花瓶を持ち上げた
底には鍵がセロテープで貼り付けてあった
鍵穴に刺し、回した
部屋の鍵が開いた
ドアを開けると異様な雰囲気に言葉を失ってしまった
どこもかしこも俺の写真で埋め尽くされている
どれも見覚えのない写真
盗撮だ
1歩後退ると何か暖かいものに当たった
人肌だ
水の滴る音がする
ダメだ振り向けない
後ろを振り返ることが出来ない
後ろにいるものを確認したくない
なんとも言えぬ恐怖に体が震えてしまう
耳元に気配がした
優しくとても冷たい声で
「見ちゃったね」と
その瞬間後ろから強く押されて部屋に倒れ込んでしまった
それを見るとまともに拭いていないのか水滴が多くついている
タオル一枚でここにいるという事はすぐにここに来たと言うことか
パニックになっている自分とは裏腹に彼はとても落ち着いている
彼が少しずつ近ずいて来る
彼から少しでも離れたい一心で後ろに下がるがすぐに壁に追いやられた事に気づく
彼が微笑みながら近ずいてくる
怖い
彼の手が頬を撫でる
暖かい手に恐怖を抱くのは恐らく今日が初めてだ
彼との距離はもう無い
徐々に顔が近ずき
触れ合った
押し倒されると次に服の中に手を入れられた
優しく撫でる彼の手は恐怖と不快感と何かを感じさせた
あぁ俺食われるなと察する
なんでもっと早く察する事が出来たかったのだろうか
部屋に入ってからの違和感はあったはずだ
部屋が綺麗だと思っていたがよく見ると生活感がまるでない
タイミングよく風呂に湯が溜まっていたり
薄く埃が被っていたから埃のない花瓶に違和感をもてた事も
彼が手を引っ張り家の付近にまで来ていたのも計画の内かもしれない
いやもっと前に気づけば良かった
俺を見る目から察する事はできたはずだ
だが後悔しても遅い
だってもう彼が俺の中に入ってきてしまうから
end
コメント
4件
初め比喩綺麗だなぁーとか情景が手に取るように分かる、すごい!これ桃と紫かええなぁと思って人中伸ばしながらにやにやしながら読んでいたら最後の畳み掛けが…最高でした😭👏✨ぶくしつです