「ねね、おんりー!友達なろ~!」
その瞬間、びっくりした。
俺は…声がでないから。
差別をされる事が多かった。
「ん~…おんりー声出ないからな…」
「へ?おんりー?だって声出ないし」
「一緒に遊びたい?でもお前さ、
声出ないんだろ?」
お前らのその言葉が、言い方が、
俺の声を出なくしたんだけどな…。
でも、この子は違う。
なんだか、そんな気がする。
カキカキ
『………まぁ暇だったし話し相手
になってくれるなら良いよ』
「やった~!
じゃ、これからよろしくな!」
その日、初めて《友達》が出来た。
「おんりーはゲームが上手いなぁ」
カキカキ
『おらふくんも上手いでしょ』
「完全におんりーの方が上手い
やんか~!ずるい~」
カキカキ
『ずるくないしー』
色褪せていた世界に、彼が来てから
色が付いてきた気がした。
沈んでいた心も、少し軽くなった。
本当に、彼には感謝しかない。
「あっ、もう時間や!
またな、おんりー!」
カキカキ
『うん、ばいばい』
何故かは分からない。だけど
彼は毎日朝の8時に来て、
昼の3時に帰って行くんだ。
1度だけ、何故なのかを聞いた。
カキカキ
『ねぇ、おらふくん』
「ん?どした~?」
カキカキ
『なんでいつも8時に来て
3時に帰って行くの?』
「ん~…なんでやろな!」
カキカキ
『え!?どういうこと!?』
「僕も用事があるからな~…」
カキカキ
『まぁそうだよね…』
「まぁ時が来たら教えるわ!」
カキカキ
『分かった』
そう言って、彼は…最後まで教えて
くれなかった。……………まあ最終的
には嫌でも知る事になったけどね…
こんな事になるなら知りたくない
こんなの、死んだ方がましだ
どうして彼は、1番大切で、1番俺が
聞きたかった事を教えてくれなかった
んだろうか。今でも、分からない。
ねぇ、なんで。どうしてなの、?
そんな終わり方…ずるい…。
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神✨️