今回は番外編です。本編で書ききれなかった凛、冴、世一の日常という名の絡みを書かせて頂きます
今俺達三人はエプロンを着てキッチンの前に立っている
ちなみに凛と冴は背が届かないため椅子に乗って届くようにした
何故三人でキッチンの前にいるのかと言うと、ある凛の一言がきっかけだったのだ
あれはそう、冴と凛を養子に迎え入れてから一週間くらいたった頃だっただろうか?その日はいつも通り学校から帰ってきた二人から今日はどうだったのか?どんなことをしたのか?というのを聞いていた
これはもうルーティーン化しているため文句を言わずに話してくれるが、冴は「勉強だるい」や「同級生とサッカーやったけどあんなぬりぃのしてるくらいなら寝てた方がマシだ」など楽しかったことが出てこない…イジメとかないか心配だから一度校長先生に頼んで少し様子を見せてもらうことにしたときもあったが冴はいつも一人で行動している
いっぴきおおかみけい男子?だったか、そんなかんじらしい…
あまり人と話さないしいつもすました態度なのでクールでかっこいい!などと女子人気が高いらしい
体育の授業ではずば抜けた運動神経を見せるが、英語以外の科目がボロボロで他の教科はろくに受けておらずいつも寝ているとのことだ
何かされてなくてよかった〜と思ったがそれと同時に学力的な問題で心配したほうがいいな…と考えもしたがまあなんとかなるだろうととりあえず放置することにした。まだ小学生だしなんとかなるだろう
凛は冴と同じで体育と英語以外はからきしだが友達は居るみたいだ
それに、聞かせてくれる話は「今日の給食が美味しくて」、「○○君〜」などと楽しい話を聞かせてくれる
その話に混じって出てきたのがこの話題だ
「○○ちゃんの家ね、家族で一緒にお料理して餃子を作ったらしいよ!」
そう。何の変哲もない“らしいよ”という他人系に話してはいるものの今まで二人はそんなことをした事がないので、俺はこれを凛がやってみたがっているのではないかと考えたのだ
それに家庭スキルは大事だと思う
初めて独り暮らしをした時、家族で暮らしていたときは優しい母に料理も洗濯もしてもらっていたのでいざ一人で生活となると適応するまで結構大変だったのだ
まあそんなこんなで休みの日を使って冴と凛と餃子を作り、【餃子パーティー】をするためキッチンに皆でたっている
凛は楽しみ!って感じだけど冴はめんどくさいと言っていた。だが一緒に暮らしてもう一緒になるのだ
冴の些細な表情の変化にも気づくことができるし、何より声がちょっとはりきっていた
先にあんはもう作ってあるから包むだけだな
「まずは俺がお手本見せるから見ててな!」
そう言うと二人は俺の手もとを真剣に見つめる
「この皮を1枚取って、あんをスプーンですくって真ん中にのせる」
「そして指に水をつけてこの水を皮の端に沿って塗っていくんだ」
「で、半分にたたんで…それからビラを作るの」
「………こんな感じにね、わかった?二人ともやってみな」
まずは冴の挑戦だ
皮をとりあんを入れる
端に沿って水をぬる
そしてビラを作る
初めてにしてはとても上手で手際が良かった
「冴もしかしてやったことある?」
「ない」
「初めてでこの上手さはやばい、、料理人向いてんるんじゃない?」
「すごい!兄ちゃん!何でもできちゃうんだ」
「…俺は世界一のストライカーになるんだよ
料理人なんて職業つくわけねぇだろ」
「そっかぁ〜、でも良くできたな偉いぞ〜!」
そう言って頭をなでながら褒める
「…フンッ…」
俺はわかる。これは照ているのだ。凛にもキラキラおめめで言われてたし恥ずかしいのだろう
もぉ〜かわいいなぁ♡冴はツンデレだがわかりやすいツンデレだ。自分ではわかっていないのか、今も口元が緩んでいる
「次俺も作りたい!」
冴をみて和んでいると、凛が言った
「いいぞ、やってみな!」
「うん!」
元気な声で返事をし、皮に手を伸ばす
「凛、あんはあんまり入れすぎるなよ、包めなくなるぞ」
冴が凛にアドバイスをしてくれた
一生懸命ビラを作っている凛はとてもかわいくて和む
「出来た!」
完成した餃子を凛が見せる
ところどころあんが出ていたりしているが、冴がついていてくれたのでぐちゃぐちゃにはなっていない
「上手にできたな〜凛」
「すごいぞ!」
冴にしたように凛の頭も撫でる
すると「ヘヘッ」と笑った
“かわいい”
これには冴にも効果的中だったようでそんな凛を抱きしめている
そんなこんないろいろしつつ、餃子を焼いていく
焼いている間暇だからって冴が俺の出ている試合ですごいシーンを見せてくる
「世一、ずっと聞こうと思ってたけどお前ボール見てるのか?」
「なんかずっとキョロキョロしてるよね?」
「えっとな〜、俺はメタビジョンと空間認識能力を持っているんだ。先の状況、周りがどう動くのかを予測して戦ってるんだ。だからボールを見なくてもボールがどこにあるのかわかるの」
「すげぇな」
「世一すごい!」
「だろ?でも冴も凛も十分才能があるぞ!だからメタビジョンもこれから掴んでいこうな」
「…世一、、世界一のストライカーになるのは俺だ、だから…それまで引退すんなよ」
冴が力強い目で見つめる
「違うよ兄ちゃん!世界一になるのは俺だよ!」
凛も冴に続いて言う
「世界一は俺だ。そこは譲る気ないけど‥お前らを喰うまでは現役辞めないよ」
「フッ‥将来後悔しても知らないぞ、俺達にサッカーを教えたのは授業でも才能を伸ばしたのは世一なんだからな」
「ハハッ、大口叩くじゃないぁ〜このこのっ」
「んーやめろ!ほっぺつつくな!」
「いいなぁ世一、俺も!」
「んムッ
凛まですゆな〜!」
餃子が焼けるまで世一と凛は冴のほっぺをツンツンし続けたとか…
(その後食べた餃子はとても美味しかったそうです)
今回も見てくださりありがとうございました
この世界の凛は早い段階からエゴイスト世一にサッカーを教えてもらっているので、兄ちゃんの次にすごいストライカーになる!とかいう心は持ち合わしておりません
俺が絶対世界一になる精神です
てか最後いいですよね
私も冴のほっぺをつんつんしたい…つんつんといわずモミモミしたい…
次回は夜寝るときの話を書きたいと思いますので是非見てください!
コメント
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やっぱりモテるのか
なんだ癒しか(大好き)