テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
頭痛でだめな日のrdとそんなrdをよしよししするgtの話
※同棲済 ヤることヤってるタイプ
______________
じんわり痛む脳天と揺れる視界、後味の悪かった夢が覚める
そんで直感をで分かる、あっ、今日だめな日だなって。
それはもうヅキンヅキンと脳みそが発狂するかのように痛みを発生させている。
エアコンもついていない部屋なのに掛け布団から手が離せない、もう眠気は去っているのに目を瞑っても眠れそうにない、だけど布団から出られない。
「くっそ、…」
起きなきゃいけない、多分もう時期スマホのアラームが鳴る気がする。
……やば、本気で今日だめかも
ばふんっ
もう何も考えたくなくて布団を頭から被る
頭の上からうるさい人を起こすためだけに作られた音楽が流れ出している、出たくない、出れねぇ、めんどくさ、頭上からの音に神経を虐められながら何も起きることのない時間がどろどろと流れ溶けて行く。
「だぁ〜?散歩いかんの〜?」
優しい声が足元側から聞こえた気がして掛け布団から顔を覗かせる。
「てかアラームうるさ、なんでこんな音量デカくしてんの、廊下挟んで俺の部屋まで聞こえてたぜ?」
「…つぼ。」
そういって優しい声の主ぐちつぼは俺のスマホをちょいちょいっと操作して煩かった音楽を切る
「らっだぁ?どした、気分悪い?」
そう言うとぐちつぼは俺の手を布団の上から取ってぎゅっと握りしめる。
あーすき、一瞬で俺のことわかって声煩くない用に小声にする配慮とか
スマホすぐおいて俺の目見て話してくれるとことか、ほんと全部好きすぎ。
「なんか、…きょうだめなひかも頭クソいたい」
「あー、なるほど。んじゃ今日朝俺が作るからゆっくり着替えてきてくれる?てか起きれる?」
「ぐちつぼがぎゅーしてくれるなら、がんばる」
「はいよ、んじゃ起きてからぎゅーするからそこまで頑張って」
そうは言われても起きたくないもんは起きたくない、でも全身がぐちつぼからのぎゅー所望してる…くそ、…掛け布団を蹴飛ばしてのっそりのっそり起き上がる、あーもうこのままダイブしよ。
「っうぉっ、ちょっ、流石に一言ちょーだいよ」
「んー、つぎからね」
「こらぁ次もしないやっちゃな」
グリグリと額をつぼの胸板あたりに擦り付けてく、あー体温感じる、ぬくもりー、あついー、つぼの匂い〜あ、頭ぽんぽんしてくれてる。こいつイケメンすぎ。
「んふっ、そろそろ着替えてな、飯作っとから」
「ぅい」
一旦温もりとサヨナラする、ふと思うとあの後味の悪かった夢の感覚とヅキンヅキンと痛かった頭が嘘みたいに収まっていく、ぐちつぼパワーすご
スタコラサッサと部屋から出ていくぐちつぼを横目に部屋着なのかパジャマなのか定かじゃない黒いTシャツを抜く脱ぐ。
脇と背中あたりがじんわり汗で滲んでてとんでもなくきしょい、上裸になった状態でちょっと脱いだ服で汗を書いてる部分を拭く。
いや確かにちょっとズボラすぎるかもだけどもう風呂はいる気力もないしでも汗だくな状態で他の服着たくねぇしまぁ苦肉の策で、てことで…
………
……
…
上が白のTシャツ、下が灰色の半ズボン、ただ脱いできるだけなのに着替え終わった頃には体感結構な時間が経っていて少しゆっくりし過ぎたかなとかなんとか考える、が、だとして体がもう疲れてきてベッドにそのまま座り込む。
それでも俺頑張ってるし、だとか今日ほんとに重力おかしいだとか脳みその中でぐるぐる言い訳が飛び交っていく、考えば考えるほど引いて行った筈の痛みは産声を上げていく、なんか今日何もしたくねーな、配信とか散歩とか、もう何もしたくね。
「らっだぁ〜、着替えられた?」
「うん、」
喋りながらこっちに歩いてくるぐちつぼ、俺の前でしゃがんで視線を合わせてくる。
「あちゃ〜こりゃ結構重症だな…ほら、手、立てる?」
そう言って手を伸ばしてくるぐちつぼ、もうこいつ王子様かよ
出された手を握り返せば俺よりちょっぴり手の温度はひんやりしていて、ちょっとだけ水気を感じた
「ねぇらっだぁ?」
「なに」
「なんかヤな事あった?」
「しらね」
「そっかしらねか」
「…そーいやね?今日の朝飯作ったはいいけど色々と脳みそバグっちゃって死ぬ程異国文化の塊みたいな飯なんだけど大丈夫?」
「、んは、なんそれ」
キュッと繋がれた手とペタペタ音を立てながら歩く俺とつぼ、俺が話したくなさそうだったら深堀してこないしいつでも笑顔にさせようとして来るつぼが愛おしい、なんか今日いつにも増してこいつのこと好きだな。
「んねらっだぁまじでほんっとに今日の朝飯異国文化も異国文化だし食べ合わせ終わってるけど許してな?」
「毒でも入ってなきゃ怒らんよ」
「ぃんや、まぁ、うん、それならいいけど…」
そういってリビングのドアを開けるぐちつぼ、中からはふんわり漂ってくるトーストの香り。
もう机に揃えてある食材達に目をやる、…ん!?
「刺し身とトーストと味噌汁とヨーグルトとキウイ…刺し身とトーストと味噌汁とヨーグルトとキウイ!?」
「だから言ったじゃん…!!異国文化の塊なんだって!」
そういって眼の前で顔を赤くしながらしゃがみ込むぐちつぼ、いやいやいや確かに言ってたけども!!マジかこういうタイプの異国文化かなんほどね
「いやいや、大丈夫よ?ご飯作ってくれただけホントありがたいし、ね?」
「うっ…ぅぅう〜こんなはずじゃなかったぁっ」
しゃがみ込んだぐちつぼに手を差し伸べれば真っ赤になりながらも掴み返してくれる、その手はさっきよりも幾らかか温かくてなんだかその恥じらいが愛おしく可愛くて頬が緩む、こいつほんとかわいーな…
「ほらたべよ?別に全部毒じゃないからいいよ、大丈夫」
メソメソヘコむぐちつぼを眼の前に座らせ対面で机を囲む。
「毒と比べられる位なセンスって言われてるぅぅう……いただきますぅ…」
「はーいいただきます」
力のこもってない手を合わせて右手に箸、左手にお茶碗をもってズズズッと味噌汁を喉に落とす、熱すぎず冷めてるわけでもなく丁度いいくらいの温度な味噌汁に心がホッとしてくる。
刺し身は昨日の昼スーパーで特売になってた奴を2パック買って結局1パック食べずに冷蔵庫に突っ込んでたキンキンに冷えたデカ目の1パックを二人でつついてく。
「てかなんで異文化交流させちゃったのぉ?」
「…それ聞いちゃう?、最初はさ?缶詰のクラムチャウダーあったからクラムチャウダーとパンとヨーグルトでいいかなって、でもさひどいぜ?ルンルンで冷蔵庫に顔突っ込んで牛乳探したんよ、なかった。」
「あららぁ」
「それでよぉ?もうそん時にはパンバター塗ってオーブンで日焼けしてっからよ?そっから汁物がインスタント味噌汁しかないせいでもう取り返しつかないし机にヨーグルトやら味噌汁やら並べてみたら量思ったより少なかったし冷蔵庫ン中まともなおかず刺し身くらいしかなかったしもぉッ、マッジで…」
そういや昨日スーパー行ったはいいけど昼だったし今日の朝は外で食うって話ししてたから無駄に買ってなかったんだっけ、
それなのに文句の一つも言わず朝からキッチン立ってくれんのこいつ?いい奴すぎない??
「いや、たしかにそれはどんまいだけど、マジでありがたいよ?ぐちつぼ、ほんとにありがとね」
「…どーいたしまして」
目を泳がせながらお礼に棒読みの言葉でかえすつぼ、俺本気で思ってんだけどなぁ…
箸をおいて食パンをかじれば丁度いい耳のサクサク感と白い部分がふわふわバターしみしみで旨い。
てか案外食パンと刺し身ってありなんかも?
さっきから眼の前のぐちつぼが徐ろにパンにマグロとホタテの刺し身を丁寧に乗っけて醤油をかけてアレンジしている
…あすごい判断むずそうな顔してるわ、不味くはないけど旨くもなさそ〜
「なにみへんはみへもんしゃへへほ!」
「たはっ、その顔で見せもんじゃないは大嘘やね、ダウトダウト」
「こほやろうへ…」
………
…
「んご馳走でした」
「あいお粗末さんでした」
殻になった食器を一つにまとめだすぐちつぼ、俺さっきからずっと何もしてないしなんか手伝わないとな、…皿運んどこっかな
ガタッと椅子を後ろにずらし、立ち上がる
「ちょちょちょっ、おに〜サーン、あんたはちゃんとここに座ってて?」
「えっいや、何もしないのはちょっと、」
「なになにぃ?あの?らっだぁサンが!?こんなことで気を遣うだってぇ〜?こりゃたまげたぜ」
「んだとコラァ〜?気遣ってるんじゃなくて慈善活動をしてあげようとしてるんですぅー」
「ハイハイ慈善活動はいいから座ってまちょうねぇ〜」
そう言うと俺の肩を撫でながら椅子に座らせてくるつぼ、もうホントなんなのこいつツンデレなのか俺への扱いが雑なのかそれとも俺の事好きすぎて扱い方を熟知してんのか…、絶対熟知してる奴だわ。
皿を全部持っていってキッチンの方からカチャカチャと食器のぶつかる音と水音がなる、てかほんと、今日配信とか編集者さんに連絡とか諸々もしなきゃな、うわどーしよ。
気を紛らわそうにもスマホは自分の部屋に置きっぱなしだし思考はいつだってネガティブの方に傾いていくし、あーあ折角さっきまで居なかった頭痛が顔を出した。
ツキツキと酷くなりかけの頭痛に、机に倒れ込むように突っ伏し目を瞑っているとキッチンとは違う場所での音が聞こえてくる。
そうか、いま雨降ってんだ、それも大雨
そりゃ気象頭痛的な奴で痛くなるわけだわ。
「らーっだ、寝た?」
「、寝てないよ」
パチリと目を開ければ服に手を擦り付けて水分を吹き飛ばしてるぐちつぼ、コイツはいつも変なところで雑なんだから
「そっかよかったぁ、ほい、水と薬持ってきたぞ」
「えっありがと」
水で満たされているコップとよく体調を崩したときに飲む青いパッケージの鎮静剤、ありがたい限りの気持ちを胸に箱の中から薬を取り出して3粒フィルムから押し出し、水で流し込む。
「っ、は、もうほんと今日ずっとありがとねつぼーら」
「ふはっ、お安い御用さ」
キザに笑ったつぼーらはそのままコップに残ってた水を飲み干して箱とコップを運んでいく。
は〜、全部スマート過ぎるっつの…
「んで、らっだぁ今日どする?」
帰ってきたつぼーらは俺の前に座った後俺の右手を両手で包むように結んで俺の指で遊び始めていた。
「んー、もうなんかさ〜配信、しなきゃなぁって、思うよ、思うだけね、?」
「なるほどねぇ〜、じゃ今日はもう何もしないどこか!」
「人の話聞いてたぁ?てかこら人の指で故意的に中指を立てるな」
「んへへ、まぁそこはいいじゃないっすからっだぁさぁん…てか聞いてたし聞いた上での話だが?」
「それでその結論出るのはなかなかじゃね?」
「あーたしかにな?
まぁでもさ、偶には良いじゃん。ゲームもしない、配信もしない、通話もしない、俺とらっだぁだけでゴロゴロして終わりな日」
「そう聞くとメチャ魅力的やね」
「しょ?」
ぎゅっーっと右手を優しく繋ぎ止めて自分の頬に手を持っていくぐちつぼ、力の入っていないただの手を愛おしげに見ては俺の瞳と合わせて来た。
レンズ越しにほんの少し映る俺はちょーキモい顔で笑ってる、この野郎俺の懐に入り込んできやがって。このやろうめ。
「何もしなくても誰も怒らんかな」
「そりゃリスナー達も推しは元気でいて欲しいじゃろ。起こる人なんていねぇよ」
「そかぁ、じゃー、ちょっとだけ、一緒に寝たい」
「んぉおー?そ、うきた、か、…まっ、まぁ、ぅん、いいぜ、うんと優しくしてやんよ」
「ん、ありがとね。」
握られた手に力を込めてぐちつぼの輪郭を手に染み込ませる、憶えとけよ俺の手、これが世界一愛しいやつの輪郭だかんね。
さっきと同じように廊下をペタペタと素足で歩いて行く、廊下は普段より薄暗くて窓から入る光の無さに少し悲しくなる、いや悲しいっていうよりどんよりした気持ちになる。
別に、だから何とかそんなことは、ない。
ただ繋いだ手の温度だけがそのどんよりを取っていてくれる気がした。
ガチャッと開けた自室はちょっと荒れててさっき布団蹴ったせいでベッドの下に落ちてるし汗吹いたシャツはその場所に放置しっぱなしだし、エアコンのついてない部屋だから夏場だしそこそこ暑い。
「つぼぉ〜」
「はぁい」
「今日はさぁ、ちょっとだけだらしなくても許してくれる?」
「ハハッ、普段からだらしねぇんだから今更だろ、んなことより布団とエアコン。んなもんこうやって、こう!」
ポイポイっと俺のシャツとズボンが中を舞う、そんで部屋の真ん中辺りに無様にパサっと落ちる
俺より適当やんけこいつ
ぐちつぼは手際よくエアコンのリモコンを取って冷房をかける、そんで落ちてた布団をふわふわっと一瞬で元に戻して俺の方に手招きする
「ほれ、寝ちまいな」
「、んふ、ありがとねぇ…んしょ、っぅし、んじゃ、ほら来て?」
「…ね、寝てもいい、けどよ、昼じゃなきゃだめ?」
「?今じゃなきゃあんま意味なくない?」
「うぇっでも別に夜でも…、昼たしかに雨だけど見えちゃうじゃん…、」
ん、?何、見え、…?夜寝る、?寝る、寝る、……あっそーいう、!?
「いやいやいや!?そー言うことじゃないって!普通に、添い寝、一緒のところで寝てほしーの」
「え、あ、そ、そういう…ヤバ、恥ずぅ〜、ははっ、はははっ、ははっ、はー…んじゃそういうことなら行くよぉ…」
こいつさっきまで抱かれると思って接してたのに最初に優しくするとか言ってたのかよ…、やーば、結局躊躇っちゃうのかーわい…
にひにひと上がってく俺の口角と眼の前で恥ずかしがりすぎて顔が真っ赤になりながらも視線を合わせてくるぐちつぼ、うーん最高やね。
俺がベッドに潜り込めばこちらに目をやりながらゲーミングチェアに座るつぼ、えっ寝ないマ?
「ちょいつぼーらぁ?」
「ん?なぁに何も言わんでもらっだぁが寝るまでここいてやっけど?」
「そこじゃなくて、こっち来てくれ?」
被っていた布団をふわり広げトントンと空いた空間を叩く。
「えっ、寝るってそーいう感じ?」
「うん、だめ?」
「…今日のらっだぁは甘えたさんかぁ」
「ん、ぐちがいるとねぇ落ち着くんよ、めちゃめちゃ」
「そっかぁ、ほな俺がおらんとだめか!」
「ん、ずっと一緒にいて〜しぬまでいよ〜よぉ」
「んはは、いーよ、死んでも魂だけになってもずっと一緒な」
にこにこと口角を上げながらメガネを外して布団に潜り込んでくる、かわいい。
ふんわりとした緑の髪の毛が俺の頬を擽って、瞳を交わらせた。
「ねぇつぼつぼぉ」
「なぁに?」
「配信とかさぁ編集者さんへの連絡とかぜーんぶぶっちしちゃっていいのかなぁ」
「ん〜大丈夫しょ、なんなららっだぁのアカウントで体調悪いから休むってツイートして俺のアカウントでも体調悪い人の看病するからできないってツイートして匂わせでもして見る?」
「あは、いいねそれ、ぐちつぼのアカウントのツイートの方で『大切な人の看病』とか言ってみてよ、ただならぬ関係示唆しようぜぇ」
「んふっ、悪くないな」
優しい空気、さっきまで酷かった雨がもっと強くなったのに、雨音だって強いはずなのに部屋の中の空気は柔らかくて、さっきよりも頭痛が和らいだと感じた、きっと薬のおかげなんかじゃなくてぐちつぼが隣りにいてくれて、ずっと、ずーっと優しいこいつがいてくれるってことが一番の良薬なんだなって
涼しいけど暖かくて、だんだんまぶたが落ちてくる。
「ねぇぐちつぼ」
「なーあーに?」
「あいしてるよ」
「…俺の方があいしてるし、もう寝てもいいよ」
「ん、ありがとねぇ、」
「らっだ」
「んぅ?」
「いいゆめみてね」
ふにっとでこに柔らかいものが触れた。
びっくりして目を開くと眼の前には季節外れ桜のが咲いていて、恥ずかしげに潤んだ瞳で俺を射っていた。
「…ありがとね、ほんと、ずっと、あいしてる。」
ちゅっ
咲いた桜の唇にキスを贈る
あーあ顔真っ赤んなっちゃった。
「ふふっ、ほんと、だいすき。あいしてる、おやすみ、ぐちつぼ」
「……俺も、愛してる…おやすみ、らっだぁ」
今日は、だめだけど悪くない日だ。
コメント
2件