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『バレンタインまであと9日』
pr視点
教室の黒板の隅に、でかでかと貼られたポスター。
《バレンタイン企画!手作りお菓子は放課後に!》
それを見た瞬間、俺はそっと視線を逸らした。
(……もうそんな時期か)
「ぷりちゃん、どうしたの?」
横から聞こえた声に振り向くと、ちぐがいた。
いつもよりちょっと近い。
というか、距離感がおかしい。
「いや、別に? なんもないで」
そう言いながら、俺は無意識に机の中を確認する。
……何もない。
まだ9日もある。
入ってるわけがない。
「俺、何探してんねん……」
そりゃそうやろ、と自分でツッコミを入れる。
「ふーん」
ちぐは俺の顔をじっと見て、首を傾げた。
「ぷりちゃんさ、今日ちょっと落ち着きない」
「気のせいやって」
(いや、気のせいちゃう。
バレンタインまであと9日や)
昼休み。
クラスの女子たちが盛り上がってる。
「え〜今年どうする?」
「義理は市販でいいよね?」
「本命はやっぱ手作りじゃない?」
その言葉に、俺の心臓が無駄に跳ねる。
(本命……手作り……)
ふと見ると、ちぐは机に突っ伏してスマホをいじってた。
画面は見えへんけど、やけに真剣。
「……ちぐ」
「なに?」
「今年、チョコとか作るん?」
俺、何聞いてんねん。
言った瞬間に後悔した。
「えっ」
ちぐの肩がぴくっと揺れる。
「……うん。まあ、たぶん」
「へ、へえ〜」
(あ、終わったわ)
心の中で盛大に崩れ落ちる。
たぶん、じゃなくて確定やん。
「誰にあげるん?」
口が勝手に動いた。
ちぐは一瞬黙ってから、にこっと笑う。
「……秘密」
その一言で、俺のHPはゼロになった。
(ほらな。俺ちゃう)
放課後。
「ぷりちゃん!」
後ろから呼ばれて振り向くと、ちぐが走ってきた。
「一緒に帰ろ?」
「お、おう」
並んで歩きながら、ちぐがぽつりと言う。
「ねえ、ぷりちゃん」
「ん?」
「バレンタインの日さ……」
その言葉だけで、全身が緊張する。
「……空いてる?」
「え?」
「一緒に帰れたらいいなって」
ちぐは耳まで赤くして、照れたように笑った。
「……だめ、かな」
ずるい。
そんな顔で聞くな。
「だめなわけないやろ」
「ほんと?」
「ほんま」
ちぐはぱっと顔を明るくして、嬉しそうに頷く。
「よかった!」
(……俺、期待してええんか?)
その夜。
ベッドに転がりながら、俺は天井を見つめてた。
ちぐがチョコを作るって言ったこと。
秘密って笑ったこと。
でも、2月14日に一緒に帰りたいって言ったこと。
(わからん……)
期待したら、傷つくかもしれへん。
でも、期待せずにいられるほど、俺は強くない。
スマホのカレンダーを見る。
バレンタインまであと9日。
(もし、ちぐの本命が俺やったら……)
そんなことを考えて、
俺は枕に顔を埋めた。
「……アホやな、俺」
でも、心臓はずっと、うるさいままやった。
ーーバレンタインまであと9日ーー
新連載です‼️
バレンタイン絡みの小説書いてみたかったから、やってみました👉🏻👈🏻
上手くいかなかったごめんね😭😭
♡と💬待ってます💭🫣
♡>>>>500
コメント
6件
とても、お上手で素敵な作品です! 超ドキドキしてしまいました💗 続き楽しみにしてます(◍>ᴗ<◍)
そんなの期待しちゃいますよねprくん!(?) 続き楽しみにしてる〜!
かちさん の バレンタイン絡みの作品 密かにめっちゃ楽しみにしてましたぁ ! いやもう .. 待てないじゃないですか 🥹 帰る約束 、手作りするらしいチョコ 、誰にあげるかは秘密 ... そんなの期待しちゃうよね 🍫