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〈kiriyan side 〉
薄暗く静かな森の中、古い家屋の中では漆黒の魔力と血生臭さがこびりついていた。
なかむがなかむでないことにいち早く気づいていたのにも関わらず、止めることができなかった。足が動かなかった
いや冷静になろう、全てが終わったわけじゃない。しっかりしなくては
Sm 「ぶるーくっ、、! おい、なかむっ」
Kr 「みんなこっちに固まって!」
スマイルの闇魔力が増しているのを探知できた
息が荒くなる彼に優しく声をかける
Kr 「スマイル、これからが俺たちの役割だ」
Sm 「わかってる」フーッ、フーッ
少しは落ち着いただろうか、今ここで俺らの中から魔力暴走が起きてしまえばそれこそ元も子もない。
Nk 「にげっって、、、おれからっ」
Sh 「、!まだ理性がある」
黒いオーラの圧力がさらに増してきた。俺らが抑えつけられるか否かは時間の問題だろう
今は友情なんて純粋な感情を押し殺して役目を真っ当するしかないんだ。
俺は彼とまっすぐ向き合うことにするよ。
ねぇなかむ、これが俺の『愛』だよ
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〈kintoki side〉
目を覚ました彼はもう彼ではなかった。しかし雀の涙ほどの理性で必死に抗っている
濁ったルビーの中にまだ綺麗なブルー色が見える。だからこそ俺は決断ができなかった
Kn 「っ、どうする 」
Kr 「そんなの、決まってるでしょ。」
でも!と反抗しようと彼の目を見る
きりやんの瞳は真っ直ぐで、鋭くて、 純粋な感情は使命感で必死に塗り潰そうとしていた。
そんな力強さと裏腹にこぼれ落ちる雫と小刻みに震える姿に、彼は覚悟していることを悟る。
Kn 「わかった、」
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〈shake side〉
Kr 「みんなやることはわかってるな」
Sh 「ほんとにやらなきゃなの」
俺があの時守れてたらなかむは自己嫌悪しないで今まで通りみんなと過ごせたのかな
いや、違う。そうじゃない
きっとなかむはひとりで悩んでたんだ。 毎日自問自答を繰り返して、自分に言い聞かせて。
俺は、俺らは、そんななかむに何かできていたであろうか。実はいちばんそばにいたけどいちばん苦しめていたのかもしれない
もしなかむが俺たちを傷つけない、迷惑をかけないことが彼なりの愛なのであれば
俺が否定する権利はないのかもしれないな。
Kn 「しっかりしろ」
そんなことを考えていると、重厚感のあるきんときの声に背筋が伸びる
Kr 「個人で別々のことを感じていようと、考えていようと、俺たちのやるべきことはひとつだよ」
Sh 「、、、。」
みんなは俺たちの使命の重大さがわかっているのだろう。わかっていてもなお、俺は親友を切り捨てられない
Sm 「ぶるーくを殺めてしまっている以上、
このままにするのもかえってなかむが苦しむ」
確かにそうだ、でも、、、
そういえば前に聞いたことあった気が。
Sh 「、、、今まで触れてこなかったけど」
Nk 「ん?」
Sh 「なかむはどうして魔法を学ぶの?」
Nk 「んー俺は魔法が使えないけど、 使えない人でもできることがあるんじゃないかと思って」
Sh 「ふーん」
Nk 「あ、でもあれだよ?俺がもし道を間違えてたらその時は、、、」
Nk 「その時は俺を殺してでも止めてね? 笑」
そんな物騒なことを言いながらニカッと笑う彼に俺は返事ができなかった。
言われなくてもやらなくちゃいけないから
それが俺たちの使命だから。
Kr 「わかってくれるよな」
俺は大きく深呼吸をして覚悟を決めた
俺はあの時のお前の願いを叶えてみせるよ
これが俺なりの『愛』なのかな
Sh 「やろう。」
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〈smile side 〉
Sh 「、、、。」
シャークんが悩む理由も理解出来る。
俺の怒りと共に込み上げてくる魔力を探知できたきりやんはどうやらなかむに対しての怒りだと思っているらしい
もちろん、それを否定することもできない
だってぶるーくのことを、、、。
でもそうじゃない。俺だってなかむがなかむじゃ無くなっていることに気づかないわけがない。これは仲間に対しての怒りではなく
自分だ
なかむがどこかへ去っていく夢を見ながらも、
俺はそれを重要視しなかった
なかむに寄り添おうとしていなかった。
それが今の結果に至るだろう
なかむの愛は痛いほど理解できた
俺の魔法は人を傷つける。だからこそ小さい頃からよく人に害を与えてしまっていた
それも不本意で。
なかむは魔法が使えなくて自己嫌悪になっていたが、俺はこの魔法が使えて自己嫌悪になっていたよ。
悩みは正反対でも似たようなものを感じてたんだ、だからこそもっと寄り添えたはずなのに
だがこうなってしまったなら悔やむ暇もない
お前の悩みも苦痛も全部俺が背負ってやるよ
結局は似たもの同士なんだ。
お前の感じたものを愛として受け取るし、 それを俺の中で大切にしまって『愛でよう』
Kr 「わかってくれるよな」
Sh 「やろう。」
Sm 「満場一致が取れたってことだな」
Kn 「ああ。」
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〈no side〉
これは過去に起こった少年の魔力暴走事件の監視役員たちが残した最後の音声である
ザーッ
Kr 「こちらNK監視役員。再び魔力暴走が発生。すでに死亡者1名」
Kr 「これからNK監視役員4名、行動にうつります。 」
Kr 「NKの魔力暴走は今回で2回目、 処罰BT実行。」
Kn 「no.1211、きんとき」
Sh 「no.3040、 シャークん」
Sm 「no.3020、スマイル」
Kr 「no.1221、きりやん」
all 「NKの処刑を実行します。」