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指輪

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指輪

1 - あの人に貰った指輪。

♥

227

2025年02月28日

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アテンション

・黒白

・白女体化

  

「白」 『黒』 〈もぶ〉

   

それでは、どぞ!

✂ーーーーーーーーーーーーーーーーー✂

『これあげる』「?なんこれ」

小学生の頃、ある男の子から指輪のようなものを貰った。

指輪といっても、アルミホイルを簡単に円にしたもの。

「指輪?」

『そーやで、あんさ』

そのあと、男の子にこう言われた。

『将来、結婚しよな』

ってな? 

今思うとほんとに可愛い約束やったなぁと思う。

「んー…ええよ」

うちは少し悩んでからOKをした。

   

    

その子とは、中学が同じで、3年間同じクラスやった。

「お、また一緒やん」

『よっしゃ』

中学一年生の時は、2人ともハイタッチをするくらい嬉しかったけど、2年生、3年生になってくると、当たり前のように思えてきた。

「嬉しいなぁ」

『そやなぁ…』

でも、2人とも嬉しいのは変わらなかった。

   

    

その子とは、まさかの高校まで同じだった。

同じ学校を受験して、2人とも受かって、とても嬉しかった。

「受かった!受かったで!?」

『よっしゃぁぁ!!』

2人とも雄叫びはあげるわ、ジャンプするわで大騒ぎだった。

「またよろしゅうな!」

『おん!』

   

   

高校の間は、2年生だけ同じクラスで、めちゃめちゃ嬉しかった。

「お!同じクラスやん」

『おーまじか、やったな』

2人とももう子供ではないから、同じクラスで叫んだりはしなくなった。

でも、目は輝いていたと思う。

  

そしたら、ある日の放課後、懐かしい話を男の子は 話し出した。

『あの指輪もどき、まだもっとる?』

「まだもっとるよー、部屋に飾ってある」

『なんそれはず』

そっちから聞いてきたんやけどなぁ と思ったけど、よくよく考えれば確かに恥ずかしいなと思う。

『そっか、まぁありがとな』

「あー、おん?」

なんでこの話をしたのかは分からないけど、なんだか少し、胸がキューってなったきがする。

    

    

そして大学生、まぁ流石に同じ学校ではなかった。

男の子は東京の大学、自分は大阪の大学。

もう正反対と言っても過言ではないくらい離れた。

「なんか、寂しいなぁ…」

「つまらんなー…」

教授のつまらない話を聞きながら、昔のことを思い出していた。

また、あの男の子に会いたいなぁって。

   

   

単位ギリギリで卒業ができて、就職をした。

「よしっ…今日から働くで!」

大丈夫、お母さんと同じ職業で、何度も手伝ったんだから と、初日は心の中でずーっと唱えていた。

『ぁれ、初兎?』

「…ぇ、悠くんやん!」

まさかの、会社が一緒だった。

いやこんな奇跡なこと起こるか?夢なのか?

と思って、頬をつねったら現実だった。

こんな奇跡が起こるんやなーと思った。

   

   

それから働いて、悠くんと食べに行ったり飲みに行ったり、色々なことをやった。

そしたら_

『あんな、俺』

『初兎のことが、好きなんよ』

告白をされた。

告白された場所は、自分たちが大人になって、初めて二人で行った水族館。

「もちろん、もちろんや!」

そのときは、二つ返事でOKした。

とてつもなく嬉しかった。

初恋の人と、付き合うことって出来るんやって思えたな。

   

    

『あの、小さい頃にあげた指輪って持っとる?』

「持っとるよ、当たり前やん」

『そか、なら良かった…』

付き合ってから年月がすぎて、もう同棲をしていたとき、彼に 昔あげた指輪を持ってきて欲しい と言われたので、持っていって、彼の元へと向かった。

『あんな?』

「おん…」

いつもとは違う、何かピリピリしているような感じ。

『俺、初兎が好きなんよ、大好きなんよ』

「ぉ、おん…/」

すこし顔が熱くなる感覚がしたのを覚えてる。

『ほなから、俺と 結婚して欲しい』

あぁ、もう自分も結婚なんやって思った。

もう大人の階段を上るのかと思って、嬉しくて、初恋の人と結婚できることが嬉しすぎた。

「…当たり前やろ、いつまで待たせとんねん」

「あの頃からうちも、ずーっと好きやで」

   

    

   

    

「みたいな感じやったなー」

〈へー!じゃあお母さんとお父さんは初恋の人やったんやな〉

「そうそう、あの頃のパパは可愛かったでー?」

『初兎…昔話は やめよーや』

「ぇーなんでなん」

〈ほんとだよー!もっと聞きたい〉

子供を授かって、自分の人生がもっと華やかになった気がした。

ほんとに、この人と出会えてよかったな と、心の底から思っている。

    

    

指輪 END

✂ーーーーーーーーーーーーーーーーー✂

   

ここまで読んでくださり、ありがとうございました!

コンテスト参加、ホントギリギリですみませんでした🙇🏻‍♀️‪‪

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