「お兄ちゃん…。」
病室で俺自身を見ていると咲希が俺を呼ぶ。
もう泣いてないはずだが泣いてるように見える顔に苦しくなり、咲希を抱き締めようとしたはずだった。
スカッ
手が咲希の身体をすり抜ける。
なんとなく予想はしてたがやはり悲しかった。
『咲希、絶対身体に戻る方法は見つけるからな!』
聞こえてないだろうが咲希にそう言った。
その後咲希は、暫くここにいたかと思うと急に立ち上がり。
「お兄ちゃんも頑張ってるはずだもん!」
「私もできることしなくちゃ!」
そう言ってバタバタと病室を去っていった。
『咲希…。』
ガラッ バタバタッ ズサー
成長したなと涙ぐんでいるとドアが開き誰かが入ってきた。
そしてこけた。
『えむ!?』
そこには驚いた顔で涙ぐんでいるえむがいた。
えむは暫くポカンとすると思い出すように。
「司くん!起きて!」
「類くんが怒ってるから。」
そう言って俺の身体を揺さぶり始めた。
どうすれば良いかオロオロしながら見ていると。
ガラッ
「司くん!」
「……ハァ、ハァハァ。」
類と寧々が入ってきた。
よほど急いで来たのだろう寧々は息を切らして喋れてなかった。
えむは、
「咲希ちゃんがね、司くんは寝てるだけなんだって。」
「けど、全然原因が分からないし、もしかしたらもう起きないかもしれないって。」
その言葉に2人が息をのむ。
「可能性があるだけだから。」
寧々が息を整えて話し出す。
「司のことだからしばらく満喫したら絶対帰ってくるでしょ。」
その寧々の言葉に、
「咲希ちゃんも泣いてたからね!」
「助けたい子でもいるのかもね?」
とえむや類も続いた。
助けてと俺を呼ぶ声がしたことを思い出す。
『嗚呼、あの子を助けたら絶対戻るからな!待っていろ!』
そう言って病室をでた。
こんにゃちは紫雲桜冬です!
この作品を書いてて、司くん地味に難しいと思いました。
ここ最近投稿してないのは体育祭の旗を作ってるからです。
奏の作品と対にして書いていこうか迷いましたがこっちはこっちのペースで進めていくつもりです。
感想お待ちしてます!
コメント
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みんな勢揃いだ… 司くんと奏が言ってた「あの子」って誰なんだろう? 続き待ってます 体育祭頑張ってください!