大事な恋人　完

目黒の家。

何だか阿部が怒っている。

いつものことだけど、渡辺にヤキモチ妬いている。

阿部ーここも、翔太と一緒だったら、楽しそう。

目黒ー阿部ちゃん？

阿部ー嫌なの。

目黒ーそう言われても。

阿部ーとにかく、嫌なの！

目黒ーしばらく、距離取ろうか。

阿部ー嫌いになった？

目黒ー翔太くんは大事な友達、そんなに嫌いって言われたら、いい気しない。

阿部ーでも・・。

目黒ー何度も言ってるけど、友達と恋人はちゃんと分けて付き合える。それでも嫌なら、しばらくは会わない。

阿部ーどうしたら、もう一度会える？

目黒ー康二に聞いて？康二は、俺にヤキモチ妬かないから。

阿部ーどうして分かるの？

目黒ー翔太くんが言ってた。

阿部ー分かった、しばらく会わない。

目黒ー阿部ちゃん、俺、怒ってるからね？ちょっと考える。

阿部は、目に涙を溜めて帰って行った。目黒はタバコに火をつけ、深く吸う。渡辺を晩ご飯に誘う。

やって来た渡辺は、目黒がピリピリしてるのが分かった。

阿部と喧嘩でもしたか？と思う。

それでも、こうあからさまにピリピリしてるのは珍しい。

渡辺ーどうした？

目黒ー阿部ちゃんとしばらく、会わないことにした。

渡辺ー何で？

目黒ーいつまでも、翔太くんが一緒なのが気に入らない。俺の大事な友達をはっきり「嫌だ」って言う。

渡辺ーそれで？

目黒ー俺は、友達と恋人と分けて付き合える。阿部ちゃんはいつまでもそれが分からない。だから、康二に聞いてって言った。

渡辺ー康二はお前に、ヤキモチ妬かないからな。こら、俺の前でタバコ吸うな。

目黒ーこれ1本だけ。なんかピリピリが収まらない。

晩ご飯を作る頃には、収まり、2人で楽しく食事した。目黒が渡辺に聞く。

目黒ー康二は、どうやって俺たちを見てるの？

渡辺ー俺が弱ってるとき、お前が助けてくれるだろ？康二は、長年の付き合いだから、出来る。友達として、最大限に、守ってくれる。

友達じゃなくて家族みたいだって言われた。

目黒ー阿部ちゃんは、とにかく一緒なのが嫌って言うけど、俺は今の翔太くんとの関係を変えるつもりないし。で、距離を置くことにした。

渡辺ーいつまでかは決まってないんだ？だいたいは考えてるだろ？

目黒ーん、阿部ちゃんが康二に話聞いて、考えを変えるまでかな。

渡辺ー阿部が変わらなかったら？

目黒ーん〜、一緒にはいられないかな。

渡辺ー俺より、阿部を大事にしろ。

コーヒーを飲みながら、話は続く。

渡辺が、向井に阿部と話すよう電話で言ってる。

向井は「何言うたらええねん」って言うから、渡辺と目黒が1番の友達だから、ヤキモチ妬かないということ。それを、どうやって、自分に納得させたか。

阿部が聞いてきたら、言ってみると向井は言う。