テラーノベル
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「お邪魔しまーす」
「邪魔するなら帰れよ〜」
「わー久しぶりだな〜ぐちつぼの家。俺どこで寝て良い?」
「リビングのソファか、俺の部屋のソファベッドか」
「部屋のやつで。」
「即答すぎるだろ。何が起こるかわからんから護身術とかどうにかしとけよ」
「あの青鬼の力が使えるなら大丈夫でしょ。つかゲームしようぜ」
「いいよー」
なんとなく日常と錯覚しそうになるけれど、俺達は得体の知れないバケモノ、青鬼に襲われたばかりだ。
そしてその青鬼は今、俺の中に居る。それだけですらもう何がなんだかわからない。
どうせなら、時間を操る力みたいな能力になってみたかったけどな。
面白そうだし、今の状況も『なかったことに』できるかもしれないのに。
―――ピンポーン。
「あれ、なんか頼んでたっけ…」
「俺出てくるねー」
「あ、お願いしまーす」
ゲームをしていた手を止めて、玄関に向かう。
ガチャッ
「はぁーい…誰?」
目の前には、黒い蝶ネクタイの知らない青年が居た。
「どうも、青鬼に選ばれた能力者の方。もう一人の方も奥に居るみたいっすね、お邪魔しまーす」
「っちょ、待て待て待て。あ、勝手に入んなよ…ぐちつぼー!!」
断りもせず家の中に入っていく青年を追いかけながら、リビングに居るぐちつぼを呼ぶ。
何なんだこいつは。
「何らっだぁ…って誰コイツ」
「え、知り合いじゃないの?なんか青鬼があーだこーだって言いながら勝手に入ってきたんだけど」
「知らん知らんこんな蝶ネクタイの奴。てか青鬼のこと知ってるってことはワンチャン敵じゃない?」
流れるように否定しながら、鋭い意見を投げかけるぐちつぼ。相変わらず頭がよく回る。
「いや違いますよ!俺はその青鬼に選ばれた人に『呼ばれた』から来たんです。敵とかじゃないすよ?」
「いや怪しさしか無いし。てか別に俺らはお前のことなんて呼んだことないんだけど?」
「え酷くないすか?事情を知ってる人に色々聞きたいって言ったのはそっちじゃないっすか」
俺とぐちつぼは数秒思考を放棄し、過去の言動を振り返った。
「言っ…てるわ。うん。いやでもそういうこと言う前に家宅侵入してくるのは違うだろ」
「それはすいません」
「謝罪早っ。てか、まず自己紹介とかしてくれん?そっちが俺らのこと一方的に知ってる状況怖いって」
「それはそうっすね。じゃあ改めましてこんにちは、ぴくとって言います!よろしくお願いしま〜す」
「ぴくとね、オッケー。俺はらっだぁ」
「俺はぐちつぼ、よろしく」
満面の笑みで挨拶をするぴくと。先程までの犯罪級の無礼が吹っ飛びそうだ。
「⋯んで、本題入りたいんだけど。なんで青鬼のこととか俺らのことを知ってるん?」
「まあー⋯俺ハッカーなんで、情報収集くらい余裕っすよ」
「余計怖いじゃん。じゃあ何?俺らが欲しい情報とかくれんの?」
「あ全然あげます」
「くれるんかい。…まあいいや、とりあえず聞いておきたいんだけど、俺らってどうすればいいの?」
「んー、そうっすねー、霊能者とかになるのが手っ取り早いんじゃないすか?」
「なにその人狼ゲームの役職みたいなやつ」
「まあ実質そんなもんすよ。世間的に存在が公表されてないだけで」
その言い方が既に闇バイトの勧誘みたいな雰囲気マシマシなんだが。
「もうなんかその情報から危ないやつやん。そんな簡単になれんの?」
「なれますよー。俺が紹介するんで」
「お前の紹介なんかよ。…具体的には何をすんの?その霊能者は」
「簡単に言えばRPGの冒険者みたいなもんすね。モンスターひたすら倒す感じの仕事です」
…モンスター?
「待て待て待て、モンスターって何?」
「え、らっだぁさん達が喰われた青鬼みたいなやつらのことっすけど」
「…は?あんなんが他にもいんの?」
「はい。まああれは特別格ですけどね」
平然と言い放つぴくと。
「…世界って広いな?」
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