テラーノベル
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あまね🍡💠
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エデンから脅迫メールが届いて翌日――。
都内に本社を構える大企業「東洋未来ホールディングス」。
社長、副社長、役員たちが緊急会議を開いていた。
会議室には重苦しい空気が流れている。
「……どういうことだ。」
社長が机を叩いた。
「裏金の証拠を握られているだと?」
副社長が青ざめた表情で答える。
「銀行から流出したデータを解析された可能性があります。」
「証拠も添付されていました……。」
役員の一人が震える声で言う。
「要求を受け入れますか?」
社長は首を横に振った。
「あり得ん。」
「テロ組織に屈すれば終わりだ。」
副社長が小さく呟く。
「しかし……。」
「家族のことまで書かれていました。」
会議室が静まり返る。
社長は深く息を吸った。
「警察と政府へ極秘連絡だ。」
「この件は絶対に外へ漏らすな。」
「はい!」
役員たちは慌ただしく動き始めた。
───
能力犯罪総合対策本部。
御堂の前には大量の資料が積み上げられていた。
「メールの送信元は?」
隊員が答える。
「海外サーバーを複数経由しています。」
「発信元は特定できません。」
別の隊員も報告する。
「銀行から奪われた現金も追跡しましたが、途中で完全に途切れています。」
御堂は腕を組んだ。
「計画的だな。」
「銀行強盗の時点で、ここまで想定していたのか。」
隊員が頷く。
「さらにSNSで新たな動画が投稿されました。」
大型モニターへ映像が映る。
黒い画面。
姿は見えない。
聞こえるのはヴォイアントの声だけだった。
『能力社会に絶望した者へ。』
『能力によって差別された者へ。』
『能力によって人生を奪われた者へ。』
『この腐った世界を変える覚悟があるなら、我々を探せ。』
『エデンは覚悟ある者を歓迎する。』
映像が終わる。
部屋が静まり返った。
御堂は静かに呟く。
「仲間を集める気か……。」
───
その頃。
イコル・ヤーレン博士は研究室で古い資料を広げていた。
表紙には大きく書かれている。
『ZERO 能力反対組織 機密資料』
博士はゆっくりページをめくる。
そこには十年前の写真。
若き日の蓬莱良樹。
そして、その横には博士自身も写っていた。
博士は目を閉じる。
「蓬莱……。」
「やはり、お前だったか。」
さらに資料を読み進める。
「ZEROの残党が……エデン。」
「ならば、次の標的は……。」
博士の表情が曇る。
「私だ。」
静かな部屋に、その言葉だけが響いた。
───
学校帰り。
湊と小春は並んで歩いていた。
「ニュース、毎日エデンばっかりだね。」
小春が少し不安そうに言う。
「うん……。」
湊が頷いた、その時だった。
白衣姿の老人が二人の横を通り過ぎる。
イコル・ヤーレン博士だった。
博士は湊の横を通り過ぎた瞬間、足を止める。
「……。」
一瞬だけ湊を見る。
だが、何も言わず歩き去っていく。
湊は首を傾げた。
「今の人……。」
「知り合い?」
小春が尋ねる。
「いや。」
「初めて会ったと思う。」
博士は振り返ることなく、小さく呟いた。
「……もう時間がない。」
───
夜。
小さなアパート。
一人の青年がスマートフォンを見つめていた。
画面にはエデンの動画。
青年は能力を理由に幼い頃から笑われ続けてきた。
「そんな能力、役に立たない。」
「ハズレ能力。」
何度も浴びせられた言葉が頭をよぎる。
ヴォイアントの声が静かに響く。
『能力社会に絶望した者へ。』
青年はゆっくり拳を握った。
「俺みたいな奴でも……。」
その瞳には、小さな決意が宿り始めていた。
───
その夜。
ニュース速報が日本中へ流れる。
『政府はエデンからの要求について、テロ組織とは交渉しない方針を固めました。』
その数分後――。
インターネット上へ、一枚の資料が公開される。
そこには政治家と企業の裏金の一部が記されていた。
日本中が騒然となる。
廃工場。
ヴォイアントは静かに時計を見つめる。
「カウントダウンは始まった。」
「世界は、変わり始める。」
第40話へ続く
コメント
1件
第39話、一気に緊張感が走りましたね。エデンの組織的な動きと、博士の過去が繋がった瞬間の「やはり、お前だったか」という台詞にゾクッとしました。そして湊と博士がすれ違う場面——「もう時間がない」という呟きが、これからの展開を予感させて切なかったです。弱い能力ゆえに傷ついてきた青年がエデンに惹かれていく描写も心に残りました。続きが気になります!