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以下の要素を含みます
・nmmn
・BL
・mtp(mtk×hrt)
・OD
・嘔吐(吐いてるのでセンシティブつけました)
上記の意味がわからない方・地雷の方は
ブラウザバックお願いします。
語彙力も文才も無いです。無理だと感じた際には御遠慮ください。
side hrt
脱衣所から出てきた元貴は目が虚ろで、生気の抜けた人形のようだった。真っ黒で何も映さない瞳がただ恐ろしかった。
その姿でさえ美しいと感じてしまう俺は、かなり手遅れなんだろうなと思った。
声をかけても反応しない。
彼は焦っているようだった。
なにかをボソボソと呟いている。
「痛い」
「苦しい」
「早く」
分からないけど、まずい状態だということだけは理解出来た。
元貴が走って行った部屋を覗くと、ぺたりとしゃがみこみ、必死に何かをしていた
心配になって覗き込むと、手には大量の薬。
全て、腑に落ちた。
元貴は俺が来ても気にしていない以前に見えていないようで、
その震える手で今にも薬を飲み込もうとしていた。
絶対に飲ませてはならない。本能がそう叫んている。
「何してんだ…………っ」
反射的に手を叩く。
薬が床へ零れる。
やっとこちらに気づいたのか、俺の顔を見ればこの世の終わりとも言わんばかりの顔をする。
今にも泣きそうな、全てに絶望したような、そんな顔。
「わかい…………?」
「何してんだよ、それ」
怒っている訳ではなかった。ただ俺も動揺していたのだろう。無意識に語気が強くなる。
「…………ヒュッ」
元貴の喉から変な音が聞こえる。
俯いてしまった彼をなだめようとした時。
「ッ……!」
無言で部屋を飛び出す元貴。
でも疲弊しきった体では力が出せなかったようで、すぐ俺は腕を掴むことが出来た。
side mtk
ODがバレた。脳内はその考えで埋まっていた。しかも同じメンバーである若井に。1番バレたくない人だった。
幼馴染でもあり、俺の人生の中で1番長く一緒にいた人と言っても過言では無いだろう。
彼の奏でる力強いサウンドや、クール系かと思いきや意外とお茶目な一面がある所。
若井と一緒にいると安心出来て、何処か不思議な気分になる。
だからこそ若井には迷惑かけたくないし、
一番バレたくなかった。
一心不乱に逃げる。が、もう僕に体力は残っていなかったらしく、追いかけてきていた若井に腕を掴まれる。
床に倒され、馬乗りにされる。もう逃げることは出来なさそうだ。万事休す、か
俺、どうなるんだろう。
周りから軽蔑の目で見られ、挙句の果てには…………
「かいさん、?」
そう思うと涙が溢れてくる。
「はっ、元貴?」
「ちょ、落ち着いて、解散はしないから、大丈夫」
そう言って頭を撫でられる。それだけで少し落ち着く。
「元貴」
名前を呼ばれるが、目を合わせることができない。
「ここじゃ場所悪いからさ、リビング行こうか」
もう大人しくついて行くことにした。
side hrt
遂に折れたのか、逃げること無くトコトコと付いて来た。
俺と元貴は机を挟んで向かい合って座る。
何から話そうか
「ねぇ」
元貴の肩がビクッと跳ねた
あぁ違う、怖がらせたいつもりは無いんだ
何とか落ち着かせようと元貴の隣に移動する。
「怒りたい訳じゃないんだ、ただ……話を聞かせて欲しい」
コク、と頷くのを見て、話を続ける。
「これ。元貴のだよね、?」
そう言って、空になったブリスターパックを見せる。
「…………」
手が震えている。上から包み込むように手を乗せる。
「ゆっくりで大丈夫、……元貴の、だよね」
「…………うん」
今にも消えてしまいそうなくらい小さな声だった。
答えてくれたこと嬉しくて、頭を撫でる。
「答えてくれてありがとう」
少し緊張が収まったのか、震えが小さくなっていた。
「これ、1回で飲もうとしてたの?」
「………………う、ん」
「……そっ、か、」
「それってOD、ってやつだよね、どうしてそんなこと……」
顔を見ると元貴の顔色がかなり悪くなっている。
「!体調、悪い、?」
背中をさすってみる。
すると今にも吐きそうなのか、口を手で押さえる。
「トイレ行こうか、立てる?」
元貴はコク、と頷く。
肩を貸してやって、ゆっくり立ち上がる。
side mtk
急に気持ち悪くなって口を手で押さえると、すぐ僕の異変に気づいてくれたのか、トイレまで付いてきてくれた。
やっとの思いで辿り着いて吐こうとしても、最近ご飯をまともに食べていなかったからかスっと出てこない。
「ッう‘’……んぐ…………」
「吐けない、?大丈夫?」
ずっと背中をさすってくれる若井。申し訳なさで胸がいっぱいになるけど、今は早く胃の中に溜まりに溜まった薬を吐き出したい。
「ん‘’ん‘’……ぅ……ッぐ」
苦しい、吐きたいのに吐けない。
「ちょっとごめんね」
「手は洗ってあるから」
そう言うと若井は口の中に指を突っ込んできた。
やめて、汚いよ。そう思っても指を入れられているからまともに喋れない。
その時、喉奥をグッ、と押される。
「?!……ッお‘’ぇ‘’…………ッ」
びちゃびちゃと錠剤が水の中に落ちていく。
「大丈夫?まだ残ってる、?」
数回頷くと、また喉の奥をグイっと押される。
「……ッう‘’、ぐ、……ッお‘’へぇ‘’……ッ」
「ッはぁ‘’……ッ」
「吐ききれた?」
幼子に話しかけるような優しい声で囁かれる。
「ぅ‘’ん‘’…ッ」
「良かった、」
そう答えると安心したのか、柔らかい声で
手洗ってくるから戻ってて、と言われる。
口をゆすいでから、リビングへ戻る。
少し経って、若井が帰ってくる。
「ちゃんと吐けて、偉かったね。」
さっきと同じく、また褒められる。何で、?こんな俺をなんで褒めるのか理解できない。
でも心が何処か軽くなった気がするし、深くは考えないでも良いか。
「でさ、元貴」
話を戻される。嫌われたくないなぁ、
「…………ッごめん」
勝手に口から謝罪の言葉がこぼれる。
「?なんで謝るんだよ」
「……だって、さっき吐いた時、指、汚した……」
若井は驚いたように言う
「何だそんなこと?」
そんなこと、ってなんだよ。気にしてるのに
「はは、俺のことは心配しなくても大丈夫」
また頭を撫でられる。暖かいな
「ていうかさっき吐いた時さ、錠剤と胃液しか出てこなかったよね」
「ご飯、食べてない?」
「……うん」
「それ…は大変だな、ちょっとまってて」
「?…うん」
若井がキッチンに走る。
少し待っていると、レンジの音が聞こえ、いい匂いが漂って来る。
「はいこれ、残り物で悪いけど」
美味しそうなご飯が目の前に置かれる。
食べていいの?と視線で問うと、笑顔で頷かれる。
久しぶりにちゃんとご飯食べたな……
「美味しい?」
「うん」
自分でも体力が少し戻ってきたように感じた。
食べ終わると、食器はそのままで話を続ける。
「元貴ってさ、なんでODしたの?」
痛い所を突かれて、言葉に詰まる。
「いいよ、ゆっくりで」
背中を優しくさすられる。
この手に触れられるとやっぱり変な気分になる。
話そう。最初から最後まで、全部。
そう思った途端、脳を劈くような痛みが頭を支配するが、
ちゃんと話すと決めたから、落ち着いて口を開く。
「さい、しょは頭が痛くて」
「うん」
「薬を飲んだら治ったんだけど、その次からは効かなくなって」
「うん」
「量を増やしたら効いたんだけど、次第に痛みも大きくなって」
「うん」
若井は俺の話を最後まで、口を挟まずに優しく聞いてくれた。
全部言い切った時には、既に頭の痛みは引いていた。
side hrt
元貴の話を聞き終わった後は、何で気づいてやれなかったのか、自分の不甲斐なさで胸がいっぱいになった。
気づけば、元貴のことを優しく抱きしめていた。
「辛かったんだね、元貴も。……でも薬は、もうやめようか」
「…………うん、けど」
「けど?」
「また頭痛くなったら、どうすれば……」
「……確かに考えてなかった」
「…………」
「元貴は、さ、薬に依存してたんだよね、」
「…うん」
「じゃあ、どうせ依存するならさ」
「俺にしない?」
「……………へ?」
今回も長かったですね
まだR18書けなかった😢
指を突っ込んで吐かせているのが好きなので、
もう少し吐かせる描写長くしたかったです
このまま解決しちゃうのか心配の方は安心してください。
ドロドロ共依存までちゃんと持っていきますので。
それではまた次回。