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6月1日___
いるまに告白された。どうしよう
俺っているまの事が好きなのか分からない
誘拐される前は学校で恋愛小説を読んできたけど正直面白くないし意味分からない事が多かった。告白されるとか絶対になかったのに
どうしようどうしよう
自分の気持ちが分からない
誰か教えてよ
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🍍「………はぁ…」
A3くらいのサイズのノートに日記を書く手を止めた。あれから少しだけいるまの事を意識するようになった。
もちろん、いるまはいつもと変わらず仕事に行って、帰って来て飯を食って風呂入って、週に2、3回俺とエッチする。
🍍「…あの人もどんだけ溜まってんだよ」
昨日の夜もシたし。最近いるまも隠さなくなったのか抱いてる時も 「好き」や「可愛い」と言うようになり俺はあの時の告白を思い出してしまい恥ずかしくて中を締め付けてしまう事もしばしばあった。
🍍「俺も…好きなのかな…」
そんな事を考えながら夜を過ごしていく。
夕飯を食べてる時いるまから告げられた。
📢「俺、明日から居なくなる」
🍍「……え?」
いるまが言うには彼が所属してるファミリーがらんと話してたファミリーの宣戦布告を買い昨日敵陣へと向かったらしい。だがほとんどの戦闘要員が怪我や重症を負い、勝ち目がなくなる可能性があるため戦闘力の強い人が呼び出されたらしい。その中にいるまにも先程連絡が来たと
📢「俺がどうやって帰ってくるかまだ分からないからな…」
🍍「………」
📢「まぁ、心配しなくてもお前はここから居なくならないと思ってるから___」
いるまが淡々と喋ってる時俺はいるまの袖を握った。
📢「……なつ?」
🍍「っ……
居なく…ならない…?」
俺の私生活より彼の安全を心配してしまった。俺なんてもう逃げる事もできないし逃げ出そうとも思ってない。ここに残る気だ。何より彼が無事に帰ってきて欲しい
そんな気持ちが届いたのかいるまは俺の顔を見ながら微笑んだ
📢「そんな顔しなくてもお前から離れないよ」
🍍「っ…!」
📢「てか、そんな寂しそうにされたら行きたくなくなるだろw」
自分がどんな顔をしてるのか分かってしまって少し気恥ずかしくなってしまった。でも強くてかっこいい彼なら帰ってきてくれるという気持ちが次第に大きくなり少しだけ寂しさが減っていった。
🍍「…気をつけてね?」
📢「あぁ、大切な愛人をここに残す訳にはいかねぇからな」
🍍「んなっ…」
俺の事を気にとめず彼は夕飯の残りを食べ始めてたから俺も夕飯を食べ始める。さっきより嬉しそうな笑顔になっているいるまに俺は気がつけなかった。
朝、いつも通りいるまは居ない
寝起きで働かない頭で昨晩を思い出してる時テーブルの上に置き手紙があった。
『こっちに来る手下共は居ないだろうから数日はお前1人だから気をつけろよ。インターホンが鳴ってもらんでも知り合いだとしてもあまり出るんじゃねぇぞ。
行ってくる。』
時間がなかったんだろうけど行く時位なにか声掛けてくれればいいのにと思いながら俺は部屋中に軽く掃除機をかけて洗濯物もする。
1つずつ部屋に入っていき最後にいるまの部屋に入れば紫が多めに入ってる家具やいるまの部屋の匂い。前に俺が眠れない時ここで一緒に寝た事を思い出させる。洗濯物をすれば俺が着ていた服と一緒にいるまのシャツや下着が出てくる。洗ってばっかで湿ってるがいるまの匂いがほんのり香る。
でも今日からアイツは居ない、いつここに帰って来るか分からない。
🍍「…あーあ、不安になっちまってるわ」
昨日いるまにあんな事を言ってしまった癖に何を思ってんだ俺は。
性欲発散の為に俺を使うアイツに、
好きなのか分からない微妙なアイツに、
俺を誘拐したアイツに。
🍍「っ…もう、考えんのはやめよ」
そんなことを言いながら俺はまた掃除に取りかかる。少しだけ入念にしてしまった事は気にしないフリをしておいた。
PM19:17___
いつもの様に俺は夕飯に取りかかる。鍋の中で味噌を溶かしながら隣で焼いてる2匹の魚を焦げないように少し見ていく。溶かし終えてから食器棚から2人分のお椀と皿を出しつつ遅いと感じながら時計を確認する。
🍍「…あっ……」
いつも俺のエプロン姿を見て真顔で抱きついて「充電中」とか言ってくるアイツは19時前に帰ってくるが今日から居ない事にまた思い出しつつ間違えて2人分の量を作ってしまった事に気づいた。
🍍「…明日の朝ごはんにするか」
そう言いながら紫かがった黒色のお椀と1つの皿だけを食器棚に戻す。どうせ1人だけだし椅子に座って食べて後でテーブルを拭くのは面倒だと思いキッチンで立って食べようと考えながら1人ため息を吐いた。
そんな生活から2日が経ったある夜___
夕飯を食べ終わり食器を洗っているとリビング中にインターホンが鳴り響いた。
リビングに設置してあるテレビドアホンを確認すると知っている顔が立っていた。
🍍「……らん?」
🌸『あっ!なっちゃん居たんだ!』
らんだと確認してから俺はドアを開ければパソコンを片手にご本人が部屋へと入った。
🌸「あっ!これ美味そう!食べんね!」
そう言って勝手にキッチンに置いてあった夕飯の残り物の煮物を箸で食べ始めた。美味い美味いと言ってるコイツはなんでここに訪れたのかと不思議に思いながら俺は食器の片付けの続きをした
🌸「なっちゃんはまだここにいるの?」
🍍「?うん……」
🌸「えぇ?俺だったら逃げ出すけどなぁ」
するとらんは持ってたパソコンを開きカタカタとなにか打ち込み始めた。
🌸「別になっちゃんが決めることだからいいんだけどさ?マフィアなんかに情を向ける必要なんかないんだよ?」
🍍「…!」
🌸「マフィアをしてる奴らなんて全員優しくなんかねぇし心も身体も腐ってる奴らばかりだからなっちゃんもそんな中の一人になって欲しくないんだよね」
淡々と話しながらパソコンを打っていく。
いるまやマフィアなんかに情を持ってはいけないのは事実だしらんの言ってることは正しいし間違っていない。でも俺はいるまが居るからここに居る。逃走なんてしたくない。 情を持ってる事になるけどこれが本音だ。
🍍「ありがとう、気遣ってくれて」
🌸「…………」
🍍「でも、俺はここに居るよ」(ニヒッ
少しでも安心して欲しくて、分かって欲しくて頑張って笑顔を向けた。少し頬がつってしまったかと思ったがらんは驚きつつ頬を少し赤らめてこっちを見ていた。
🌸「…いるまが好きになる理由が分かるなぁw」(ボソッ
🍍「ん?」
🌸「んーん、なんでもない!それより!」
そう言うとらんはポケットからスマホを取り出した。スマホを開けば電話のアプリをタップして沢山の名前が表示された連絡先をスワイプしていく。
🌸「今こっちはいるまが率先して動いてくれててさ?戦闘能力が強いアイツでも流石にキツそうでね」
🍍「!」
🌸「ちっとしたご褒美、あげな?」
そう言うとらんはスマホをこっちに投げてきた。画面を見れば電話マークと添えてある発信という文字と大きく書かれた『紫燈いるま』という文字。
🍍「…!」
🌸「元気つけてやろうぜ?」
(バンバンバンッッ!!!
(ザシュッ!!ザシュッ!!
「うぐっ…ぅぅッ…」(バタッ
📢「ッ…はぁっ…ふぅ…」
部屋中に漂う火花の煙さと血の臭い。地面に転がってる死体を見て疲れと少しの吐き気が襲ってくる。何年もマフィアをしていたって初期よりかはまだマシだが人の死体は未だに慣れきっていない時がある。
📢「あとッ…何人だよ…っ」
見回ってみれば部屋から廊下に繋がる所から銃声と人の叫び声や悲鳴が聞こえてくる。聞く感じだとまだ100人以上はいるはず。
📢「ッ速く終わらせっ…!」
直ちに仲間の元へと急ごうと足を踏み出した時ポケットが振動した。こんな急いでる時に誰からかとスマホの画面を確認すれば『桃李瀬蘭』という文字。こんな時に呑気と電話してくるアイツにムカつくが丁度いい、今の状況を報告しつつ助けで呼ぼうと電話に出た。
🌸『おっ、今日は出てくれたんだ! 』
📢「おいッ!らん!そんな事より速くこっちに来てくれねぇか?」
電話越しでも呑気なこいつに少しムカついてた気持ちがどんどんヒートしていく。今ならそっちに向かってぶん殴って敵陣に放り出しても良いくらいには
🌸『お疲れ様だね!ほら!早く早くっ』
📢「何独り言喋ってんだ気持ち悪ぃ、こっちは暇じゃねぇんだからっ…」
🍍『ぁ…いるま…?』
📢「っ!!…なつ…?」
電話越しに聞こえてくる家で帰りを待ってくれてる愛おしいアイツの声が聞こえる。少しだけムカついてた気持ちが晴れた気分だ。
🍍『っ…早く…帰って来てねっ…?』
耳に残る弱々しく優しい声に気持ち悪かった気分やドン底まで暗くなっていた気持ちが無くなり次第に早く帰りたい気持ちが芽生えていった。
📢「っ…な、つ……」
そんなことを考えてて気づけなかった。
後ろからの襲撃に。
「ッ!!死ねぇッッ!!!」
📢「っ!!!」
プツッ____
🍍「…え?」
🌸「っえ?おいッ!?いるま!!」
いきなりスマホから叫び声が聞こえてから電話が切れる。画面を見ればもう暗くなっていているまから切ったことが分かった。
🍍「っ…いるまッ…!!」
🌸「マジでやばい事になってんなッ…!俺もそっちに向かうからなっちゃんはここで大人しくしてて!!」
そう言ってらんは家から出て行った。
🍍「いるまっ…いるまッ…!!」
そんな事よりいるまが少しでも元気になって欲しくてやった自分の行動が危険をさらされる自体にさせてしまった事に不安と後悔と辛い気持ちが入り交じって涙が出そうになった。
もし彼がボロボロな状態で、もし死んだっていう報告が俺の元に来てしまったら。そんな考えと想像が出てきてしまい不安が押し寄せてくる。
🍍「っ……!!」(ギュッ
怖くてたまらなくなり俺は慰めるように自分の身体を抱きしめて大人しく待っていた。
それから数時間が経ったのだろう。
俺は怖くてずっと部屋の隅で1人うずくまって居た。時計を見れば今は深夜1時、眠れるはずもなく目も冴えてしまっていてずっと起きるしか考えていなかった。
(ピーンポーン…
そんな時、再びインターホンが鳴った。俺は震える身体を何とか動かしてテレビドアホンを確認する。画面を見れば戦場から帰ってきたのだろう、らんが立っていた。
🍍「っ…!!らん…!」
🌸『あっ…開けてくれないか!?』
少し焦り気味ならんの姿にこの後言われることに少し怖さを感じながら玄関へと進み閉めていた鍵を開けた。
🍍「……え?」
この時の俺は必死であの手紙を思い出せなかった。
『インターホンが鳴ってもらんでも知り合いだとしてもあまり出るんじゃねぇぞ。』
「コイツを取り抑えろ」
黒いスーツの男が指示を出した途端後ろに居たもう1人の男に腕を捕まれ床に押し倒された。
🍍「っ!?うがッ…!!」(バタッ!!
「…へぇ?お前可愛い顔してるじゃん? 」
指示を出した男に顎の下を捕まれ上に向かされる。見た事ない顔と服装にマフィアの敵陣だと今知り、一気に恐怖が昇ってきた。
「お前、正直に言え?紫燈いるまはあの書類とメモリーカードをどこにやった?」
🍍「っ…知らッ…ないっ…」
本当に知らない情報だった。いるまはあまり仕事の内容なんて話さないし俺が聞いたのはらんと知り合ったあの時の宣戦布告位だった。すると聞いた男はこめかみに皺を寄せてムカついたのか俺の顎を掴む手が少し強く握りしめた。
「おい、本当の事言わねぇと殺すぞ」
🍍「っ…本当にッ…知らないっ…!」
「先輩、本当に知らないんじゃっ…」
「うっせぇなッ!!少しだけでも情報は収集しといた方が良いだろッ!!」
そんな上から聞こえるやり取りを横耳に俺はいるまが無事なのかという不安で押し潰されそうになる。
「っもういいッ!!コイツを人質にして聞き出せばいいッ!!」
🍍「っひ…!!」
「…良かったな?お前?直ぐに殺されずに俺らの玩具になって貰ったんだからな?w」
そう言うと男達は俺を無理やり立たせて外へ出そうとする。そんな俺は怖くても残ってる力と体力を使って必死に踏ん張った。
「っおい!!早く歩けっ!!」
🍍「っ…嫌だッ…!!」
「生意気なッ!!早くしねぇとぶっ飛ばすぞッ!!」
🍍「っ嫌だッ!!離せッ!!!」
そんな事言いながら少しずつ体力が奪われていく。そろそろ限界だった。
「っ…テメェッ…!!」
そう言って男は俺に向かって腕を振り下げた
ドゴンッ!!!
「っかはッ…!?」
🍍「ッ…え…?」
「んなっ…!?」
すると俺じゃなくて後ろに居た腕を抑えてた男がゆっくりと倒れてく姿があった。
📢「っ…なつッ…!!!」
横を見れば離れた所にスーツも身体にもきり傷があり頭から血を流してボロボロないるまが居た。右手には拳銃を握りしめている。
🍍「っいるまッ…!!」
「っお前ッ!!生きていてっ…!!」
📢「必ず帰ってくるって約束したからなッ…」
ボロボロにも関わらずそう言って俺に優しい笑顔を見せてくれた。そんな姿に俺はさっきの後悔と生きていた安心感で涙が溢れ出る
「っ..もういいッ!!先にコイツを殺してやるッ!!」
男はそう言うと俺の首に腕を巻きこめかみに拳銃を当てた。拳銃からは銃弾を構える音がした。
🍍「ぁ…うッ… 」(ポロポロ
📢「っなつッッ!!」
全てがスローモーションに見えた。
俺に拳銃を向けてきた男は撃たれたのかゆっくりと倒れていく。持ってた拳銃は俺の頭には向けていなくて俺は無事だった。
だが男の拳銃の先には横に離れて居たいるまの先へと向いており見ればいるまもゆっくりと後ろへと倒れていく姿があった。いるまの胸にはスーツに赤い血が滲んでいた。
🍍「っいるまぁ゛ッッ!!!!」
コメント
5件
え、ちょっと何が起こったか理解できない(理解したくない)
📢くん死なないでぇ(´•̥ω•̥`)
待ってぇ…まに📢…死なないでくれ…