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🍍「っいるまッ!いるまぁ‪”‬ッ!!」

倒れてるいるまの元へと急いで向かう。胸元を撃たれ血がシャツを滲ませていて、彼の顔を見れば苦しそうな顔で荒い呼吸をしていた。

🍍「っ…待っててッ!らんを呼ぶからっ」

📢「っ‪”‬…な、つ…ッ…」

苦しそうにしてるいるまを無視し、俺はいるまのポケットからスマホを取り出しらんの電話番号を探す。そんな姿のいるまを放って置くほど俺は酷い奴じゃない。

🌸『なつ?!いるまは!?』

🍍「らんッ!!いるまが怪我して…!!」

🌸『分かった!今向かう!!』

そう言って通話が途切れた。

📢「っ…はぁ…ぅ‪”‬ッ…」

🍍「っ…いるまッ…!!」(ポロポロ

彼の手を触ると冷たくて血でベタついててほんの少しだけ震えていた。このままだと死んでしまうんじゃないかと思ってしまい俺は彼の身体を包み込むように抱きしめ体温を分けようと必死になった。

🍍「いるまッ…死なないでっ…」(ポロポロ

📢「ッ‪”‬…し…な‪”‬ね…ぇよっ…」

俺の声が聞こえたのか少し残ってる力で俺の背中を撫でてくれた。いるまに抱きついたり背中を撫でてくれたりして顔や着ていたシャツに血が着き赤くなった

📢「っ‪”‬……ぁ…ッた‪”‬…けっ…w」

🍍「いるま……?」

📢「…ご…め‪”‬っ………」


そう言うといるまがさすった手が俺の背中から落ちた。顔を見ればもう目は閉じていて呼吸も止まっていた。

🍍「いるまッ…!!いるまぁ‪”‬ッ!!」

🌸「なっちゃんッ!!いるまッ!!」

するとタイミングが良いのか悪いのか奥かららんが走ってくるのを見かけた

🍍「ッらんっ!いるまがッ!」(ポロポロ

🌸「っ大丈夫だからッ…!もう救急は呼んであるから泣くなっ!」

そんなの無理だ。出さないように押さえ込んだって溢れ出てくるんだから

らんはいるまの胸辺りに耳を当て、確認が終えたら首あたりと手首に手を当てる。

🌸「大丈夫、死んでない」

🍍「っ…!」(ポロポロ

🌸「胸に埋まってある銃弾を除去して寝かしてれば絶対に起きるから」

🍍「ッ…い…るまっ…」(ポロポロ

ずっと泣いている俺にらんは慰めるように俺の事を見守ってくれていた。










夜が明けて空が明るくなった頃

病院にて彼が手術してる長い時間を待つ。

🍍「………」

🌸「……あぁ、…こっちも大丈夫」

俺は設置されてた椅子に座り大人しく待ち、らんは誰かと通話をしている。溢れ出ていた涙は枯れてしまったのか止まり泣き跡と目の下に隈がついていて、寝ていないため体力も消耗しつつあった

🌸「…なっちゃん、疲れたでしょ?まだ時間かかるから寝てなよ?」

🍍「ッ……やっ…」

🌸「いや…嫌って言われても」

🍍「俺も起きてられるから…」

何言っても意地張ってる俺にため息を吐く。

(((パチンッ!!

🍍「い‪”‬ッ…!!ん‪”‬ぅ‪?!」

すると俺の前に立ち両手で俺の頬を叩くように掴み上に上げさせられた

🌸「そんな顔でいるまと会うんか?」

🍍「っ!」

🌸「なっちゃんの事が大好きないるまにこんなボロボロな姿を見せつけるんか?」

怒鳴りはしないが明らかに心底ムカついてるような顔をしながらこっちを見ていた。

🌸「少なくともいるまは泣いてるなっちゃんより笑ってる姿の方が見たいと思うよ?」

🍍「っ……」

🌸「…アイツさ、なっちゃんが来てから明らかに変わっていたんだよね」

🍍「…?」

🌸「顔は変わらないけど柔らかくなって少し笑顔も増えて、残業なんか会社じゃなくて自分の家でやりたがるし」

🍍「……」

🌸「他の構成員もカポも驚く程だからな?自分が置かれてる立場、分からない?」

🍍「っ…いるま…」

🌸「誘拐されたとしてもアイツはなっちゃんの事すっごい愛してるんだよ」


らんからの話を聞きながら思い出す。

乱暴な所もあるし無頓着なのに少しだけ甘えれば仕方なく構ってくれる所

俺が食事を食べてる時や寝てる時、優しい顔をして見守ってくれてる所

俺の話を聞いてくれてたまに乗ってくれる所

夜、俺の事を優しく抱いてくれる所


📢「___なつ?」(ニコッ

たまに俺にしか見せない笑顔をくれる所


🍍「っ…ぅ…」(ポロポロ

🌸「あー、もう泣くなよ…」

そう言ってらんは背中をさすりながらまた俺の事を見守ってくれた。



不安な気持ちを残しながらいるまの手術を待ってると、緑に光ってた手術中のライトが赤へと変わった。

🍍「っ!!」

🌸「!…いるま……」

扉を見れば担当してくれた先生みたいな人が出てきて、俺らを見つけてはすぐ駆け寄ってくれた。

「……無事、終わりましたよ」

🍍「っ本…当…?」

「はい、命に別状はありませんでした」

嘘偽りのない素敵な笑顔を向けて言ってくれた。

医者によれば撃たれた胸以外にも頭もどこかでぶつけ、足も折れてる所もあったらしい。でも治療した際受け身等をしっかりしていたからかそこまで重症を負ってなかった為命に別状はなく、彼が眠り続けるのもそこまで長くないと言ってくれた

医者からの説明を受け俺は安心して足の力が抜けて座ってしまった

🍍「ッありがとうございますッ…」(ポロポロ

🌸「なっちゃんっ…w、

俺からもありがとうございます!」

2人で御礼を言えば担当医からいるまが寝ている部屋へと案内され内心急ぎながら歩いた。


案内された部屋に入ればもう朝方なのか太陽が昇っていて陽の光が部屋を明るく照らしていた。真っ白いベッドを目にし中を覗けば頭に包帯を巻いて寝ているいるまの姿があった

🍍「!!いるまッッ…!!」

近くまで駆け寄って見れば頭に包帯を巻いてる他に腕や首、胸元にも巻いており見ていてあまりにも痛々しそうだった。

その分、仕事で怪我してるのに俺の為に家まで駆け寄って帰って来て守ってくれた優しさを感じてしまい嫌になるほど何回も溢れて止まらない涙が出てきてしまった。

🍍「ッ…ぃるまぁ‪”‬っ、起きてよ‪”‬ッッ…!!いるま‪”‬っ…!」(ポロポロ

ちゃんと謝りたい。起きてる彼に向かって

🌸「…なっちゃん、大丈夫だから」

「…では、私はこれで失礼致しますね。何かありましたらナースコールを」

🌸「あっ、すみません…! ありがとうございます!」

(ガラガラガラ…


🍍「ッッぐすっ…いる‪”‬まぁ‪”ッ…ふっぅう‪”‬ッッ…ぃ…るまぁ‪”‬ッ…!!‬」(ポロポロポロ

俺は彼の手を握りながら名前を呼び続けた。どんなに呼んだって泣いたって直ぐに起きやしないのに。

🌸「…早く起きてやれよ、阿呆」(ボソッ

そんな俺の姿を見てらんは苦しそうにこちらを見ていた。








いるまが眠ってから3日が経った。

それから俺は朝からいるまの元へ行って眠る彼と1日一緒に居るようになった。いるまはなかなか起きてくれないし本当に生きてるのか怖くなって泣くこともあった。 そんな姿を担当医が見かけてくれたのか優しく声をかけてくれている。

「きっとお仕事の疲労が溜まってて眠りが長いんですよ」

そんな担当医の言葉に甘えながら俺はまた彼の病室へと向かう。病室の扉へと手にかければやっぱりずっと眠っている彼の姿。最近は頭と胸と足以外は少しずつ治ってきたのかガーゼや巻いてた包帯が取れてきてる。初日につけてた呼吸器も取られてあって本当に生きていて眠ってるだけだと分かる。

🍍「はやくッ…起きてよっ…」

お前に言いたいことが山ほどあるんだ。

俺を守ってくれた感謝と謝罪を。

きっとキツかった闘いを終えた彼に出迎える言葉を。

ずっと分からなかったこの想いを。

起きて欲しくてずっと彼の手を握りしめる

🍍「ッいつまで寝てんだよッ…」

いつの間にか枯れていたと思っていた涙が出てきた。


📢『お前、泣き虫だなw___』

きっと起きていれば彼はそんな言葉を俺に言って怒られてるんだろう。でも本当に自分でも分かる程の泣き虫っぷりに心底笑えてきていた。

📢『泣くなよ?目、腫れちまうだろ?』

眠れない俺と一緒に眠った時に彼はタオルを目にかけてくれていた。

優しい顔で、暖かい手で、聞き馴染んでた声で。

こんなタオルより彼の顔と声が大好きで、馬鹿みたいに甘えていた。

今もそんな前の記憶が俺の脳裏にこびりついてる。

🍍「早く、帰ろうよッ…」

🍍「ひとりぼっちはもう嫌だよッ…」



🍍「ッ…俺もッ…好きだよっ…」










📢「___……」

🍍「ッ起きてくんないのかよッ…」

恋愛ドラマや漫画みたいに涙を流しながら好きだと言ったってそんな簡単に起きてくれない事は分かる。俺だってちゃんと現実を見ているのだから。

でも、今はそんな甘えを使わせて欲しい。

そんな事を考えながら俺は今日も彼の傍で涙を流しながら寄り添っていた。









🍍「……んぅ?」

いつの間にか眠っていたのだろう。周りを見渡せばとっくに外は暗くなっていた。病室の椅子に座ってたがいつの間に眠っていたのか病室のベッドの上だった。きっとらんか担当医の人がここに連れて行ってくれたのだろう。涙を流したため顔は腫れていて動かしずらかった。

するとちょうど良くかかってたカーテンが開いた

🌸「あ、なっちゃんっ! 」

🍍「っ…らんッ…」


🌸「いるま、起きたよ!」








らんからの嬉しい報告を聞き俺はいるまの居る病室へと走って向かった。

🍍「っ…いるまっ!!!」




📢「___なつ、?」

さっきまで寝ていた彼は今ベッドの上で座りながら窓の外を見ていた。

俺は嬉しくて怪我をしてるいるまなんか放っておいて彼を勢いよく抱き締めた。


📢「ぅ‪”‬ぐッ!?っいってぇ‪”‬…w」

🌸「ちょっ…なっちゃんっ!嬉しい気持ちは分かるけどいるま怪我してんだからっ!」

🍍「いるまッ…いるま‪”‬ぁ‪”‬ッ…!!」(ポロポロ

📢「ははっw、心配させてごめんな…?」

そう言ってまた暖かい手で俺の頭を撫でてくれた。そんな温もりが俺の心臓をキツく握られてるような感覚があり涙が止まらなかった

🍍「何笑ってんだよっ!最っっ低ッッ!何が愛人を残す訳にはいかないだよッ!」(ポカポカ

📢「だからごめんってw、弱いって聞いたからちょっと甘く見てた…w」

📢「てか、そんな約束まだ覚えててくれたんだ?そんなに嬉しかった?w」

🍍「〜〜〜ッッッ!!!//////、 っざけんなッッ!死ねッッ!でかちんッッ!」(ポカポカポカ

📢「かーわいいっ♡w」

叩く俺を無視して彼は抱き締めてくれた。久しぶりに感じた体温と彼の匂いにまた心臓が苦しくなった。

🍍「ッ…ごめんなさい‪”‬ッ…!」(ポロポロ

📢「?何が?」

🍍「ッ外にっ…出んなって言われたのにッ…出ちゃってっ…グスッ…いるまの事、無理させちゃってッ… 」(ポロポロ

📢「!…大丈夫、大丈夫だから、泣くなよ?w な?」

いるまは笑いながら親指で涙を拭う。

📢「…流石に俺も家まで押し寄せて来るとは思わなかったしさ?何よりお前が無事ならそれで良いんだ」

🍍「ッ俺が良くないのッ!怪我聞いて本当に無理させてたんだからッ、俺がっ…」

📢「なつ、そんなに責めんな」

🍍「っ…!!」

いるまは真剣な顔で俺の目を見て言うと直ぐにふわっと優しい顔に戻った

📢「お前は優しいから全部背負うとするけどさ?今回は本当に誰も何も悪くないんだ」

🍍「っ……」(ポロポロ

📢「強いて言うなら外に出たお前も悪いっちゃ悪いかもしんねぇけどさ?家が安全地帯だって思ってた俺も考えが悪かった」

📢「だから、これはお互い様だw」

🍍「ッ…それで、良いのっ…?」

📢「そう言わねぇとお前ずっと泣き続けるだろ?w」

ずっと泣いていて手のかかる俺にいるまはこんなにも優しくしてくれている。 泣いてたって、後悔したって、起きたもんはしょうがないと励ましてくれているように聞こえた

🍍「ッ…ごめんなさい‪”‬っ…」(ギュゥゥッ

📢「ん、俺もごめんな?」(ギュッ





🌸「…俺がいる事忘れてない??」

🍍「……あっ、ごめん」

📢「いや、忘れてねぇけど覚える必要もねぇかなって無視してた」

🌸「おい1歩間違ったら虐めだからな?」

📢「てかお前も出てけよ、少し考えれば今、俺らの時間だろうが」

🌸「えっ?あっ、なんかごめん…」

🌸「いや、これ俺が悪いん???」






らんを追い出した後、俺は病室に残っているまと話をした。久しぶりにいるまと話す時間は空白だった俺の心を埋めてくれるように満たされていく。

📢「…俺が居ない時間、寂しい?」

🍍「…!…うん、 」

担当医に聞けば全治してからリハビリをしてみて特に怪我の悪化や身体が動けなくなる事がなければ最低でも6ヶ月は入院らしい。

📢「そっか、お前のためにもスマホとか用意させた方がいいかもなぁ」

🍍「……」

📢「何か欲しいもんがあれば部下に言っとけば用意はしてくれるしさ、」

🍍「ねぇ、」

🍍「逃げ出すって考えはしないの?」

話を聞いてて、疑問に思った事を彼にぶつけた。最初からずっと外からの連絡をさせないようにスマホは取り上げられて家には電話もないような空間に居させたはずなのに

📢「…俺さ?寝てる時聞こえたんだよね」

🍍「え?」

📢「俺の事が好きだっていう声が」

📢「お前の声、聞こえてたけど?w」

🍍「……ぅえ???////////」

泣いててあまり気にしてなかったいるまへの告白を思い出し恥ずかしさが出てきた

📢「ふっはw、ビンゴじゃんw」

📢「そんな事言われたらさ?何をしたって、渡したって離れないって思うじゃん?」

🍍「ッ…最低っ…////////」

📢「自滅だから俺悪くないだろっw」


🍍「……ねぇ、」

📢「……」

🍍「ッもう、バレてるかもだけどさっ」

🍍「ッ俺、いるまの事っ…」





好きだ___







俺は告白の言葉を口にしようとしたら、

彼は俺の唇を自分の唇で塞いだ。


🍍「ッ…いるま…?///」

📢「…なぁ?約束してくんね?」


📢「まずさっ、今は告白はしなくていい」

🍍「…えっ?」

📢「俺が退院したらさ、どこでもいいから また言ってくれないか?」

🍍「ッ…!!」

📢「あとは、お前、これから家にひとりぼっちになるけどよ? 俺、早く退院できるように頑張るからさ、」







📢「帰ったら、6ヶ月分エッチしよ?」

🍍「っ…/////////」

📢「…それじゃ、ダメか?」



🍍「ッわかったっ…///」

📢「!!…ん、約束な?」


そう言って俺らは互いの小指を絡ませた。


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