太中
五感損失
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中也が死んだ後、中也を抱えて森さんの場所まで持って行った
森さんは冷静だった
首領執務室のソファーにそっと彼を置きながら、「一ヶ月だなんて嘘なんじゃあないのかい?」と聞いた
そしたら森さんは一寸驚いた顔をして、少し嗤って頷いた
私は内心驚いたが
「そう」
とだけ云って素っ気なく返した
きっと私を気遣っての行動だろう
其のあと、大きな葬儀が行われた
勿論、悲しみはあったが、余り感情が出なかった
その後も、何時も通りに出勤して、何時も通りにサボって、何時も通りに入水して、怒られて、何時も通り家に帰ったらお酒を煽って、何時も通りに過ごした
ふと、思った
本当に不意に思った事だ
“私中也が居なくても生きてられるのか”と、
そう思った瞬間胸が苦しくって
急激に自分の首を絞めたくなって
誰かに首を押さえつけられてように思えて
骨五月蝿い
苦楚
苦しい
憂き目
窮愁
消えたい
困窮
煩い
死にたい
痛い
苦艱
と言っても足りなくて
私の気持ちを埋めることも出来なくて、私は私自身の首を絞めた
段々と意識が遠くなっていくのを感じたが、もう何も思わなくなった
誰にも助けを求めず、自分の首を絞めて、ただ、静かに死んでゆく
私も彼みたいに綺麗に死にたかった
最後に思ったのはこれだけだった
後に部屋の床に転がるのは、自分の死体だけになった
遺書も書かなかった
望まなかったし、書く必要がなかった
その後の事は知らない
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お疲れ様でした
無理矢理BADENDにしてみました
話変わりますが、前髪切り過ぎてオン眉になりました…
最後まで見て頂きありがとうございました