tg視点
朝の教室って、やっぱりちょっと苦手。
昨日、あっとくんと帰ったせいで……いや、せいっていうのは変だけど、
どうしても気になっちゃって。
今日の数字、「815」
目が覚めた時から、ずっとそのまま。
tg(また、上がってる……)
いつもより早く教室に着いたのに、
もうあっとくんは来てて、窓際の席で静かに本を読んでた。
なんか……自然体なのに、目が離せない。
tg(……見ないようにしなきゃ)
でも、気づいたらまた見てた。
あっとくんがページをめくる、その指先とか、
ちょっと前髪をかき上げる仕草とか、
どれも全部、ずるいくらいかっこよくて。
「ちぐ〜、おはよ〜」
クラスの子に声をかけられて、ビクッてなる。
声が裏返った。
tg お、おはよ!
tg(見られた……?)
急いで下を向くと、頭の上に浮かぶ数字が「818」になってて、
思わず額を手で隠した。
tg(ダメだ、これ以上は……)
最近、教室にいるだけでそわそわする。
あっとくんの目を見られないし、でも見たくなるし。
それってきっと、よくないことなのに。
放課後、掃除の時間。
at ちぐ、黒板係だったよな?
いつのまにか隣に来てたあっとくんに、また心臓が跳ねた。
tg えっ、あ、うん! そ、そう!
声が上ずってるの、またバレてるかも。
恥ずかしくて、黒板消しに逃げたくなった。
at 俺、こっちの机動かすから。そっちは任せた
そう言って、ひとりで机をずらし始めるあっとくん。
なんでもない声。いつもの声。
なのに、なんでこんなにドキドキするんだろう。
tg(……あっとくんの声、好き)
tg (って、なに考えてんの俺っ!)
黒板にチョークの跡を残しながら、
自分の思考にびっくりして、また「819」に増えた数字が、
ふわっと自分の視界の端に揺れた気がした。
tg(お願い、誰も見てませんように……!)
あっとくんがこっちを見た気がして、
慌ててそっぽを向く。
at ちぐ?
tg えっ、な、なに?
at いや……顔、赤いなって思って
tg(うそっ)
今、絶対見られた。
tg ち、ちがっ赤くないよ! ほら、暑いだけっ
必死に言い訳をする自分が、ますます恥ずかしかった。
掃除を終えて、急いでカバンを持った。
tg じゃ、じゃあ俺、先に帰るねっ!
at あ、ちぐ――
あっとくんの声を背中に受けながら、
逃げるみたいに教室を出た。
tg(なんで、こんなにドキドキするの……)
tg(避けようと思ってたのに、気づけば目で追ってる――)
気づきたくなかった気持ちが、
だんだん、自分の中で大きくなってるのがわかる。
でも、言えない。
あっとくんには、ぜったい。
だって……数字を見られたら、全部バレちゃうんだもん。
♡▸︎▹︎▸︎▹︎2000
コメント
5件
指を犠牲に2000頑張りました!次も待ってます!!
続きが楽しみ♪