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────── にきしろ です 。せんしてぃぶは無し。
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──────
空が綺麗だ。輝いている。太陽、より眩しい俺の太陽、なんて。くっさいこと言いたくは無いな。なぁ、俺はお前の月でいられとるかな。
「 おいニキ 。 そこ間違っとる。」
今数学で躓いているのは俺の幼馴染のにき。
もう嫌だと叫び散らかす様子が、なんとも面白くて楽しい。こいつより数段頭のいい俺が、なんでこいつと同じ高校にいるのか。そんなの俺が追いかけたに決まってる。1人になるのが怖い俺にとって、いい隠れ蓑であり友だったから。
「 やからこうやって 、 何度も言っとるやろが。 」
「 しーーーらねぇよ! その最初がわかんねーの。俺は!!!! よし、ゲームしようぜ」
ペンも匙も投げやがった。正直ニキとゲームなんで毎日のようにやっているが、こうなったこいつはテコでも動かないから。少しだけ付き合うことにした。
あーだこーだといいながら、ゲームを長時間やってしまった。外を見るともうかなり暗い。
「 泊まってくか。 」
「 もちろーーん。 」
いつも通りの緩い会話を交わし、熱中して顔に熱が溜まったから俺はベランダに出る。外に出ると寒い。そういえば今日は満月だったな。綺麗。そんなことを考えていると、ニキが横に来た。
「 さっむ、馬鹿じゃねぇの。マジで馬鹿だろ。 」
ぎゃんぎゃんと騒がれ、喧しいと口を開こうとした時。
「 なぁ、月が綺麗だよ ぼびちゃん。 」
そいつは月なんか少しも見ず、俺の顔を見て言った。熱を逃がそうと外に出たのに、突然のことに先程より強い熱がたまる。
「 は? な、ん。 なんやねん。 」
困った。これしか返せない。するとニキは、ゲーム中とは別人のように笑って。
「 夏目漱石 。お前なら知ってんだろ 。」
ILoveYouの訳を。さらに遠回しに伝えてきた。それが、俺の胸の奥まで届いた。じんわりと熱くなって、今度は身体中が熱い。数十秒の沈黙。ニキは勝利を確信したような目で俺を見つめ続け、俺は逸らし続けた。そして、潰れたような小さな声で。
「死んでもいいわ。 」
そう、そうこぼした。これは二葉亭四迷がロシア語のYours(あなたのものよ)を訳した言葉だ。俺にしては、洒落た返しができただろうか?満足そうに微笑むニキの顔を見て、どうでも良くなった