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グロ、エロ、 殺人表現あり


❤️💛











疲れた……さ、帰ろうかな。


目の前の死体に痕跡を残さないように。

………うん、大丈夫そう。


暗く人通りの少ない道を抜け、空とは対照的に人工の光で明るすぎる大通りへ出る。先程の暗闇との明るさのコントラストに目が少し痛い。


今日は何食べようかな、作るのはめんどくさいな。コンビニに寄って何か買うか。ちょっと贅沢しちゃおっ、


そんなことを考えながら、いつもより軽い足取りで向かっていく。


スクランブル交差点。人でごった返しているから都合がいい。人混みをかき分けて信号待ち、そのとき、男の目には1人の人間が写った。







「かわいい……」







その声は、人混みに紛れて消えていった






スクランブル交差点。明るすぎる人工的な光のせいで星がひとつも見えない。


昼よりも人でごった返していて正直気分が悪い。 バイト帰りの重い足取りで何とか体を動かす藤澤涼架は、交差点で一際目立つ大型ビジョンに目を向けた。


「……都内で発生している連続殺人事件について警察は……」


またこの話題か。日本にもこんな奴がいるんだな。


なんて、同じ東京に居るはずの連続殺人鬼に恐怖も覚えず、そのまま青になった信号の指示に従った。


明日もバイトか…借金もそろそろやばい、返さないとな、……


同性であった元恋人に連帯保証人を求められ、当時の馬鹿な俺はそのままOKをしてしまった。これが全ての元凶。


その後はもう大変だ。目玉が飛び出る金額の借金を押し付けられ、俺は違うと逃げようとしても契約書の判子が俺のものと言われ借金の日々。


そう過去の苦い思い出を再生していた時、後ろから声が掛けられる。








「あの……!俺、貴方のこと、……好き、です、、、、!!」


「……は???」









……何言ってんだ?こんな人混みの中で。周りは青信号の為進んでいるのに俺たちだけ止まっている。色々な人が迷惑そうに見てくるが正直それどころでは無い。


こいつ、男だよな……?いや、俺もまあゲイだけど。元彼のせいでこんな散々な日々を過ごすようになってから、同性はもちろん、人を好きになることを辞めた。


身体の欲は満たされないがそれでいい、人を好きになることが何よりの恐怖だった。








……でも、久々にいいのかも。








って、何考えてんだ。俺。最近は自慰ばっかだから?生理的な欲求が思考を滞らせる。


しかし不思議と、目の前にいる正体不明の男に嫌悪感は抱かなかった。むしろ初めて元彼にあった時のあの……分からない、感情。


「とりあえず移動しましょうか、邪魔なので」


「え、あ、はい……?」


そう言って逸れないように手を掴まれ、スタスタと歩いていかれる。


久しぶりに感じる人の温かみ。少し、ほんの少しだけ鼓動が早くなった気がした。













「急にごめんなさい……!あの、お名前、聞いてもいいですか……?」


「え、と…藤澤涼架、です、、」


特に嘘をつく理由もないし、そのまま本名を話す。


「涼架、涼架ね!じゃあ涼ちゃんって呼ぼうかな〜」


「僕の名前は大森元貴。好きなように呼んでくださいっ」


「あ、、はい……、、その、どうして急に……」


大森元貴、と名乗る者にここまで連れてきた意味を説明してもらう。


「その……俺、一目惚れしちゃったんです!涼ちゃんに!!!」


「……はあ、、?」


「お願いしますっ!!!」


いやいや、何これ。そもそも初対面で告白なんてかなり頭がおかしい人なんじゃないか?

やっぱり帰ろう……そう思い大森さんに背を向けた時


「……お願いします、、だめ、ですか?」


なんて言ってバックハグされた。俺より小さな身長、前髪に隠れた真っ黒な瞳に吸い寄せられる。


おかしい、初対面のはずなのに。












なんで、こんなに愛おしいと感じてしまうのだろう……?













「……少しだけなら、良いですよ」


「!!!ほんとですか!!ね、じゃあ俺の家来てくださいよっ!一人暮らしで寂しいんです」


なんだその理由。でも、俺も久々に人の家に行くな。




……本当は、ちょっと、ほんのちょっとだけ、



久々にシたい、な



まあこの顔でこの身長だと多分というか絶対ネコだろ。諦めるしかないか。


自宅に帰っても毎晩の恒例行事になりつつある借金取りが来ているだろうから


少し、家に泊まらせてもらってもいいかも。












はーー、おばかさん♡♡


最初は俺の事を疑ってたが、今は………ほら♡




「も゛、っ、♡♡もど、きぃッ、!♡♡ 」


「すき、すき、だいすき、っ!♡♡」


「うんうん、俺も涼ちゃんのこと大好きだよ♡♡」


「本当に、愛してる……♡♡」


ああ、ここまで気持ちいいセックスは人生で初めてだ。人を殺した時と同じような快感。


涼架。本当に可愛い……♡♡


初対面の人の家に着いてきちゃうとこも、俺のことをネコだと勘違いしてそのまま寝ようとしたのも、結局犯されてほぼレイプみたいなもんなのにこんなに感じちゃってるのも、全部おバカさんで……♡♡


涼ちゃんが元々ネコだったのは結構幸運だった。処女だったら色々だるいしね。まあ処女でも犯すつもりだったけど。


人を好きになるなんて、久しぶりかも。


身体だけの関係じゃない。俺はもっと、もっと涼ちゃん、藤澤涼架について知りたい。


「りょーちゃーん……?」


「ん゛っ、♡♡ぇあ、?♡♡」


「俺たち、付き合おうよ」


「え、、?い、いの?♡♡」


「うん。だって好きなんだもん。」


「ふふ、うれし、……♡♡」


そう言って俺に優しく、でも確かな力で抱きついてくる。


……ああ、幸せだな。






涼ちゃん。もし貴方を苦しめている人間がいるなら。





その時は俺が、殺してあげるから。





朝6時30分。いつものアラームがなる。今日もバイトか。


いつものアラーム。いつものアラーム 、いつもの……

どこだここ!!!!!???


ベッドから飛び起きる。その時、昨日の記憶が脳内で再生される。


あっ……


横を見ると、上半身裸ですやすやと眠っている男。もとき、だったよな、


やっちまった、、、


完全にワンナイト。くそっ、こんな軽々と身体を捧げてしまった自分に苛立ちが走る。でも久々にシたせいか、元貴に対する拒否感は無く、むしろ好意を寄せていた。


「んぅ〜……」


そのとき、元貴もゆっくりだが目を開けてまぶたを擦る。


「涼ちゃんおはよぉ〜……」


「……おはよう。」


自分でもびっくりするくらいカッスカスの声。朝イチの声出しだからか、昨日叫びすぎたのか、理由は分からないままにしておきたいところだが。


「涼ちゃん声やばい事になってる」


「うるさい。」


「ね、昨日言ったこと、覚えてる……?最後らへんの」


「昨日……?さいご……?」


最後らへん、、?その辺はもう意識も飛び飛びで元貴が言ったことなんて正直頭の中に無い。


「じゃあ改めていいますっ」


そう言って起き上がり、かしこまって彼は言った。


「俺と、付き合ってください。」


「…………へ、」


あ、そんなことを言われた気もしたな。なんてあまりにも冷静すぎる考えが真っ先にきた。


好き、なんて言葉にしてしまったら意識してしまうではないか。ねえ、元貴。


俺だって、好き。元貴の事が、好きだ。でも、でも……


「お、おれ、むかし」


「うん」


「す、きだったひとに、うらぎられ、て……」


そう発する言葉は自分でも驚くほど震えていて。でもそのくらい、思い出すだけで泣いてしまいそうだ。


「その人のせいで、いま、ばかみたいに借金あって、、」


「うん」


俺の声とは対照的に、機械的な返事をする元貴。


「すき、俺も元貴が、好き……でも、、」


「人、好きになっちゃ、った、ら、……泣」


「……怖い…泣」


「そっか。」


ああ、呆れられた。そう思った瞬間、骨が折れそうなくらい強く、元貴が抱きしめてくれた。

痛いはずなのに、この痛みに比例するように元貴への愛が止まらない。


「ゆっくりでいい。好きなんて気持ちを伏せててもいい。俺は涼ちゃんと一緒がいい」


「……ありがとう」


好き。


裏切られたあの日から初めて、この温かい感じることが出来た。





あの夜から俺たちは半同居生活を始めた。

1週間のうち3、4日は元貴の家に泊まらせてもらっている。泊まる曜日もバラバラなのでまだ、まだ借金取りにはバレていない。でも、、


「うーーん、」


「どうしたの?涼ちゃん」


「そろそろ、俺の居場所が奴らにバレそうで……」


「ありゃりゃ、、そうだなー、」


そう言って一緒に悩んでくれる元貴。こんなこと言ったら照れて怒っちゃうんだけど、かわいい。かなり。


「俺にいい作戦があるよ」


「作戦…!!?なに、なに、!!?」


「ひみつ。でも絶対成功させるから。ね?」


俺の口に元貴の人差し指が触れる。作戦の内容は分からないが、今の状況が変わるのであれば、元貴に任せるのが吉だろう。


「分かったよ。じゃあ、明日もバイトだしそろそろ寝よっか」


「ね、涼ちゃん……?今日、シよっ?♡♡」


「っ、♡♡そうくると思って、もう洗ってある、♡♡」


「ははっ、涼ちゃん最高♡♡」


涼架は腰を掴まれてベッドへ横にされる。期待で胸がいっぱい。つきっぱなしのテレビにも気付かずに……



垂れ流されているテレビを消そうとしたその時、深夜ニュースが始まり、速報が入ってきた。


「東京都内でバラバラ遺体が発見、身元は都内在住の30代男性、……さんで、……警察は連続殺人の疑いを……」







、、は、?








殺された人物の名前を涼架は聞き逃さなかった。




それもそのはず。
















アナウンサーによって淡々と読み上げられた名前、それは涼架を地獄に陥れた元カレであった。




















「ヤバいっ……!!!」


元貴の家へ、人生で1番の力を振り絞り全力で走る。今日は元貴の家に行くつもりはなかった。


例の殺人事件から数日。あの時の衝撃は大きかったが、日が経つにつれ頭の中からその記憶は薄れてきていた。


バイト終わり。最近はあまり帰っていなかった自宅であるアパートに近づくと、そこには数人の借金取りが。いつも来ている大柄のやつは居ないが、恐らく仲間だろう。


そろそろ返さないと本当にやばいと思っていたのだが、こんなにも早かったとは。


なんとか元貴が住むマンションにつき、彼から貰った合鍵を刺す。そのままエントランスへ逃げ込み、追手が来ていないか確認する。良かった、見た感じ居なさそうだ。


一安心したからか、どっと疲れが襲ってくる。早く元貴に会いたい。その一心でエレベーターに乗り込み、ボタンを連打した。


廊下がいつもより長く感じる。早く、早く会いたい。


鍵を差し込み、ドアを開ける。いつもなら出迎えてくれるはずなのに。急に来たからかな?


「あれ、元貴?いないの?」


リビングへの扉を開く。ドアの隙間から鼻がつんざくような匂いがした。






















そこには、血まみれの死体と元貴がいた。



















「ひっ、ぎゃあああああ!!!」


初めて見る人間の死体に体の器官全てが拒否反応を起こす。胃の中の消化されていない熱いものが食道へ駆け上がってくる。


「お゛ぇ゙っ……」


死体の顔面に吐いてしまったがそれどころでは無い。逃げなきゃ、逃げなきゃ…


「待って。」


「ひっ、、泣」


首に冷たく、鋭いものが触れる。それが包丁だということに涼架は気づけなかった。


「ね、見たでしょ。手伝って?」


「は、ひゅ、は、っ、泣」


「ね、やめ、ごめんなさ、」


「だから!早く手伝って!!!」


大声を出されてようやく現実に引き戻された涼架は手を引っ張られ、大振りのナイフを渡される。


「見てて、こんなふうに……」


元貴が持つナイフが滑らかに、まるでバターを切るかのように皮膚、脂肪、筋肉を切り裂いていく。そこからまた血が溢れ、ただただ気分が悪くなるだけだった。


先程吐瀉物が降りかかった顔を見る。あれ、こいつ……大柄で、この、顔……


「あ、気づいた?涼ちゃんが借金取りに苦しめられてると思って。作戦大成功!だよ♡♡」


「は、、?え、は?」


「中の下くらいの立場なのかな〜、この取り巻きが多分涼ちゃんの家に行ってるはず、こいつが行方不明になったからかな?」


アパートに帰ると待ち伏せしていた数人の借金取り達。あんなに人がいたのは俺の返済が遅いからじゃない、リーダーが消えたことを俺に責めたてるつもりだったのか、?


「ね、涼ちゃんが嫌いな人でしょ?ちなみに元彼も殺しておいたよ〜」


元貴が淡々と話す内容をすぐには理解することが出来なかった。


元カレ、テレビでの、……連続殺人、



連続、殺人……




予想すらしたくない推測が思考を埋める。東京の連続殺人、あれの犯人は……


「元カレはもう見つかったみたいだね。でも安心して!俺、証拠だけは徹底して消してるからっ」


そうニコニコと語る元貴を見る。ああ、俺、終わりだな。


無言で死体に近づく。元貴よりも不器用な手では手際よく切断するのは難しかった。

















元貴の手伝いとして遺体を解体し数時間が経った。体を丁寧に、部分部分で せっせと袋に詰めていく元貴を眺める。ただただ眺めることしか出来なくて、まるで脳と身体を繋ぐ神経が切断されたようだ。



俺はこれからどうすればいいのだろう?今のこの感情はなんなのだろうか。自分を追い詰めていた人が殺されて嬉しい?恋人が連続殺人犯で怖い?


どれにも当てはまらない。ただの無。それだけが今の涼架を構成していた。








「涼ちゃんもこれで、共犯だね……♡♡」








元貴が発した言葉で現実に戻される。ああ、目の前の出来事は全て、いや厳密に言えば俺も手伝ったのだが、元貴がやってくれたんだな、


もう借金取りには襲われない?玄関越しに怒鳴られることはもうない?


……嬉しい?何故?人が、一人の人間が殺されたというのに。




もう、どうでもいいのかもしれない。どうせ逃げられない。逃げたところで元貴と一緒に檻の中に入るだけだ。


「……元貴」


「なあに?」


俺達は狂ってる。2人とも。だから、だから



「セックスしよーよ。ここで」


「ははっ、涼ちゃん最高……♡♡」






















ぱちゅっ♡♡ぱちゅっ♡♡


「あ゙ッ、♡♡ぉ゛ン゙ッ♡♡」


「涼ちゃんこっちみて。」


そう言って顔を向けると蕩けるような甘いキス。血塗れの床とのコントラストが傍から見る不気味さを増幅させていた。


「あ゙ッ、♡♡もど、き゛ッ♡♡」


「ん〜♡♡?」


「ぉれたち、もう、戻れない、ね?♡♡」


「ふふ、そうだね♡♡」

「でも、そんなこと言ってる余裕あるの?♡♡」


ばちゅん!!!!♡♡


「ォ゙ッ♡♡!?!」


びゅるるるるっ♡♡


ああ、すき、すき、だいすき……


俺の人生を全て元貴に捧げてしまいたい。









捧げてしまおうか。








「元貴、おれをころしてよ……♡♡」









元貴の目は大きく見開かれたが、直ぐにニマニマとした笑みに変わった。これ、この顔。元貴がたまらなく興奮してる時の顔。


「いいよ。手伝ってくれたもんね。」


そう言ってナイフを俺に向ける。不思議と恐怖心は無かった。ああ、幸せだ。人生の終止符をここで打つことが出来るなんて。


「愛してるよ、元貴……」


「うん。俺も。愛してる……」


愛してる。


こんなに最高の最後の言葉があるのだろうか。


首元に衝撃が走る。が、一瞬で意識は途切れた。







ばちゅっ♡♡ばちゅっ♡♡ぐぽんっ♡♡


「さいこうっ、♡♡涼ちゃん♡♡」

頸動脈を一発で斬ったため即死だろう。首からどんどん血が垂れてくる。ああ、最高、最高……♡♡


殺人と涼ちゃんとのセックス、俺の一番の快楽が同時に感じられ、俺まで人生のピークを迎えそうだ。


「涼ちゃん、涼ちゃん、涼架っ♡♡出すぞっ♡♡孕めっ♡♡」


びゅるるるるっ♡♡


涼ちゃんの中にたっぷり精を吐き出す。真っ赤な血と真っ白な精子。あまりにも美しい光景に感銘を受ける。


涼ちゃん……♡♡これまでで一番良かったよ。バラバラにしちゃうのは勿体ないから、涼ちゃんだけは特別に切り刻まないであげる♡♡


「これからも俺のお相手として、よろしくね……♡♡」



額にキスをする。大量に噴き出した血をタオルで拭き取り、自室に運ぶ。



昔から、自分の部屋だけが居場所だった。大切なものも全部、自分の部屋に。

















これまでの恋人死体が大量に置かれている部屋。安心する。


「みんな、新入りでーす。涼ちゃん。藤澤涼架。って言うの。」


「みんなには悪いけど、涼ちゃんがこれまででいっちばん気持ちよかった。みんな、死後硬直進みすぎだよ。全然気持ちよくないから。」


そう言って部屋の真ん中に置いてあるふかふかの真っ赤なベッドに涼ちゃんを寝かせる。元々は真っ白なベッドだったんだけど、今じゃ誰の血かわかんないくらい赤くなっちゃった。


「涼ちゃん、今日からはここで寝てね……♡♡」


独り言だと思う?違うよ。俺は会話してるの。沢山の恋人たちと。






さ、次は誰がいいかな??














「涼ちゃんよりいい人、見つけられるかなー……」
















元貴は自室を後に、そのまま街へ出ていった。















次の”恋人”を探すために。



































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コメント

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なんて汚い話だ…すごくいいぞ…(? ちょっとねずみの初恋っぽくていい😭🫶🫶あの漫画よりこっちも方がどろどろでなんかすこ

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