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タイトル通りです。
なんやかんやあって恋人(親友)を殺さなきゃいけなくなった時どうするのか?
というのをペア分けで書いてみました。
付き合ってたり、相棒だったり。好敵手だったり。
随時更新。前ペア制覇目標です。
苦手な方はブラウザバックをお願いします。
⚠️⚠️⚠️
・死ネタあり なんでもありの方向けです
・ベリーショートストーリーです。一話一話がすぐ終わる分、多くのシチュエーションを楽しめるかなと思います。
1.赤→水
赤side
ふとした瞬間に思う。
いつまでこの平和な時間は続いてくれるのだろうか、と。
少しの力を加えただけで壊れてしまいそうなこの時間は、きっと自分が必死で守らなければいけないもの。
…それでも、今という瞬間を壊すのはきっと、紛れもなく俺自身であるのだろうな。と。
冷えた銃身に触れて、少し笑った。
「りうちゃん、どうしたの?」
ふわり、と爽やかな匂いがして、頭にわずかな重みを感じる。
ふと上を見ると、ほとけっちが俺の頭に軽く顎を乗せていた。
💎「今日、なんかすごい暗い顔してるよ。」
🐤「…そう?」
普段は鈍感なくせして。
こういう時だけは何故か察しがいいんだよな、この人は。
🐤「なんでもないよ。ちょっと考え事。」
そう言ってにこりと笑って見せる。
今の俺は、任務で君を殺しにきた暗殺者。
ただ君の恋人を演じているだけの偶像にすぎない。
💎「…気のせいなら良いけど。なんかあったらすぐ言ってね、りうちゃん。」
🐤「うん、分かってる。」
彼とのこんな関係も、どうせ今日で終わりなんだから。
自分に言い聞かせるように、心の中でそう呟いた。
ほとけっちが外出に誘ってきたのは、それからほんの少し経った時のこと。
何回も2人で行ったことのある、どこにでもあるような平凡なデパートだった。
💎「服買いたいんだよねー。いつもみたいにりうちゃんがスタイリングしてよ。」
🐤「…気が向いたらね?」
…気が向いたら。
俺が君を殺す前だったら。気が済むまで付き合ってあげる。
デパートに向かう道のりで何度も何度もそう呟く。
そうでもしないと、懐に忍ばせた拳銃をどこかに捨ててしまいそうで。
…そんな俺の葛藤を見透かしたのか、ほとけっちは心配そうにこちらを見やる。
💎「ねえ、りうちゃん。本当に大丈夫?」
🐤「…何が?」
💎「今日のりうちゃん、放っておいたら壊れちゃいそう。」
そんな言葉が耳に入った瞬間、図星を突かれた心臓がドクンと跳ねる。
🐤「何馬鹿なこと言ってんの。寝不足なだけだよ。」
💎「…ふぅん。」
静かな路地に、重たい沈黙が満ち溢れる。
…しばらくの後、彼は諦めたようにこちらに背を向けて歩き出した。
並んで歩いていたさっきとは変わり、俺は彼の少し後ろを歩く。
そんな中でも、なぜか自分の仕事としての脳はとても冷静で。
静かで、人がいない路地裏。
相手は自分を信用しきっていて背を向けている。
こんな絶好な機会を逃してもいいのか?
そんなことを考えた一瞬の後に、俺は懐から銃を取り出していた。
彼の頭に狙いを定めて、引き金に指を掛ける。
あとは指に力を込めるだけ。
そんな時に、彼は口を開いた。
💎「僕はりうちゃんが何を抱えてるのか知らないけど。」
💎「楽になりたかったら、いつでも話しかけてね。それまでは絶対にそっちを向かないから。」
💎「気持ちの整理をしてからおいで。」
まるで今から俺がしようとしていることを知っているような口ぶりで。
心を読み取ったかのように優しくて。
🐤(…ああ、)
やっぱり好きなんだな。
任務としてでは無く、1人の人間として。
誤魔化していた気持ちに目を向けた瞬間、銃を持つ手は力を失って。
🐤「…ねえ、」
ほとけっち。
そう言葉を繋げようとした瞬間、乾いた音が辺りに響いた。
🐤「…え…」
目の前には、左の脇腹を赤く染めて地面に倒れたほとけっちがいる。
何が起きたのか理解できていない俺の背後から、革靴の音が聞こえる。
「…ターゲットなんかに絆されたお前が悪いんだよ。」
硝煙が上る銃を持った男はそう言って笑う。
「このままだったら殺せなかっただろうから、俺が道を作ってあげただけ。」
「トドメくらい、お前が刺してあげなよ。」
そう言った男の視線の先には、傷を押さえて苦しむほとけっちの姿。
…こいつが、撃ったんだ。
そう認識した瞬間、目の前が真っ赤になった気がして。
今度こそ、俺の手の中にあった拳銃が乾いた音を立てた。
次回 水→赤 (白→桃?)
コメント
1件
最後の乾いた銃声って、ワンチャン来た男を打ってたり… めっちゃゾワゾワしますねこのお話、ゆきなさんが作るこういうお話大好きです💕🫶🏻️︎