3週目
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その場にいる全員で庭に行こうと部屋の扉を開けようとしたところで、レイナはあることに気づいた。
「ウミ、この旅館ペット入れるのに許可いる」
「えっ」
そう、この中でエドは人間の姿をしているからまだ誤魔化せるとして、ウミだけは猫の姿をしているのだ。
「確かに。じゃ、ウミは外からということで」
エドが、そう言うと同時にウミの首根っこをつかみ、窓の方へと向かう。
「ちょっと!大切に扱ってよね!」
「注意するのそこなの…?」
いきなり首根っこを掴んで持ち上げたことには言及しないのかと、ナギがツッコむ。
「じゃあ、ボクは旅館内では別行動って言うことで…」
「そういえば、ウミのその器ってなんだっけ?」
ウミが外に出ようとしたところで、アスカがふと思い出したように言った。
「これ?猫のぬいぐるみ」
「猫のぬいぐるみなら無機物の振りすれば旅館内も一緒に行動できるんじゃないか?」
「確かに…じゃあ、見た目的にこの中で1番小さい俺が持つね」
そう言ってエドはまたウミを抱える。
「え、ボクこの先動いちゃいけないの?」
「うん。防犯カメラとかもあるから基本そこから動かないで」
「えぇ〜…」
レイナが言うと、ウミは心底嫌そうに顔を歪めた。
「よし、じゃあ行くか」
ソウがそう言いながら今度こそ部屋の扉を開いた。
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「うわぁ…これはヤバいや」
「結構やってるね」
庭に付き、像が後ろに隠れている石の前に来た時点でエドは引き気味に言った。周りに誰もいないため、ウミも声を出す。
「もうこの時点でわかるの?」
「うん。嫌な感じがビンビン伝わってくる」
「それで、ここで鬼が出たの?」
「んーっと、正確には…」
レイナはそう言いながら、石の裏に行き、その場を動きたくなさそうな2人を手招する。
「この像に触ったら出てきた」
「触る以外に何かした?」
エドがポケットからまたメモ帳とペンを取り出しながら言った。
「ループに入る前なんだけど、この像が倒れてたのを直して何となく手を合わせた」
「絶対原因それじゃん」
「うん。確実にそれだ」
「…」
なぜだか、像を直した時の説明の反応がアスカたちと同じような気がする。
「像は石の後ろにあって見つけずらいけど、どうやって見つけたの?」
「えーっと、何となく後ろを覗き込んだら像があった感じ…だった気がする」
「本当になんとなく?」
「うん。なんとなく」
エドが念を押すように聞いてくる。
「じゃあ、手を合わせたのは?レイナはあまりそういう文化に馴染みないよね?」
「うーん…それもなんとなくかなぁ?」
そこまで話したところで、エドがメモを持つ時に方に回されたウミが言う。
「今話したこと以外にはある?」
「2週目にこの像に触ろうとした時に鬼が出てきたよ!それ以外は特にないかな…」
アスカが言った。
「なるほど…今は触って何も起きないか試してもらうことって?」
「私やる」
レイナが恐る恐る像に近ずいて触れてみるが、鬼が現れる気配は全くしなかった。
「大丈夫そう?」
「うん。出てくる気配はしないね」
エドは鬼が出てこないのを見て、またメモ帳に何かを書き込む。
「よし、…ここはこの像で終わり?」
「うん。次は玄関だね」
「行くか」
玄関も同じ外だが、庭とは柵で仕切られていたため、また旅館内に戻ってから玄関の方に向かった。
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「次はここ?」
「ここは俺は知らないなぁ…」
2週目で、旅館から出る時には既に死んでいたソウが門を見上げながら言う。
「ここから出た時に鬼が現れたから、サクッと出ちゃうね」
「お願い」
アスカが玄関の門から外に出たが、またしても鬼は出なかった。
「また出なかったね」
「まぁ、玄関から出るところは鬼が出てこない方がありがたいし…」
前回ここで死んだ本人が安心したように言う。
「あとは神社だけか…」
「結構遠いいけど頑張れば行けるよ!」
石段を思いだしながらレイナが呟くのを聞いたアスカが、明るく言う。レイナはそれを見て、乾いた笑いを浮かべることしか出来なかった。
どうも。最近眠気がヤバい主です。昼間のあくびの回数がヤバい…
それでば、さよなら〜( ¯꒳¯)/ᐝ