テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
MAKO
🌼『ぅばう・・・っあ!あっ!!あーーーっ!!』
楽しそうにおもちゃで遊んでいた🌼は急に空中に向かって手を伸ばし、興奮したように声を上げた。
子守をしていたミヤジとラトは🌼が手を伸ばす先を見るが何も無い。
🌼『あぅっ、んぶぅ、たぁーっ?』
「どうしたんでしょう・・・何かあるのでしょうか?」
「いや・・・何も見えないけど・・・」
ラトは🌼が見ている辺りの音に耳を集中させると、何かの声を拾ったを
「・・・ん?」
「ラト君?」
「しっ・・・何か聞こえます・・・」
〈くすくすっ・・・〉
〈かわいいわ!〉
〈この子なの?〉
〈似てるけど違うわ〉
〈もう少し大きい子よね?〉
〈でもこの子そっくりよ?〉
「・・・🌼様が誰かに似ている、と言っています」
「・・・?そうか・・・」
ミヤジは何も感じ取れず、不思議そうに首を傾げる。
〈あら?この子、聞こえてるみたい〉
〈ねえねえ、私たち女の子を探してるの〉
〈この子より大きい子なの〉
〈知らない?〉
ラトは何かの声に答えるべきか迷い、ミヤジに聞いた。
「女の子を探しているそうですが、答えてよいのでしょうか?」
「う〜ん・・・まぁ、我々に危害を加えるつもりがないのであれば良いんじゃないかな?」
ラトは頷いて何かに意識を集中させる。
〈きがいをくわえる?のはしないと思うわ〉
〈女の子を助けに来たのよ〉
〈その子のお兄ちゃんが助けてって祈ったのを叶えているだけ〉
「そうですか・・・それならばお答えします。どんな女の子でしょうか?」
〈えっと〜・・・この子より大きくて・・・〉
〈この子そっくりで・・・〉
〈助けてほしい女の子よ!〉
ラトはもしかして主のことを言っているのではないかと気が付き、答えた。
「もしかしたら、主様かもしれませんね・・・」
「主様・・・?ラト君、その声は何で主様を探しているんだい?」
〈その子のお兄ちゃんに頼まれたのよ〉
〈助けてって言ってたわ!〉
〈ねー!〉
「主様のお兄様が助けてと願ったそうです」
「主様のお兄様が主様を助けて、と?」
「はい」
「・・・ラト君、主様は何があっても元の世界に帰してはいけない。理由は分かるね?」
「はい、もちろんです」
「もし、お兄様が主様を返してほしいと言っても帰すつもりはない。
申し訳ないが、お引き取り願おう」
〈・・・ひそ、ひそ〉
何かはミヤジに断られて相談を始めた。
そして、意見がまとまったらしくラトに話しかけた。
〈私達、助けに来ただけよ〉
〈連れて帰って、なんて言われてないわ〉
〈この世界以外には干渉できないし・・
・〉
〈元の世界?のことも知らないわ〉
「・・・元の世界に帰すつもりはないのですか?」
〈ないわよ?〉
「ないそうです」
「・・・では、どうやって助けるんだい?」
〈・・・その子がどんな子か見なきゃ分からないわ〉
〈だから今探してるのよ〉
〈あなた達は知ってるのでしょ?〉
〈私たちが助けたい女の子〉
「はい、そうですね・・・
分かりました、主様の所に案内しましょう。
ですが、1つだけ・・・万が一、主様や🌼様に危険なことをするのなら壊します。
どんな方法を使ってでも、あなた達を見つけ出して壊します」
「ラト君・・・」
〈わかったわ〉
〈大丈夫よ、そんなにすごい力があるわけじゃないの〉
〈何も心配要らないわ〉
ミヤジが🌼を抱っこし、ラトの後に続いて🌸のもとに向かう。
🌸は夢見が悪いため最近よく眠れておらず、顔色が悪くグッタリとソファに座っていた。
「主様、主様を探している何かを連れてきました」
🌸『私を探してる何か・・・?』
🌸は不思議そうに辺りを見回す。
〈あ!この子よ!〉
〈この子だわ!〉
〈疲れてるみたいね・・・〉
〈顔色が悪いんじゃない?〉
何かは🌸の近くで騒ぎ出す。
〈ほら!皆!祝福を!〉
〈この子に幸あらんことを!〉
〈妖精王の御名において!〉
〈安らぎを!〉
〈平穏を!〉
〈安寧を!〉
〈〈〈〈この子に祝福を!〉〉〉〉
🌸『!?っくしゅん!』
祝福をされた途端、🌸はくしゃみが出てびっくりしていた。
〈あら?・・・いえ、大丈夫ね〉
〈よかった〜、ちゃんと出来たのね?〉
〈ねえ、聞こえる?愛し子ちゃん〉
そして、話しかけてくる何かの声に驚いて目を見開いた。
🌸『なに!?何か声がする!』
「それが主様を探していた何かの声です」
〈聞こえてるわ!〉
〈私達、そこの森に住んでるの!〉
〈妖精王に仕える妖精なの!〉
〈ねえねえ、森に遊びに来て!〉
〈一緒に遊びましょ!〉
🌸『あ、遊ぶ・・・?』
〈愛し子ができるなんて、いつぶりかしら?〉
〈王様も喜ぶわ!〉
🌸『いとしご?って何ですか?』
〈私達の祝福を受けた人間のことよ〉
〈最近は全然私達のこと感じ取れない子供ばかりだから、ね・・・〉
〈愛し子を見つけられるなんてびっくりよ〉
🌸『は、はぁ・・・』
よく分からないが、何か祝福を貰ったので悪いようにはされないだろうと考え、🌸は妖精達としばらくおしゃべりを楽しんだ。
夕方になると、妖精達は名残惜しそうに森に帰っていった。
〈またね!愛し子ちゃん!〉
〈今度は愛し子の証を持ってくるわ!〉
〈そしたら私達のことも見える様になるわ〉
〈私達のお家にも遊びに来てね!〉
そう言ってついでにラトと🌼にも簡単な祝福を授けて消えてしまった。
🌸『・・・何だったのかな』
「ふむ・・・何だか身体が少しだけ軽いような気もします」
🌸『祝福、のおかげ?』
「そうかも知れませんね」
その晩、ラトと🌸は不思議な花畑で綺麗な女の子達と遊ぶ夢を見た。
夢の内容はあまり思い出せないが、朝起きたら昨晩までの体調不良も疲れも無くなっていた。
その日から悪夢を見ることはパッタリと無くなり、2人の不眠で悩んでいたミヤジもルカスもびっくりするほどよく眠れるようになった。
🌸『・・・お兄ちゃんがお願いしてくれたんだよね・・・
お兄ちゃん、どうしてるのかな・・・
もう、結婚とかしてるのかな・・・』
🌸は凄惨な死を遂げたことなど知らず、ふかふかのベッドの中で幸せに暮らす兄の姿を思い描いて幸せそうに眠りに就いたのだった・・・
コメント
1件
読み終わりました……🖤 妖精さんたち、すごく優しくてちょっと騒がしくて可愛かったです。「愛し子」って呼ばれて祝福もらう🌸ちゃん、瞑ってた目がふわっと開く感じがしました。 ラトくんの「壊す」宣言がカッコよくてちょっと鳥肌…でもああいう境界線、大事ですよね。 最後の🌸ちゃんの「お兄ちゃんどうしてるかな」が切なすぎる…知らないままでいる方が幸せなんだろうなって思うと、胸がぎゅってなりました。 妖精界との繋がり、これからどう展開するのか楽しみです🌙