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コメント
1件

え……神作過ぎませんか? 初投稿でこれは最高すぎます!! 続き楽しみにしてます!
休みの日。
朝6時5分。アラームは鳴らない。
そもそも設定してないから。
鳴らしたところでどうせ勝手に起きるのだから何も変わらない。
カーテンの隙間から差し込む光が、白いシーツに細い線を描いている。
目を細めてそれを見ていると、いつも思う。
――これ、首に巻いたら綺麗な赤い線ができるかな。
体を起こす。骨が軋む音がする。
起き上がるたびに体が重くなるのは、歳のせいじゃなくて、ただ生きてる重さだ。
洗面台の鏡に映る顔は、昨日と同じ。
一昨日と同じ。一週間前と同じ。
変わらない顔を見続けるのが、ひどく疲れる。
歯ブラシをくわえて、ぼんやり考える。
もし今ここで、歯ブラシを喉に突き刺したら。
どれくらい血が出るだろう。
どれくらい痛いだろう。
どれくらいで意識がなくなるだろう。
でも結局、普通に磨いて吐き出す。
泡がピンク色にならないのが、少し残念だ。
冷蔵庫を開ける。
納豆と、賞味期限切れのヨーグルトと、半分残った炭酸水。
納豆のタレを破る音が、今日で一番大きな音かもしれない。
ご飯を食べながらスマホをスクロールする。
誰かの幸せそうな写真。旅行。恋人。子猫。
全部、別世界の話だ。
画面を指で強く押すと、ガラスが冷たい。
この冷たさが、もっと全身に広がればいいのに。
午前11時。
布団に戻る。
天井のシミを数える。
44個目でやめた。
どうせ明日も同じ数だ。
「生きてる意味って何だろう」
声に出してみる。
返事はない。
当たり前だ。部屋には俺しかいない。
午後3時。
コンビニに行く。
外の空気が冷たくて、肺が痛い。
痛いのはいい。痛みがあるってことは、まだ生きてる証拠だから。
レジの人が「袋にお入れしますか?」と聞いてくる。
いつもと同じ声。いつもと同じ笑顔。
僕は「いらない」と答える。
本当は「全部いらない」って言いたい。
この世界も、俺の人生も、呼吸も、心臓の音も。
帰り道、電柱に寄りかかって空を見上げる。
青すぎる。
こんなに青い空の下で死ねたら、ちょっとだけ綺麗かもしれない。
寮に戻る。
鍵を開ける手が少し震える。
震えるのは寒さのせいじゃない。
ただ、今日も無事に帰ってきてしまったという事実が、怖いだけだ。
部屋に入って靴を脱ぐ。
脱いだ靴が、いつもより遠くに見える。
この距離感が、俺と世界の距離なんだろうな。
夜8時。
風呂に入る。
湯船に浸かりながら、首の動脈の位置を指で探す。
ここを切ったら、どれくらいで終わるかな。
水面が赤く染まるのが見たい。
でも結局、指を離す。
まだ、今日はダメだ。
夜9時。
ベッドに横になる。
スマホの通知が鳴る。
でも直ぐに画面を消す。
目を閉じる。
今日も死ねなかった。
今日も生き延びてしまった。
枕に顔を埋めて、思う。
――明日こそ。
でも、心のどこかで分かっている。
明日もきっと、同じことを呟いて、同じ朝を迎える。
同じように息をして、同じように痛がって、同じように何も変えられない。
それでも、
まだ、
消えられない。
暗闇の中で、静かに息を吐く。
生きてる音だけが、部屋に響く。
初めまして。
私、稚菜と申します。
良ければ仲良くしてほしいです。
病み明が大好きです。
2話目で他のキャラを出そうかと思います。題名通りで無いと思った人は次回の話からちゃんと題名通りになるので安心してください。
初投稿がこんなんでいいのかって自分考えたけど、やっぱり好きが一番ですよね。