「キャ〜!!…ムーちゃんが、ムーちゃんが」と山富士の大声が聞こえた。「どうしたの?」と亜漕が駆けつけた。ハリネズミのムハンマドが仰向けで、お釈迦になっていた。亜漕は驚いたものの「しょうが無いね。もう十年は生きてたから…寿命だよ。」ハリネズミは始め、満腹寺の金隠氏に『よしを』と言う名前で飼われていた。逃げ出し幻覚寺の亜漕が弱っていた彼を捕まえ、『ムハンマド』と命名した。オスのハリネズミでアラブの国王の様に強いと言う意味で名付けた。しかし寿命には勝てない。
金隠氏は彼を布に巻き、小さな箱に入れて、火葬した。人間の骨と同じ様に山上から撒いた。「ペットの墓標は別に作ろう」と違う敷地にペット用の総合墓標を建てる事にした。こうして亡きハリネズミのムハンマドは丁寧に永久投棄された。
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