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番外編19 『主様がデビルズパレスに全然帰ってこない』後編
🍷
私はルカスと団欒室で過ごしていた。
『はい、チェックです。』
コテンッ。
『あー!また負けた!』
るカスはワインを片手にチェスの駒を倒す。
『ふふ、主様はわかりやすいんですよ。すぐに顔に出ますから。』
『むぅ(⑉・̆н・̆⑉)』
『ほら、今も。』
『っ…。』
『主様とこうして過ごせてとても楽しいです。たったの3日がとても長く感じましたから…』
『ルカスが寂しがるなんて珍しいかも。』
『そんなことありませんよ。主様が相手なら尚更…とても寂しいです。』
ルカスは私をじっと見つめる。
『え…っ。』
『早く逢いたくて…仕方なかったんですから。』
ルカスは立ち上がり私の頬を撫でる。
『…このまま――。時間が止まればいいのに…他の執事のところに行かせたくありません。』
『あの、ルカ――。』
『このまま…私のものになってくれませんか…?』
ルカスが私の唇に近付く。
『っ、待っ――。』
私はぎゅっと目を瞑る。
『……クスっ。なんて…冗談です。』
『……え?』
『主様に会えなかったので主様も私からのドキドキ不足でしたよね?だから久しぶりに…』
『っー!もう!ルカスのバカ!』
私はルカスをおしのけ団欒室を後にする。
『……ふぅ。危なかった。……自制するのも大変だなぁ……。』
🗝
私はナックとナックの仕事部屋で過ごしていた。
『主様とのひとときを過ごせてとても幸せです。』
『私もだよ、ナック。最近帰って来れなくてごめんね。』
『とんでもない、主様は主様の生活がありますから。』
『ナック…うん。ありがとう…。でも、ナック。』
『はい。』
『今は私と2人だけなんだから素直になってもいいんだよ?』
『素直に…ですか?』
『うん。私しか見てないから。』
『…っ。はい。』
私は主様の手を握る。
『本当は…寂しかったです。主様に会えなくて。』
『うん……』
『執事としてこんなこと言っては主様にご迷惑だと分かってますが…。帰って来れる時に…帰ってきて欲しいです。貴方の居ない屋敷は…とても寂しいです。』
『うん…。わかった。ナックの素直な気持ち聞かせてくれてありがとう。』
『はい。少しすっきりしました。』
『うん。私もナックに会いたいから帰れる時には帰るね。』
『はい、お待ちしております。』
『じゃあまたね。おやすみなさい。』
『はい。おやすみなさいませ。』
バタンっ。
『…私としたことが、数日会えなかったのであんなことを……っ。』
⭐️
私はラムリと見張り台で過ごしていた。
『やったぁ!主様と久しぶりの星空観察です〜!!』
『ずっと楽しみにしてくれたもんね。』
『はい!しかも今日は星がとても綺麗ですよ!輝いてます!』
『ホントだね…とても綺麗…』
『……主様。』
『ん?』
ラムリは私に近づいてじっと瞳を見つめる。
『ラムリ…?』
ギュッ
ラムリは私の腕に抱き着いた。
『っ!』
『寂しかったです…。僕…主様のこと大好きですから…。何かあったのかなってずっと不安で……。』
『ラムリ…』
(そうだ…ラムリはとても寂しがり屋で…。)
私はラムリの頭を撫でる。
『不安にさせてごめんね。私はどこにも行かないよ。』
『ほんとですか…?』
『うん。ラムリの傍から離れたりしないよ。ずっとここにいる。』
『主様……。はいっ!』
ラムリはぎゅっと私を抱き締める。
その温もりを手離したくないかのように。
『…へへっ。主様暖かかったなぁ…。』
🐾
私はベレンと庭を散歩して過ごしていた。
『主様と会えない間ずっと主様のこと考えてたんだよ。』
『そうなの?』
『うん。俺だって寂しいって思うことくらいあるよ。主様は特別だけどね。』
『ベレン……』
『主様にあったら一番に甘やかしたいって思ってたから。帰ってきてくれてありがとう。』
ベレンは私の頭を撫でる。
『っ…こちらこそ。』
『ふふ、ねぇ、主様。俺から頼みがあるんだけど……。』
『頼み?』
『うん。今は俺の事を甘やかして欲しいな。』
『ベレンのことを?』
『うん。』
『甘やかす…どうすればいいか分からないけど……』
私はベレンの頭を撫でた。
『ふふ、嬉しい。主様の手暖かいね。』
『これでいいの?』
『うん。主様に触れて欲しかったから。』
『っ…もう。』
『ふふ、そろそろ行こっか。』
『うん。』
私はベレンの後ろを歩いて屋敷へ戻る。
『ふふっ。主様の温もり…幸せだな。』
🤍
私はシロと別邸の2階で過ごしていた。
『……。』
『……あの、シロ?』
『なんだ。』
『久しぶりに会えたから…何もしないの?なんか、絵を描いたりとか、トランプとか…』
『我はトランプは好かん。』
『ええ…。』
『…お前とこうして2人だけで過ごせるだけで充分だ。』
『!!』
(不意打ち…。)
『私もだよ。シロと過ごせて嬉しい。』
『…ふん。』
『でも、他のみんなみたいに甘えていいよ?ほらほら。』
私はシロにグイグイくっつく。
『っ、おい、やめろ。っ……』
ドサッ!
シロに両手を掴まれベットに押し倒される。
『え……』
『戯れが過ぎたな。』
『ぁ、ぇと…』
『……我をからかうのも大概にしておけ。ここは我と二人きり。呼んでも誰も来ない。この意味分かるか?』
『っ……!!』
私は顔を真っ赤に染める。
『……ふっ。顔が真っ赤だぞ。』
我は主から離れた。
『…お前のその顔を見れただけで充分だ。』
『ぁ、う、うん…。』
私はシロと目線を逸らした。
『……悪くなかったな。…ふっ。』
✝️
私はハウレスと2階執事部屋で過ごしていた。
そして、会うやいなや――。
『……あの、ハウレス?』
ベットに座ってと促され、ハウレスは私の膝に頭を乗せた。
『……すみません。さっきは取り乱しました。甘えさせて貰えませんか?今だけです。』
『ハウレス…。』
私はハウレスの頭を撫でる。
『寂しかったの?』
『…はい。リーダーとして情けないです……俺は執事のみんなのお手本にならないといけないのに…こんな…。』
『……別にいいんじゃないかな?』
『え?』
『今は2人きりだよ。誰も見てない。だから好きなだけ甘えていいよ?』
『主様……っ。はい。』
(こうして見ると犬みたい……ふふ、普段こんな顔見せないから新鮮だな。)
私はふふっと微笑んだ。
『……俺はなんて恥ずかしいことを口走ったんだ……っ。』
🦋
私はフェネスとお風呂で過ごしていた。
フェネスが足湯を用意してくれたのだ。
それに一緒に浸かることに。
『あったかい…』
『ふふ、良かったです。』
『フェネスと足湯なんて初めてだね。』
『ふふ、そうですね。俺も楽しいです。』
『うん、私も。ここのところずっと忙くて…帰りたくても帰れなくてさ。いつものみんなのありがたみがわかったよ。』
『主様…』
『屋敷に着いたらみんなが笑顔で出迎えてくれて、ご飯を用意してくれて、暖かいお風呂もあって、私幸せだなって。しみじみ思うんだ。』
『…そんな風に言っていただけて俺とても嬉しいです。仕事だからって思ってましたけど主様がそんなに喜ぶなら俺もっと頑張ります。』
『うん。いつもありがとう。フェネス。』
『はい。これからも頼りにしてくださいね。』
『……ふふっ。主様に褒められた。嬉しいな。』
🦾
私はボスキと裏山を馬で散歩していた。
『ふぅ。夜風が気持ちいいな。』
『そうだね。ちょうど暑かったから気持ち いいね。』
『あぁ。帰ってきてくれてありがとな。主様。こう見えて俺も寂しかったんだぞ?』
『ふふ、ごめんね。』
(ボスキが寂しがるなんて珍しい…少しからかっちゃお。)
私はボスキの頭を撫でる。
『ちょ、主様、やめろ…///』
『寂しかったんでしょ?なでなで〜』
『っ…おい。主様。』
パシっ!
手を掴まれて手首にチュッとキスをされる。
『…馬の上じゃなきゃ今すぐにでも襲ってんだぞ。』
『へ…っ?』
『…ったく。俺の気持ちも考えろよ。大切な主様にそんなことされたら…色々と困んだよ。』
『あ、え、あ…はい… 』
『よし、分かればいい。そろそろ帰るか。』
『う、うん。』
(顔今絶対赤い…。)
『……久々に照れた顔見れたな。』
🌹
ドサッ!!
2階執事部屋で待つアモンに会いに行くや否や、アモンのベットに押し倒された。
『っ、あの、アモン…っ?』
『へへっ。俺、寂しかったんすから。その分の俺のこと癒してもらうっすよ。』
『癒すって…』
『もちろん…主様をドキドキさせて……可愛い顔を見て俺が癒されるってことっすよ。』
『っ…』
『今日も可愛いっすね…主様。』
『あ、アモ、近い……』
『目を逸らしちゃダメっすよ。』
『っ…』
『主様…大好きっすよ。その可愛い顔…俺にしか見せちゃダメっすからね。』
(もう、ダメ……っ。)
『(/ω\*)プシュ—♥』
『あ…。』
(しまった。やりすぎたっす。)
俺は主様のおでこにキスをする。
『今日はこれで済ませてあげるっすよ。』
次回
後編2へ続く⬇️
コメント
4件
え、アモンえっr((
ドキ(✱°⌂°✱)ドキ、