ATTENTION
・タヒネタ
・唐突に思い付いたネタ
・自 害要素あり
・シリアス
・口調迷子
・性別不詳 主が喋ります
・温かい目で見て下さい
・勝手な解釈あり
・誤字脱字あるかも
・カドスト(無料試し読み)のネタバレ…?
OK?
主様が帰って来なくなってから
どれだけの月日が経っただろうか。
帰って来なくなってから、
屋敷の雰囲気も変わってしまった。
別邸の執事はただでさえ、
主様と関わることは少なかったのに。
いつになればまた私たちの名前を
呼んで下さりますか?
🥀「それ、枯れたんすね。」
静かな屋敷の中に彼の声が響く。
🫖「おや、アモンくん。そうなんですよ。
…今日のお仕事はお終いですか?」
🥀「…さっき終わったとこっすよ。」
彼もやはり、元気がない。
…いや、
生気がないと言った方が良いだろうか。
✝️「お、アモン。丁度いい所にいたな。」
🥀「ハウレスさん?どうしたんすか?」
✝️「ボスキを見なかったか?アイツが
今日の仕事を終わらせていなくて…」
🥀「ボスキさん…?
ハウレスさん、何言ってるんすか。」
🥀「…ボスキさんなら
もういないじゃないっすか。」
✝️「あぁ…そうだったな…。」
彼…ボスキ・アリーナスくんは
天使との戦 いに敗れ、亡 くなった。
同行していた私の目の前で
亡くなってしまいました。
ボスキくんが天使の体力を
削ってくれていたので
幸い、私だけで倒す事が出来ました。
…やはり、悪魔の力がないと厳しいです。
🫖(彼らも、私もいつか…)
今 屋敷に残っているのは、
ロノくん、バスティンくん、私、
ハウレスくん、アモンくん、
ルカスさん、ラムリくん、
ミヤジさん、ラトくん、
テディさん、ユーハンさん、ハナマルさん。
ですが、ロノくんは未だに
意識不明の状態です。
ルカスさんによると…
🍷『ロノくんが目を覚ますかは…
彼の頑張り次第になるだろうね…。』
との事でした。
フェネスくんは魔導服に飲まれ、
ナックくん、フルーレくんは仲間を庇い、
3人とも亡 くなってしまいました。
ムーちゃんは失踪…
仲間を失う事とフェネスくんの絶望が
重なったのでしょうか。
仲間を失う事が、
耐えられなかったのでしょう。
…私も耐えられません。
ヴーッ!!ヴーッ!!
🫖「警報の…音…。」
✝️「俺が行きます。」
🥀「ハウレスさん…。
絶対に帰って来て下さいっす…。」
✝️「あぁ…。」
💮「ベリアン!」
🫖「ハナマルさん?」
💮「テ、テディちゃんが…!!!」
☔「テディさん…!!!
しっかりして下さい…!」
🫖「………ッ!」
そこで見た景色は
美しいとは言えなかった。
💮「テディちゃんが鍛錬に来なくてさ…
別邸に戻ったらもうこの状態で…。」
🫖「テディ…さん…。」
彼の身体を突き通すのは彼自身の武器。
…決して許される事ではないのです。
悪魔執事が自ら使命を投げ出すのは。
🫖「……おや?」
☔「ベリアンさん…?」
💮「…どうした?」
机の上にある一通の封筒。
彼が残した物でしょう。
おもむろにその封筒を手に取り、
開封してみる。
拝啓
ハナマルさん、ユーハンさん。
俺が勝手にタヒぬ事を許してくれますか?
きっとお二人の事ですから
許してくれないと思います。
だけど、たとえ許されなくても、
俺は向こうでずっと待ってますから。
でも、早くこっちに来たら駄目ですよ!
きっとこの手紙はベリアンさんや、
他の執事さんも見ると思っています。
ベリアンさん、ごめんなさい。
悪魔執事が勝手に使命を投げ出すのは
駄目な事だと分かっています。
でも、俺はただ仲間がタヒんでいくのを
見ているだけだなんて、耐え切れません。
今日は、誰が天使狩りに
出掛けたんでしょうか?
無事に屋敷に帰ってくれる事を
祈っています。
敬具
テディ・ブラウン
💮「…テディ…ちゃん…ッ」
☔「テディさん……ッ」
🫖(テディさん…。お疲れ様でした…。
どうか安らかに…眠りについて下さい…)
…また1人仲間が減ってしまった。
幸い、ハウレスくんは無事に
戻って来てくれました。
…テディさんの祈りが届いたのでしょうか?
そうだと私も嬉しいです。
主様が帰って来なくなって、
どれだけの月日が経ったのでしょう?
最期に主様に会ったのはいつでしょうか?
そんな事も思い出せないほど
昔になってしまったのでしょうか?
主『それじゃあベリアン、行ってくるね。』
🫖『行ってらっしゃいませ、主様。
主様のお帰りをお待ちしております。』
主『あ、今日は帰って来るのが
遅くなるかもしれない。』
🫖『かしこまりました。』
主『帰ってきたらまた話そうね。』
🫖『はい。もちろんです。』
🥀「…………さん。」
主様の顔が、声が脳裏でこだまする。
あの時の約束は嘘だったのですか?
🥀「ベリアンさん…。」
主様、私達を見捨てたのですか…?
私たちの何がいけなかったのですか…?
早く帰ってきて下さい…主様…。
🥀「ベリアンさん!」
🫖「…ッ!アモン…くん…。」
🥀「これ、主様がくれた花と同じやつっす。
…また大事にしてあげて下さいっす。」
🫖「…ッえぇ…。」
月日が経つ内に屋敷には私と
アモンくんだけになってしまいました。
ロノくんは、目を覚まさないまま、
静かに息を引き取りました。
ハウレスくんはボスキくんと
同じ結末になってしまいました。
ルカスさんとラムリくんは天使と共に戦い、
亡くなっていました。
2人の表情は、
安らかであり、どこか悲しそうでした。
ミヤジさん、フルーレくんは
ラトくんを追いかけ、自害致しました。
あの3人はいつまでも一緒ですから。
ハナマルさんは魔導服に飲まれ、
天使との戦いの際、
ユーハンさんが私を庇い、
亡 くなってしまいました。
私を庇ったのはテディさんに
会いたかったからでしょうか?
🥀「…ベリアンさん。」
🫖「…?なんでしょうか?」
🥀「主様って…本当に帰ってくるんすか?」
🫖「…えぇ。いつか帰ってきます。」
🥀「”いつか”ってなんすか…?
主様が帰って来なくなって
どれだけの月日が経ったんすか…?」
🫖「…そ、れは…」
🥀「フェネスさんも、魔導服に飲まれて!
月日が経つ内に仲間が減っていって…!
それでも主様は
帰ってこなかったじゃないっすか!!」
🫖「アモン…くん…。」
🥀「…少し、言い過ぎたっす。」
ヴーッ!!ヴーッ!!
🫖「あっ……」
🥀「…オレもそろそろっすね。」
🫖「アモンくん…」
🥀「ベリアンさん。
最期にお願いがあるっす。」
🫖「最期だなんて、言わないで下さい…!」
🥀「オレらはタヒぬ運命なんすよ…」
🫖「…ッ」
🥀「…もし、この先 主様に会ったら、
伝えてほしいことがあるんす。」
🫖「伝えて欲しいこと…?」
🥀「そうっす。」
🫖「それは…一体…?」
🥀「───────。」
🫖「……はい、分かりました。」
🥀「それじゃあ、さよならっす。
…オレはここの生活”楽しかった”っすよ。」
🫖「…アモンくん……。」
来た頃は心を開かなかった彼が、
その言葉を出すようになったのは
ボスキくんのおかげなのでしょうか。
警報を聴き、
天使狩りに行ったアモンくんは…
戻ってくる事はありませんでした。
🫖「…私1人になってしまいました。」
アモンくんが育ててくれた
主様から頂いた花と
同じ品種の花に話しかける。
花ですからお返事が来る事はありません。
でも、いいんです。
私の唯一のお話し相手なのです。
🫖「………」
あの時のアモンくんの言葉は主様にとって
言葉の棘のなるでしょう。
ですが、私はそれを伝えるだけなのです。
どうか勝手な行動をお許し下さい、主様。
🫖「…今日は何をしましょうか。」
アモンくんが亡 くなってから、
一ヶ月は経ったのでしょうか?
あれから警報も鳴らなくなりました。
私は主様を待つ事が使命なのでしょうか?
ですが……
静かな屋敷は、孤独なのです。
こんなに広い屋敷なのに。
何もかもが荒れ果てています。
私の方で出来る限りの対処はしています。
でも、彼らの力には及ばないのです。
🫖「主様…。」
いつになれば主様は
帰ってきて下さるのですか?
どうして帰ってきて下さらないのですか?
私達が何かしましたか?
🫖(考えるのはそんな事ばかり…)
主様が帰って来なくなってから
何年、何ヶ月でしょうか。
そんな事もわからないです。
ですが私は、
主様がいつか帰ってくると思います。
いつかまた帰ってきて下さると。
心の底で思っているのです。
アモンくんが言った
主様に伝えて欲しいこと。
それを伝えなければならない。
🫖「…私もそろそろでしょうか。」
また、花が枯れてしまった。
それでも、主様は帰って来なかった。
🫖「…お手紙を書きましょう。」
拝啓
主様、お元気でしたか?
お迎え出来ない事をお許し下さい。
この手紙を読んでいる頃には私を含め、
“悪魔執事”はもういなくなっています。
みな、亡 くなってしまいました。
最期に、アモンくんからの伝言です。
『主様はオレたちの天使っす。』
天使…それは敵、という意味ですよ。
さようなら、主様。
敬具
ベリアン・クライアン