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僕らの長く暑い夏


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7月24日

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

「景くんまだかなぁ」

「……道に迷ってたらどうする…?」

「流石にそこまででは無いと思うけど…」

今日は僕らの恋人の景くんの誕生日。

エアコンの効いた涼しい晴くんの家、景くんの到着をゆっくりと待つ。

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少し経つと静かな家の中にインターホンの音が響く。

「お、開いてるよ〜」

「おー?んじゃ入るぞ〜、おっじゃま〜〜」

ガチャ、と扉を開く音が鳴る。景くんは裸足なのかぺたぺたという音を鳴らしながら扉へ向かってくる。

「ハルぅ?とーじろぉー?」

『せーーのっ……』

少しの煙臭さと同時に綺麗な紙吹雪達が部屋を舞う。

「………はぇ…?」

景くんは驚いた顔をしながら数枚の紙吹雪を目で追いかけている。

「…え?今日なんかあったっけ…?大会とかまだねぇけど……?」

どうやら景くんはこのクラッカーの意味が自分の誕生日だと言う事に気付いていなかった。

「なぁに言ってんだよ、ほら、2人で色々作ったんだぞ?」

「……うぉ…?!んだこれ…美味そう……」

「……景くん、今日は何日でしょうか?」

「今日?ぇーっとぉ、24!……あっ!俺の誕生日!?!?」

「やっと思い出したか…おめでとう、景」

「誕生日おめでとう景くん」

景くんは自分の誕生日だと気付きしだい目を輝かせながら喜んでいた。少し言葉を発さなくなり、照れているようだった。

「なんつーか…その…ありがとな」

「何その言い方、照れてる?」

「違っ、照れてねーよ!!!」

口元を隠しながら照れている景くんはすごく愛らしくて僕と晴くんは即座にハグをしてしまった。

「……どったぁ?2人共」

「…たんじょうびおめでとう…」

「ハル声震えすぎだろw泣いてんのかぁ??w」

「…景くん生まれてきてくれてありがとう」

「おん!2人共ありがとうな!」

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「腹いっぱぁーい!!」

「美味しかったか?」

「おん!くそ美味しかったぁー!!」

「良かったね晴くん」

「だね。結構試行錯誤したんだからな」

「…ふへへ、俺2人と付き合えてよかったなぁ」

景くんがボソッと呟くと晴くんは今にも泣きそうな顔をしていた。晴くんは景くんが将来祓魔師の道に進む大変さ、辛さをよく知っていて、誕生日の度に思っているのだと思う。


また祓魔師の道に近付いてしまった


と。それでも晴くんは人一倍景くんの誕生日を祝っている。大好きな人の生まれた日なのだから。

それに僕だって、凄く幸せな一日になった。

僕らの長く暑い夏

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