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さて,変な子に出会ってしまったけれども。私は回復者以外の職を探すの!
「で…なんでついてきてるのよ。」
「俺も冒険者に転職する。」
この子がさっき出会った男の子,スカイ。なんでもスライムしか倒せない最弱騎士。そのせいで私は魔力をほとんど消費してしまった。魔力はご飯を食べたり,休憩することで自然に回復していく。
「いや,冒険者より騎士のほうが給料良いわよ?」
冒険者は別名ニート。倒した魔物やギルドで依頼を受けることによってお金を得られるが,騎士は違う。立っているだけでお金を貰えるのだ。最高すぎないか?そんな職に就きたかった。騎士は人間しかなることができない。体力,精神力の多さが違っているせいだ。エルフは尊いのだ。
「なんか楽しそうだったし。」
「楽しくなんかないわよ。それに,せっかく騎士の試験に受かったのに白紙にするわけ?」
騎士には体力の多さ,頭の回転速度などの試験がある。そんな試験に受かることができるのなら,スカイは頭がいいはずだ。それなのにどうして魔物討伐に使う体力の最善な使い方などを判別できなかったかが謎でしかない。
「はは,偶然だよ。で,ステータスは…あ,レベル上がってる。」
横目でスカイのステータスを見てみた。ステータスとは,個人情報などが載っているものだ。あまり見てはいけないのだが,ほんの少しだけ,見てみた。体力,学力などは5段階で表示される。スカイのものはどれも2。普通の人間より少し下だった。それだけならまだよかったのに,恐怖心というものがついていた。これがある限り,戦場には不向きだろう。恐怖心がついたものは克服しない限りステータスが上がることはない。
「ねぇ,スカイ。あなたのその,恐怖心は何においての恐怖心なのかしら。」
「…魔物だよ。」
「…そう。」
「じゃ,なんだし話そうかな。」
俺にはそう,恐怖心があった。それは魔物への恐怖。騎士になったころにはこれはなかった。けど,あるときを境に恐怖へと変わっていった。この天人魔界大戦争が始まって数年後の事だ。
「騎士隊スカイ,ただいま帰還いたしました。」
「おぉ,おつかれさん。」
またこの日もいつものように警備を終え,宿舎に戻った。
『‼緊急事態‼郊外にて魔物が大量発生した模様。近隣の___』
「スカイ,行くぞ!」
「はい!」
今日のように魔物が発生した。俺は先輩と一緒に郊外へと馬を走らせ,目的地に着いた。そこにはいつもみたいな小型の魔物ではなく,優に2メートルはある大型の魔物だった。沢山の魔物と戦う騎士。それを見て俺は足がうまく進まなかった。
「スカイ!」
「は,はい!」
それでも俺は町を守る騎士だ。命がけで戦うのが俺の使命。
「疾風斬!」
剣が刺さらない。この魔物の体は鉄でできているのか。いや,俺の剣は鉄でもなんでも斬れる特別な剣だ。斬れないなんておかしい。…もしかして,こいつらの体は真新しい鉄より硬いものなのか???
「ぐはぁぁ!」
「先輩!」
先輩が,魔物に…その周りに飛び散る血液。それを見たとき,俺のステータスに恐怖心がついた。
「その先輩は?今はどうしてるの?」
「…死んだよ。」
スカイの恐怖心はすぐになくならないだろう。悲しい過去は消えない。
「スカイ,私が貴方の恐怖心をなくしてあげるわ。」
「ありがとう。」
日が落ちてきた。夜はとても寒い。私とスカイは格安なホテルを探し,入っていった。
「一泊5ミリオンです。」
「え,嘘よ。5ミリオンっていくら何でも安すぎない?」
5ミリオンは1オリオンの5分の一。5ミリオンで買えるものと言ったらあめぐらいじゃないかしら。それだけの値段で泊まれるホテル…かなり怪しいわね。
「なら3泊お願いするわ。」
「はい,では二名で30ミリオンになります。」
お金を出し,私たちは案内された部屋に行く。本当は別々の部屋で泊まりたかったんだけど,このホテルかなり人気のようで空き部屋が一つしかなかった。部屋は狭くもなく,広くもない。ただベットが二つあるだけ。ベットの触り心地は…まあまあね。格安ホテルではいいほうなんじゃないかしら。
「スカイ,私は先にお風呂行くから好きになさい。」
「はい。」
着替えとタオルを持って浴槽に私は行く。もうすでに何人かの人は入っていたから更衣室は狭かったけど,お風呂は最高だったわ。1オリオン出しても足りないぐらいよ。
「さて,私のステータスは…」
エアリス・クリスティー 種族【エルフ】
level 2
剣術 1 所持金 7.86オリオン
魔力 5 属性 風
勤勉 2 職業 冒険者
体力 1 その他⇒
「まぁまぁってとこかしら。」
今日も星が綺麗だった。部屋の大きな窓からは沢山の家の明かりや街灯が沢山見えた。…いづれ,この町からおさらばしないといけになんて辛辣ね。私はそう思いベットに倒れた。