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田中静人
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#ヒトコワ
天音ろっく
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僕はいつもの住んでいる地区の中央公園で遊んでる。ここには物心ついた時から、お母さんや友達と来ている。
ジャングルジムが付いている滑り台やシーソーに砂場、ブランコに公演の真ん中には大きな机がある。
広いからキャッチボールやサッカーもできるし、机で持ってきたゲームをしたり、遊戯王のカードゲームで勝負をする。
今日僕達はみんなでキャッチボールをしていた。
みんなで円になって、ランダムに投げていくキャッチボールだ。
ゴロもフライも投げていい。
僕達はこのキャッチボールにハマっていた
誰が誰に投げるのか、どう投げるかは投げる側でワクワク感があるからだ。
みんなで楽しみながら、投げ合っている時に地響きが起きた。
僕も含めて倒れ込み、丁度僕のグラブにあったボールが転がった。
地響きのことを気にせず、転がっていったボールを僕は取りに行った。
その時だった。
地面が割れて、巨大な生物が突如現れたのだ。
その生物はナメクジをそのまま巨大化させたようなものだった。
二階建ての家を上回る大きさをしていた。
僕は足を止めてそのまましゃがみ込み下を見た。
僕はナメクジはもちろん、カタツムリ、爬虫類、両生類といった柔らかくてネチョネチョしてそうな生き物が大嫌いだ。
見ているだけで、気持ち悪くなる。
前なんて見ただけで、猛ダッシュで逃げ出したぐらいだ。
しかし、相手は巨大なナメクジ。
逃げるどころか、怖さと気持ち悪さでその場でしゃがみ込んで目に入らないようにするので精一杯だった。
下を見ながら横を見ると、みんなは珍しいものを見たかのように、はしゃいでいる。
ナメクジ嫌いは僕だけで、みんなは大丈夫だった。
そして上からピューという音がなり、僕は思わず上を向く。
まるでアニメや映画で出てくる戦闘機だった。
戦闘機はナメクジにミサイルを1発発射し、ナメクジは木っ端微塵。
ボールを取りに行った僕だけが、木っ端微塵になったナメクジの白い液体がかかった。
普段なら悲鳴を上げてもおかしくないはずだが、僕はそのまま倒れ込んでしまった。
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朝起きて、酷い気分だった。
お母さんが朝ごはんを用意してくれたが、食欲もなかった。
お味噌汁の中や目玉焼きの中から、ナメクジが出てくるんじゃないかと思ったからだ。
目を瞑りながら全て食べ終えて、小学校に向かう。
この夢を見て、余計にナメクジが嫌いになり、ご飯中に思い出すと食欲を無くしてしまう。
特に雨の日は、憂鬱でなるべく下は見ないようにする毎日を過ごした。
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大人になっても嫌いなものは変わらない。
見ただけで、逃げ出すほどだ。
ある時ニュースで、ある飲食店のサラダにナメクジが混入していたというのを見て、飲食店はもちろん家のサラダを食べることも戸惑ってしまうこともあった。
この夢は小学生の時の夢だが、今でも覚えている。
雨で濡れるとか通勤で遅延するよりも、ナメクジに遭遇するかもしれないという憂鬱の方が強いのだ。
ただこの夢で良いところをあげるのであれば、みんなで遊んだ場面だ。
今でも幼馴染として付き合いがある。
世帯を持ち、仕事でも成功している。
嬉しい話ではあるが、会える時間が減ってしまうのが正直寂しい部分がある。
偶然この夢に出てきたみんなでよく遊んだ公園に立ち寄ったことがあった。
綺麗になっていたが、今のご時世でこの遊具は危ないという意見が飛び交って、遊具が減ってしまったのが、少し寂しく感じる。
だが、一点変わってないのが真ん中にある大きな机だ。
子供達が座ってみんなで笑いながら話している。
昔を思い出す。
小学生の時だけじゃない。
中学生の時も、高校生の時も、大学生の時も、みんなで遊び、その机で談笑したり、夢を語ったりした思い出を……。
人間の歳を止めることも、時を戻すことは出来ない。
だが、私は子供達を見て、昔の自分達と重ねながら、あの頃に戻りたいと強く思い、そして戻れない現実を悲しく思い、そのまま去って行った。
コメント
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読み終えたわ。冒頭の巨大ナメクジ襲来、戦闘機で一瞬で片付く展開は「あっさり?」と思ったけど、その後のトラウマの描写がめっちゃリアルで刺さった。「目玉焼きの裏からナメクジ出てくるかも」って思考、あるあるすぎて草。でも後半の公園の机の思い出で一気にノスタルジーに持ってかれて、切なくなった。時は戻せないけど記憶は色褪せない…いい締め方だったわ。胸がぎゅってなった。