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「‥‥ぁ‥‥もっと‥‥」
「もっと?もう全部入ったよ?」
「やだ‥‥んっ、もっと!」
「これ以上入ったらお腹のもの全部出ちゃうよ」
「いい‥‥出て良いからもっと来て」
「こやが壊れちゃう」
「んぁ‥‥っ‥‥壊してっ‥‥ああっ!‥‥」
「っ‥‥それは言い過ぎかも‥‥こやっ!」
俺を壊しそうと言っていたのに
壊れた様に動き出したのは不破さんだった
不破さんの動きに俺の体が勝手にずり上がる
それを逃さない様にがっしりと身体を掴まれた
そして俺は不破さんの腕の中で果て、意識を手放した
「こや、大丈夫?」
「‥‥頭痛ぇ‥‥‥‥」
「ほら、これ飲んで」
薬を渡さられ喉の奥に流し込む
そのまま全部水を飲み干した
「吐き気は無い?」
「ん‥‥大丈夫そ」
「凄いな、相当飲んだはずなのに」
「ただ、頭はマジで割れそう‥‥」
「冷えピタ持ってきたけど貼る?」
「貼る」
おでこをあげると不破さんが冷えピタを貼ってくれた
幾分か気持ち的に楽な気がする
「こや、マジで頑張ったんだね。さっき店から報告来てた」
「俺、頑張れてた?」
「頑張りすぎだね。去年のクリスマスの2倍の売り上げだったけど。俺の事超えるのやめてよ!」
「だって不破さんが早く良くなる様にってお酒入れてくれる客が結構いたんですよ?」
「それにしても2倍はやり過ぎじゃない?」
「不破さん‥‥大きな声やめてよ‥‥」
「出さずにいられるか!こんな金額出されたら来年の企画出すの大変だよぉ」
「‥‥来年も俺出ますか?」
「‥‥‥‥いや、もうロウは出さない。俺の奥さんになったんだから!」
「でも今少し考えましたよね?」
「考えてない!そんなんじゃない!」
「分かったから‥‥もう‥‥声は小さめで‥‥」
俺は布団を被り、耳を塞いだ
その布団の上から不破さんが俺を抱きしめた
「不破さん⁈重いって‥‥」
「でも本当にありがとね。お酒好きじゃないのに、二日酔いまでして」
「‥‥不破さんのためならなんでもします」
そう答えると布団を剥がされた
「無茶な事はしないでね?」
「無茶だって出来ます。ホストだってね」
「‥‥ホストやりたい?」
急に真剣な顔
いつだって本当は俺の事を真っ先に考えてくれる
「俺が仕事するなら裏方が良いです。でも今は不破さんの奥さんが良いです」
「こやぁ!」
「ちょっ‥‥不破さん!俺まだ頭痛いんですからね?」
「だって可愛い事言うから!」
そう言いながら不破さんはポケットから何か出す
この箱‥‥
「今年のクリスマスプレゼント」
「‥‥‥これ」
「マリッジリングだよ。貰ってくれる?」
「もちろん」
俺は不破さんに左手を差し出した
そして箱の中に残るもう一つを手に取り、不破さんの左手の薬指に着ける
「返品は利かないからな、俺」
「こやが嫌がっても手放さないよ」
俺だって
何があっても不破さんを絶対離さないから
END.