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佐久間大介幼児化事件
それは、ある日の少クラの楽屋で起きた。
「みんな! 大変だ!! 佐久間が、佐久間が小さくなっちゃった!!!」
楽屋のドアをバァン!と勢いよく開けて飛び込んできたのは、顔を真っ青にした阿部亮平だった。その腕には、ぶかぶかの衣装(さっくんサイズ)に包まれた、推定年齢4歳児の男の子が抱えられている。
くりくりの大きな目に、トレードマークのピンク色の髪。
「あべちゃん、おもたーい? さっくん、おんぶがいい!」とケラケラ笑うその声は、間違いなく佐久間大介そのものだった。
「「「はぁぁぁぁぁぁ!?!?」」」
楽屋にいたメンバー全員の声が綺麗にハモった。
「え、待って、何これドッキリ!?『モニタリング』!?」
深澤辰哉がキョロキョロと隠しカメラを探すが、どこにもない。
「マジのやつだ……。阿部、何があったんだよ」
岩本照が恐る恐る近づき、4歳児の頭を突っつく。すると幼児化さっくんは、キャッキャと嬉しそうに岩本の指を握りしめた。
「わかんない!『ちょっとトイレ行ってくる〜』って行ったきり戻ってこないから見に行ったら、個室の中でこの状態の佐久間が『あべちゃ〜ん、お洋服おっきい〜』って泣いてて……!」
阿部もパニックでIQが2くらいになっている。
そんな大人たちの焦りを余所に、幼児化さっくんは楽屋のソファへ降ろされると、短い手足をバタバタさせて大はしゃぎし始めた。
「わーい! めめ! こーじ! あそぼーー!!」
「うわっ、名前呼ばれた!」向井康二が胸を押さえて悶絶する。「何これ、めちゃくちゃ可愛いねんけど! ラウールが小さかった頃よりちっちゃい!」
「康二くん、僕のことは引き合いに出さないでよ」と言いつつ、ラウールも「ちっちゃ…!」と興味津々で覗き込んでいる。
目黒蓮は、自分の前にトコトコと歩いてきたさっくんを見下ろした。さっくんは目黒のズボンの裾をぎゅっと握り、きゅるんとした瞳で見上げている。
「めめ、だっこ。だっこしてぇ」
「……ッ」
普段の男気溢れる目黒が、一瞬で陥落した。無言でさっくんを軽々と抱き上げると、その圧倒的包容力にさっくんは「ひゃはは! めめ、おっきーい!」と大喜び。
「おい目黒、ずるいぞ! 次俺な!」と渡辺翔太がスタンバイするが、さっくんは抱っこされたまま宮舘涼太を見つけた。
「だてさん! さっくん、おなかすいた!」
「……そうか。待っていなさい」
宮舘は動じることなく(心の中では大パニックだが)、ロイヤルな手つきでカバンから幼児用のオーガニッククッキー(なぜ持っている)を取り出し、さっくんの口元へ運ぶ。
「あむっ……おいちー!! だてさん、しゅき!」
「私も好きだよ」
宮舘の全肯定に、周囲から「舘さんまでバグった!」とツッコミが入る。
しかし、楽しい時間は長く続かない。なんとあと30分で本番の収録が始まってしまうのだ。
「どうすんだよこれ! このサイズじゃ衣装も着れないし、アクロバットなんてさせたら骨折れるぞ!」
深澤が頭を抱えると、リーダーの岩本がすっと前に出た。
「……やるしかない」
「何をだよ、照!?」
「佐久間のパートは全員でカバーする。幸い、フォーメーションは俺がその場で組み直す。深澤は衣装さんとマネージャーに連絡して、大人の事情を全部揉み消せ」
「無茶言うな!?」
その時、楽屋のテレビから「Snow Manの皆さん、まもなくスタンバイをお願いします」とアナウンスが流れた。
「めめ、さっくんをおろして」
急に、抱っこされていたさっくんが真面目な顔(※4歳児)になった。
「さっくん、おどる。みんなと、いっしょに、ステージいく!」
小さな拳をぎゅっと握りしめてメンバーを見つめる瞳は、いつもの「Snow Manの佐久間大介」そのものだった。小さくなっても、ステージにかける熱量と魂は消えていなかったのだ。
「……よし。じゃあ佐久間は、俺の肩の上な」
岩本がさっくんをひょいと持ち上げ、自分の首の後ろに跨がせた。肩車である。
「あべちゃん、さっくんの衣装の裾、安全ピンで留めて!」
「了解!」阿部が猛スピードでぶかぶかの衣装を裁縫し始める。
こうして、前代未聞の「9人(うち1人幼児)」によるステージが始まった。
イントロが流れた瞬間、さっくんは岩本の肩の上で、小さな手を力一杯振って見事なアイドルスマイルを決めた。歌い出しの佐久間パートでは、メンバー全員がさっくんを囲み、下からマイクを向ける。
「〜〜♪(※ちょっと舌足らずな美声)」
奇跡的に完璧なパフォーマンス(?)を終え、舞台袖に戻ってきた瞬間ーー。
ポワンッ、という少女漫画のような効果音と共に、一瞬で元のサイズ(168cm)に戻った佐久間が、岩本の肩の上でバランスを崩した。
「うわあああっとっと!! 照、重い重い!!」
「ぶふっ……! お前急に戻るな!! 重てぇよ!!」
岩本がたまらず佐久間を床に転がす。
「あれ? 俺、なんで照の肩に乗ってたの? 歌ってた記憶はあるんだけど……」
頭を掻きながら不思議そうにしている佐久間に、メンバー全員が一斉に飛びかかった。
「お前なぁぁぁ!! どれだけ焦ったと思ってんだよ!!」
深澤がネクタイを引っ張り、向井が「俺のカメラのデータ見てみぃ!」と画面を突きつける。そこには、めめに抱っこされてデレデレな4歳児の自分の姿が。
「うわっ何これ超絶可愛いじゃん俺!! え、めめ、もう一回抱っこして!」
「……いや、今の佐久間くんは重いからパス」
「冷たい! めめのいじわるー!」
いつもの賑やかな(やかましい)佐久間に戻った姿を見て、メンバーたちは呆れつつも、心の底から安心したのだった。
「まぁ……可愛かったから、たまにはアリだけどね」
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コメント
1件
あら〜これめちゃくちゃ可愛いやつですね!第3話、楽屋の大騒ぎからまさかの肩車ステージまで、テンポ良くて一気に読んじゃいました。各メンバーの個性が幼児化フィルターで最高に生きてますね。特に目黒が「だっこ」で即落ち&無言で抱き上げるの、めちゃくちゃツボでした(笑)。あと舘さんのオーガニッククッキー持ち歩き説も気になる…。 何より「小さくなってもステージへの魂は消えない」っていう、コメディの奥にある本質をちゃんと描いてるところが好きです。楽しくてちょっと胸熱な、素敵なエピソードでした!