テラーノベル
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リオンです。読み終わりました。めちゃくちゃ笑いました(笑)。女体化した照さんの破壊力がすごすぎて、メンバーみんな一瞬で「買い出し部隊」になる流れが最高でした。しかも戻った後に「肩幅がキツい」って呟くのが照さんらしくて、そのギャップ愛おしいですね。設定もテンポも軽妙で、読後感が爽やかです。各メンバーの反応がキャラに合ってるのも好印象でした。短い話数でこのまとめ方は、構成力がしっかりしてるなと感じました。
岩本照女体化事件
それは、新曲のダンスリハーサル室で起きた。
「……なぁ、阿部。あそこにいるの、誰?」
休憩中、スポーツドリンクを飲んでいた渡辺翔太が、鏡の前を指さして硬直した。
阿部亮平が視線を向けると、そこには見慣れない超絶スタイルの美女が立っていた。
身長は180cm近くあり、誰もが見惚れるような抜群のモデル体型。黒髪のロングヘアをポニーテールにまとめ、バキバキに割れた腹筋が見えるトレーニングウェアを着ている。
「えっ!? 誰かのプロダンサーの方……? っていうか、なんでうちの楽屋のTシャツ着て……」
阿部が困惑していると、その美女がゆっくりと振り返り、低めの、けれど明らかに女性のハスキーボイスで呟いた。
「……なぁ。なんか急に視界の高さが変わった気がするんだけど。あと、胸のあたりが重い」
「「「ひーくん(照)!!???」」」
リハーサル室にいた全員の絶叫が響き渡った。
「嘘だろ!? 照、お前、女になってる!!」
深澤辰哉が漫画のように目玉を飛び出させて叫ぶ。
「え、マジで? ドッキリじゃなくて?」
女体化した照は、自分の胸元を不思議そうに見下ろし、ぽよん、と手で触ってみた。
「わーーーっ!!! 照にぃ、何触ってんの! ダメだって!!」
ラウールが真っ赤になって慌てて照の目を手で覆う。
「ラウール落ち着いて! 照、とりあえずこれ着て!!」
目黒蓮が自身の私服の大きめのパーカーを猛スピードで脱ぎ、照の頭からすっぽりと被せた。普段は男気あふれる目黒も、さすがに耳まで真っ赤だ。
「えー! 照にぃめっちゃ美人さんやん! スタイルお化けやん!」
向井康二がスマホのカメラを構えるが、すかさず宮舘涼太が「康二、レディの写真を無断で撮るんじゃない」とカメラのレンズを手で塞ぐ。その舘さまも、どこか視線の置き場に困っている様子だ。
「ねぇ照! 体調は!? 筋肉量落ちてない!? 握力は!?」
佐久間大介がプロテインシェイカーを片手に駆け寄る。
照はパーカーの袖から細くしなやかな(しかし筋肉のラインは完璧な)手を出してグッパーした。
「……うん。体は軽いし、動ける。でも、いつもよりちょっと力が出ないかも」
首を傾げるその仕草が、黒髪ロングの髪も相まって、破壊力抜群の「儚げ系マッスル美女」と化していた。
その時、リハーサル室のドアが開き、マネージャーが顔を出した。
「Snow Manの皆さん、10分後に雑誌『Tarzan』の表紙撮影の打ち合わせが入ってまーす……って、え、その綺麗な女性はどちら様で……」
「マネージャーさんストーーーップ!!!」
深澤が全力のタックルでマネージャーを部屋の外へ押し出し、鍵を閉めた。
「どうすんだよこれ!! 今日の撮影、バキバキの筋肉美を見せるやつだぞ! 照がこんな峰不二子みたいな体になってたら企画倒れだろ!」
「不二子ちゃん言うな!」と渡辺がツッコむ。
当の照は、メンバーが大パニックになっている傍らで、鏡に映る自分をじっと見つめていた。
「……ねぇ、ふっか」
「な、なんだよ照……じゃなくて、照ちゃん?」
「髪、長いと邪魔。ゴムで結んで」
「自分で結びなさいよ!!」
深澤がツッコミつつも、慣れない手つきで照の黒髪をまとめようと苦戦していると、照が「あ」と小さく声を上げた。
視線の先には、差し入れのシュークリームの箱がある。
「タピオカとシュークリーム食べたい。買ってきてくれたら、撮影頑張る」
上目遣いで、少し甘えるように言う照。元々強面ギャップの甘党だったが、美女の姿でそれをやられると、破壊力は通常の500倍だった。
「「「俺が買ってきます!!!!!」」」
渡辺、向井、目黒、ラウールが財布を掴んでドアへ突進する。
「待てお前ら! 照の胃袋を掴むのは俺だ!」と宮舘までエプロンを締め直す始末。
「ちょっとみんな落ち着いて! 照、とりあえず撮影は体調不良ってことにして延期に……」
阿部が必死にスケジュールを調整しようとしたその時。
ポフンッ。
またしてもファンタジーな効果音と共に、一瞬で部屋に白い煙(のような幻)が立ち込め、霧が晴れると、そこにはいつも通りの「身長182cm・体脂肪率4%・強面マッチョ」の岩本照が、目黒のパーカーをピチピチのサイズ感で着て突っ立っていた。
「……あれ? なんか急に肩幅がキツくなった」
髪もいつもの短髪に戻っている。
リハーサル室が一瞬、静まり返った。
「「「戻ったーーーー!!!!」」」
「なんだよもう! 焦らせやがって!」と深澤が床にへたり込む。
買出しに行こうとしていたメンバーたちも、財布を片手に脱力した。
「え、俺なんか変だった?」
不思議そうに首を傾げる岩本に、目黒が少し残念そうに(?)呟いた。
「……いや、戻ってよかったです。でも、あの、パーカーは返してください」
「おう、サンキュー」
ピチピチのパーカーを脱ぎ捨てる岩本は、完全にいつもの頼れるリーダーだった。
「よし、じゃあ休憩終わり! ダンスの位置確認やるぞ!」
岩本の一声で、メンバーたちは「へーい」と立ち上がる。
事件は一瞬で解決したが、その後しばらくの間、岩本が髪を耳にかけたり、甘いものを食べて微笑むたびに、メンバー全員が「(あ、今の仕草ちょっと可愛い……)」と一瞬ドキッとしてしまう後遺症に悩まされたのは、ここだけの秘密である。