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1話完結物語。

9 - 本が好きな人

♥

205

2025年10月24日

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体育祭パロ!!!

王道な借り物競走をお送りします😸

ほぼリハビリ



knsm


『 本が好きな人  』




sm side




残暑の中照りつける太陽。 日陰にいるにも関わらず、汗が滲む。


今日は体育祭。盛り上がった空気に包まれ、俺は彼を見ていた。





直毛の黒髪。前髪から覗く、深いセルリアンブルーの目。左目下の泣き黒子。_俗に言う…彼氏の、knだ。



赤く染められたハチマチを巻いて、屈伸をしている。






「 続いての競技は借り物競走です。準備運動の終わった出場者の皆さんは、トラックに並んでください。 」





knは、これから借り物競走に出るらしい。


knと俺は軍が違うから、応援しようにも出来ない。ついこの前、knは、そのことが残念だと肩を落としていた。




出場者が揃えば、まもなくスタートを知らせるピストル音が響いた。







sm「 すご… 」




knは持ち前の足の速さを活かし、隣の走者をどんどん抜かしていく。



ここからが借り物競走の醍醐味。用意されたお題を持ってくることが出場者の使命だ。



…まあ、難易度は皆均一に設定されていて、さほど難しいお題は用意されていないらしい。係の人から聞いたことがある。



そのはずなのに。






kn「 …えぇ!? 」




knは困惑の表情を見せていた。

俺は次の競技がなんだったか、プログラムを見ていた。すると、周りの女子たちの歓声が沸く。




自然に意識が歓声の矛先へと行く。

…あれ。







sm「 え、knじゃん 」






恋する女子たちは、knを捉えていたみたいだ。


こっちの陣地まで来て何を探しているのだろう…





kn「 smーっ!!きて!! 」





sm「 は… 」







そう、俺の名前が叫ばれる。

女子の甲高い声も、実況をしている人の声も、応援の声も。全てが耳に入らない。拾うのは、knの声だけ。



俺は固まった。





kn「 よし、いくよ! 」


sm「 …ぇあ、お、俺!?なんでっ 」




そう告げられるのと同時に、手を引かれる。



…女子たちの視線が痛いことも、この頬の暑さも、この際knのせいにしてやる。



恥ずかしさと驚きと、困惑と心配の入り混じった感情が、首元に汗を伝らせる。





きっと、これも残暑の暑さのせいだ。










手を引かれながら、走る。





kn「 ちょっ、sm遅いって! もー、!!( 笑 」




sm「 うる、さっ…! 」




kn「 いったぁ!?やったなこの野郎っ〜!? 」





こっちは着いて行くのに必死なんだよ。




でも、こんな風に笑われるのに苛立ちは覚えない。



… 苛立ちはしないけど、knに一方的に馬鹿にされるだけでは、こちらとして面白くない。knの肩を軽く叩く。





これは、敵軍としての、小さな攻撃。









「 紅軍knさん4位です!最後まで走り切りました! 」





knの出場する借り物競走、結果は最下位。

まあ、7割くらいは俺のせいだろう。






kn「 あは、最下位じゃんっ!smのせい! 」



sm「 はあ、はー…っうるさぃ… 」




knは笑いながら、俺の肩を軽く突いた。





sm「 ってか、そうだ…なんで俺なんだよ! 」




knはもうすでに息が整っていた。

こいつの体力は計り知れない、そんな思考をよそに、knを見つめる。




kn「 え?お題言わなかったっけ? 」



sm「 聞いてねーよ、 」



mb「 あ、お題確認しますねー、 」




そんなやりとりをしているうちに、係の人がきた。お題が正しく用意されたか、確認を取るのか。大変だな。






…まさか、変なお題じゃないよな?

『イケメンな人』とか、『頭が良い人』とか、極端なものなら、たまったものじゃないぞ。






_もし、お題が『恋人』だったら…?


いきなり変な考えが浮かんで、ごくりと息を呑んだ。










mb「 knさん、お題は『本が好きな人』で間違いないですか? 」




kn「 はい、あってます… 」





sm「 は、え… 」




kn「 ん?違った?好きでしょ、本 」



sm「 ぇあ…う、うん 」





よかった、おかしなお題じゃなかった。


でも…






sm「( でも…! )」







なんか、俺が勝手に期待していたみたいじゃないか…?



でも、それは、そうだよな…恋人なんていない人は連れて来れないし、そういうのは用意する人側が配慮してくれるんだろう。



俺は何を勝手に、knが『恋人』として俺を連れ出したのかと考えているんだ。



勝手に考えて、勝手に傷つくなんて、馬鹿みたいだろう。






mb「 では、あとはお二人とも陣地に戻ってもらって大丈夫です。 」




その一言で、やっと我に帰る。

よし、喉も乾いたことだし 戻ろうと思ったそのとき。





肩を、軽く突かれる。










kn「 sm。俺はお題が『本が好きな人』だったからsmを選んだわけじゃないからね。 」







sm「 …え、は…?どういう、? 」





kn「 _… ちょっとでも長くsmと居たかったの!全然競技のときに顔見ないから…ちょっと寂しくなって 」











sm「 っ…!? 」







…そう言って、knは軽く微笑み、走っていってしまった。

今のknの言葉が、ひどく頭から離れない。



いまの一言の意味も意図も、何もわからなかった。





ただ一つ、わかるのは。




己の頬の温度の上昇だけ。








陣地に戻り、木陰にしゃがみ込む。


反対側に見えるknは、笑みを浮かべて友人とハイタッチを交わしている。



knの周りには、友人だけでなく女子もいた。

knは、その人たちと笑い合っている。




…あ、女子とハイタッチした。

knは、嫌な顔ひとつしていない。







sm「( なんか、複雑だな… )」





悶々と思考を広げていると、ふとknと目が合った。




kn「 ! 」






kn「 … 」




sm「 は 」






おい、こいつ今 にやって顔した。



不敵な笑み、それは俺に向けられたもののようだ。











「 これにて全競技、及び予定されていたプログラムが終了いたしました。生徒の皆さんは速やかにお帰りください。体育祭の実行委員の方は、後片付けを_ 」





長かった体育祭ももう終わり。俺が活躍する場面なんて一つとして無かったが、行事を通し盛り上がれたという思い出が一つ残った。






問題はあいつだ。knだ。




…隣に影が見える。見なくてもわかった、knだった。





kn「 終わっちゃったね、体育祭 」




sm「 …だな 」




kn「 紅組が優勝すると思わなかったな、特に借り物競走なんかボロ負けで… 」





sm「 それはぁ…流石に俺も悪かった 」





kn「 ふはっ、…あの後、女子からなんか問い詰められてさ。『私も本好きなのになんでsmくんなの!?』みたいな。めんどかった〜、 」





sm「 勝手に言ってもらって結構だ、俺は… 」






kn「 …うん? 」






sm「 俺はknに選んでもらって嬉しかったし、ちょっと話せてよかった 」





kn「 え 」







sm「 …来年は、今度はもっといいお題で俺を選んでくれ…それも、女子に殴られるくらいの 」











kn「 …わかった、借り物競走担当の子に、頼んでみるね 」





長かった体育祭ももう終わり。

少し、『本が好きな人』 でよかったような気がした。





この2人書くのやっぱりたのしいね…


最近寒すぎる!!!

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